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雛人形はいつからいつまで飾る?最適な期間と飾り方のポイント!

カタログを見たり、ネットで調べたり、お店に出かけたり…
と、いろいろな方法でお雛様選びを進めながら、
次はいつ頃お雛様をお飾りしたら良いかをちょっと見てみましょう!



雛人形を飾る最適な期間とは?

お雛様が誕生した1000年ほど前の日本は
お月様の満ち欠けと太陽の動きから考えられた暦を使っていました。
現在使っている暦よりも古い事から『旧暦』と呼ばれています。


旧暦には、季節を表すために用いられていた
『二十四節気(にじゅうしせっき)』という考えがあって、
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、
さらに春夏秋冬のそれぞれを6つに分け、全部で24の節にするものです。

左の円をちょっとご覧になっていただけますか?

1番昼間の時間が長い夏至や、1番昼間の時間が短い冬至、
現在祭日になっている春分の日や秋分の日なども
この二十四節気の内の1つです。

旧暦を使わなくなってから150年ほどの時間が経ちますが、二十四節気は今でも私達の生活に受け継がれているのです。

古くからの風習を大事にする雛祭りは、二十四節気の初めの節である『2月初めの立春の頃』から『雨水の頃』に飾るのが良いと言われています。これは今のカレンダーだと2月4日から2月19日頃にあたります。その頃に飾り始め、3月3日ちょっと過ぎくらいまでの間お飾りするのが
だいたいの目安とされています。

雛人形を飾り始める日

立春の前日が節分。 豆撒きの日です。
『節を分ける』という文字通り、旧暦上で節分は大晦日のような日にあたり、過ごしてきた1年間の厄を落とし、そして新しい年に福を呼び込むため豆を撒きました。
そして迎える次の日が立春。新しい年の始まりです。

この風習が今も残っているので…
『お雛様はいつ頃飾ったら良いですか?』と雛人形屋さんに質問すると、
『立春頃の良い日がいいので2月4日過ぎの良い日がいいですよ。』
という答えが返ってきます。

良い日には、大安や友引といった縁起の良い日はもちろん入りますが、それ以外にも
太陽の出たお天気の良い日や、お飾りしていただく方のご都合や体調も含まれます。
( 飾ろうと決めた日が縁起の良い大安でも、雪が降ってて、その上風邪気味だったら、お飾りいただく方もお雛様もとても辛いので…。)


大安と友引ならば、
来年2025年2月4〜28日の間には、大安は4日間、友引は5日間あります。
この中で、第1候補日、第2候補日、第3候補日…を決めておいて、実際の日のお天気やご家族のご都合、体調に合わせて
フレキシブルに対応するのがベストだと思います。

2月4日から2月19日頃に飾り始め… と書きましたが、これはあくまでも目安で、とらわれる必要は全くありません。また、
大安や友引といった縁起も守らなければならないものではないので、大安や友引に飾らなければならないという事も全くありません。
お雛様は新しい家族の大切なお祝いですから、ご家族のライフスタイルに合った良い日にお飾りしましょう!

雛人形を片付けるタイミング

『 お雛様を早く片付けないと結婚が遅くなる 』とよく言われますが…
大丈夫、安心してください。これは迷信です! 
こう言われた理由は、お雛様はお飾りよりもお片付けの方がとても時間がかかるため、
お片付けモードにならないと、ついつい延ばしがちになってしまうためです。
それを戒める言葉として『 お雛様を早く片付けないと結婚が遅くなる 』が生まれたようです。


でも、やっぱりお片付けは遅くなってしまいがちです。
そこで一応の一区切りは、『3月中旬までにお片付け』です。
またまた二十四節気の登場ですが、
3月後半に訪れる『春分』までにお片付けが終了しているといいですね!

地域や家庭による飾り期間の違い

「雛祭りはいつ?」 という質問にはほとんどの場合「3月3日」という
答えが返ってくると思います。
でも、地域によっては1ヶ月遅い4月3日にお祝いをする所もあります。
これは、かつて日本が旧暦で生活していたことの証で、
今もその風習が継承されているのです。
月遅れの雛祭りで代表的な地域は長野、埼玉、山梨、岡山があります。

雛祭りは『桃の節句』とも呼ばれます。
桃の開花は3月下旬から4月上旬なので、月遅れの雛祭りでは昔の人々が
見たであろう景色を体験しながら雛祭りをお祝いできるところがいいですね。

月遅れの雛祭りをお祝いする場合は、4月の上旬までお飾りします。

この月遅れの雛祭りを実際に経験されている方で、3月3日に雛祭りのお祝いをする所に引越しても今までのように
4月3日にお祝いをするご家庭もありますし、引越し先の風習に合わせて3月3日にお祝いをするご家庭もあります。このように、
ご両親とともに生活なさっていた時の風習を受け継ぐ事も素敵だし、ご夫婦の新しい家庭で新しい形を作って行く事も素敵だと思います。

