
『私のお雛様を娘に譲っても大丈夫ですか?』 と言う質問を良くいただきます。
すでにお雛様がお家にあったらばそのように考えてしまうかも知れませんが…
皆さん、ちょっと不安そう。
そこで今回はこの点について考えてみましょう!
雛人形のお下がりとはどういうものか
私には5歳年上の姉がいるので、子供の頃の洋服やおもちゃのお人形などは姉のお下がりが多かったです。
その姉には子供が1人いて、ママ友さん同士で着られなくなった子供服を交換したりしていました。
それと全く同じで、
ママのお雛様や、ママのご姉妹のお雛様、おばあちゃまのお雛様、親しい方のお雛様… などなど、
『誰かが所有していたお雛様』を譲り受けることが『お雛様のお下がり』となります。
雛人形をお下がりする際に考慮すべき点

姉のお下がりが多かった子供時代には “お姉ちゃんはいいなぁ。” という、羨ましくて寂しい、
ほろ苦い記憶が残っています。 ( その上、姉のお雛様は素敵なのに私のお雛様は全く違って可愛いくなく、本当に悲しかったです😢 )
私の記憶のように、お嬢様が少し大きくなって『このお雛様はママのお雛様だったんだ』と知ったらば… もしかしたらお嬢様はちょっと寂しく感じるかも知れません。
また、もともとお雛様は女の子の成長を見守り、降り掛かる厄を身代わりとなって引き受けてくれるお守りのような存在です。
ママのお雛様はママに降り掛かる厄を引き受けてくれたお雛様なので、そのお雛様をお嬢様に譲るとその厄も一緒に譲ってしまう事になってしまい、万が一お嬢様が体調を崩したり怪我をした時などに『お雛様をお下がりしたせい?』と不安な気持ちになってしまうかも知れません。
でも、これらは全て“だろう話”。 全く気にしない場合は問題はありません。
ですが、少しでも気にかかるようであったらば、慎重に考えていただいて結論を出していただけると幸いです。
お下がりを受け取る時に気をつけるべきこと

お下がりのお雛様を受け取る時は、
※ 傷んでいる箇所がないか ※ 足りない部品がないか を確認してください。
この2点はとても重要な確認ポイントです。
傷んでいる箇所は、修理ができる場合とできない場合があります。
修理ができる場合でも、修理代が高額になってしまう事もあります。
この見極めはなかなか難しいので、雛人形の知識が豊富な雛人形専門店にご相談する事をお薦めします。
足りない部品は、全く同じ物は製造されてなく入手できない場合があります。
その場合は似たような部品になってしまい、全体的な調和が崩れてしまう恐れもあります。こちらも修理同様、雛人形専門店にご相談する事をお薦めします。
雛人形のお下がりは縁起が悪いと言われる理由は本当か
お家にすでにお雛様があったらば、 お下がりをして活用したくなってしまいますよね。
しかし、お雛様のお下がりは縁起が悪いと言われることがあります。
その理由は、お雛様には 『新たに生を受けた女の子を見守り、降り掛かる厄を身代わりになって引き受けていただく』と言う意味があるからです。
その歴史はたいへん古く、1200年以上の時を遡ります。
その頃の医療は現代のようには発達しておらず、赤ちゃんが無事に成長する事は当たり前ではなかったのです。
そこで厄除けの人形を飾り、子供の身代わりになってもらったのです。
この伝統文化を重んじて考えた場合には、お雛様のお下がりは縁起が悪いと言うことになります。
けれど、この考え方は言い伝えられてきた風習であって、100%縁起が悪いと言うわけではありません。
『本当か?本当ではないか?』 は 『信じる? 信じない?』 と通じるところがあり、気にする方も、気にしない方もいらっしゃいます。
大事なことは『お雛様の本来の意味を知っていただくこと』で、
その上でご家族で話し合い、慎重に考えていただくことがベストだと思っています。
雛人形のお下がりを活用するメリットと注意点

テレビニュースを見ていたら、外国人の女性が日本でお雛様に出会い、すっかり魅了されてしまい、気に入った古いお雛様を集めて自宅で飾っているというトピックを紹介していました。
このようにお下がりのお雛様はお祝い事ではなく、趣味として飾ったり、お店などの季節のインテリアとして飾ったり、さまざまなイベントで飾って皆さんで楽しむのはとても良い活用方法だと思います。
けれど…
たまに、すごく古くて傷んだままのお雛様が飾られている姿を目にする事があります。
雛人形が大好きな私から見ると、その光景は悲しげで、少々怖さを感じる事もあります。
なので… 、傷んだ箇所が多いお雛様の場合はお下がりを控えたり、
それ以上傷つかないような対策をして、綺麗な状態を少しでも長く保っていただきたいと心から思います。
雛人形のお下がりを受け継ぐための適切な手入れ方法
お雛様は乾燥と湿気が1番苦手です。
受け継いだお雛様は新品のお雛様よりも敏感なので、乾燥と湿気は充分に気をつけてあげてください。
傷んだ箇所がある場合は、傷口を広げないためにも細心の注意が必要です。
乾燥はひび割れの原因になります。
お雛様のお顔やお道具の塗り物は乾燥が天敵なので、エアコンやヒーターの温かく乾燥した空気が直接かからない場所、
直射日光が当たらない場所を選んでお飾りください。
湿気はシミ・カビの原因になります。
風邪予防のためには加湿器は役立ちますが、加湿器から出る湿った空気もお雛様には天敵です。
湿った空気が直接かからない場所、結露した窓から離れた場所を選んでお飾りください。
飾り終わって箱にしまったら、人形用の防虫剤を入れてください。
防虫剤は直接お雛様にあたらないようにティッシュペーパーなどで包み、蓋をする前に上に入れてください。
保管場所も重要です。
家の中では天井に近い所ほど湿気が少ないと言われているので、クローゼットの上や押し入れの上段などで保管してください。
気をつけるポイントがたくさんありますが、良い状態を長く保つためにどうぞよろしくお願いいたします。
雛人形を新しく購入するかお下がりにするか迷った時の判断基準

お家にお雛様あるのに新しいの買う必要ある? と迷った場合は…
『買う・買わないはちょっと横に置いて、リラックス気分でお雛様を見に行ってみて!』 とご提案させていただきます!
お雛様って意外と流行に敏感なんです。
最新のトレンドカラーのお雛様や、プリンセスみたいな雰囲気のお雛様、
すごくコンパクトなお雛様や、こだわり満載のお雛様 などなど、とてもたくさん種類があるので見ているだけで楽しくなりますよ。
その中で、『あ、これいいなぁ』と琴線に触れるお雛様に出会うかもしれません。
また、『私のお雛様とは全く違う!娘にはこっちの方がいいかも?』という気持ちが生まれて来るかもしれません。
一呼吸入れてから、再度 “新しく購入するか?お下がりにするか?” を考えてみると、
最善の判断はどちらなのかが見つかると思います。
まとめ

『新しいお雛様を買ってあげたいなぁ。』 という気持ちも、
『んん〜、お雛様あるんだけど、どうしよう?』と悩んでしまう気持ちも、
どちらもとても良くわかります。
でも…主役は生まれてきてくれたお嬢様です✨
お嬢様のために悩んで、最善の答えを見つけてください。
お嬢様とお雛様の記憶が、かけがえのない素敵な記憶になりますよう、
心からお祈り申し上げます!
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