雛人形を飾る際のポイントと注意点

お雛様の飾り方は、関東と関西では男雛と女雛の位置が違います。
関東の場合は、向かって左側に男雛を、向かって右側に女雛をお飾りします。
関西の場合は、向かって左側に女雛を、向かって右側に男雛をお飾りします。 
…と全く反対ですね。
この理由は、江戸時代までは、向かって右側が地位の上の人が座る場所とされていたためで、それが明治になり
欧米の文化が日本に入ってくると、向かって左側が地位の上の人の場所と変化して定着したためです。

この2つの飾り方のどちらが良く、どちらではだめ という事は全くありません。
関東にお住まいなら関東式、関西にお住まいなら関西式でお飾りいただいても良いし、
「京都に憧れてるから関西式でお飾りする!」というのも良いですね。

自由な気持ちで、楽しく飾っていただき、笑顔で過ごしていただくのが1番大事な事です!

お雛様をお飾りするときに気を付けていただきたい事があります。 それは、
① 湿気と乾燥  ② 直射日光  ③ シミ です。


① 湿気と乾燥
お雛様をお飾りする季節は冬。
空気が乾燥しているので加湿器で湿度を上げますが、お雛様とお道具類は湿気が1番苦手です。
湿気はシミやカビの原因となるので、加湿器から出る蒸気が直接お雛様やお道具類にかからない
ように気をつけましょう。結露している窓の近くにお飾りするのも避けた方が良いと思います。

また、
エアコンやヒーターなどでお部屋を暖めますが、その風を直接浴び続けると乾燥しすぎてしまいます。
乾燥はお顔やお道具類のひび割れや反りの原因となるので、直接風があたらない所を選んでお飾りください。



② 直射日光
直射日光は、お雛様のお着物やお道具類の色褪せや材質の劣化の原因となります。
日がさんさんと降り注ぐようなお部屋にお飾りになる場合は、窓から離れた所にお飾りください。
昼間は遮光カーテンを利用して日差しを遮るのも良いですね。

③ シミ
お雛様に触れる前は手を洗って、指の汚れや脂を落としてください。汚れや脂がお顔につくとシミの原因になります。
お雛様を箱から出したらお顔が少し横を向いていた時や、男雛に烏帽子を被せる時など、お雛様のお顔に触れる時は白手袋を使用してください。


たくさんあって申し訳ありませんが、綺麗な状態で末永くお飾りいただくためにどうぞよろしくお願いたします。

雛人形の保管方法と片付け方

お雛様をお飾りして、楽くお祝いして、素敵な時間を過ごした後は… お片付けです!
初めは時間がかかるかも知れませんが、大丈夫、できます! 頑張りましょう!


お飾りをする時ですが、お雛様やお道具類を箱から出す前に、何がどこに入っていたか が分かる写真を撮っておくと
お片付けの時に確認できるので、悩まずしまえて便利です。

お雛様は湿気が1番苦手なので、お片付けは雨や雪の降っていない晴れた日にお願いいたします。

箱にしまう前に、飾っているうちについた埃を毛ばたきなどで払ってあげてください。
この時、うっかり素手でお雛様のお顔に触れてしまわないよう、白手袋をはめておくことをお勧めします。
 
お雛様を箱にしまう時に人形用の防虫剤を入れましょう。
入れた方が良いか、入れなくても良いか、の2択だったらば、安心のために入れてください。
防虫剤の入れ方は、お雛様を箱にしまって蓋をする前、防虫剤が直接お雛様にあたらないようティッシュなどで包んで、上に入れてください。

お雛様の保管場所は、押入れの上段やクローゼットの上などの高い所に保管してください。
これは、湿気は家の中でも高い所ほど湿気が少ない と言われているためです。
湿気防止には空気の通り道がある方が良いので、できればちょっと隙間を空けて置くとベストです。

まとめ

いろいろ書いてきましたが、これは今までの通例です。
絶対にこうしなければならないということはありません。
「赤ちゃんが産まれて、嬉しくて、早くお雛様を購入したのに、2月まで待たなければならないの?」
という事もあると思います。そんな時は通例に縛られずに飾ってください!
年始年末でご家族が集まったり、遠方からお客様がいらっしゃる機会がある時にお披露目するのは、きっと素敵な思い出になると思います。

皆様がお雛様と一緒に素敵な思い出がたくさんできますよう、心からお祈りいたします!

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【最新トレンド】おしゃれな雛人形のデザインと選び方のポイント!

< お雛様は昔と今で違いはあるのですか? > と言う質問をよくいただきます。
伝統的なお人形なので流行などとはあまり関係がないように思われるかもしれませんが、昔と今ではびっくりするほど違います。
お雛様のお着物は平安時代の装束なのでそれにふさわしい色彩は踏襲しつつ、時代にあったトレンドカラーもどんどん取り入れられています。

最新トレンドの雛人形のデザイン

昔のお雛様は…
男雛は紺系、女雛は赤系といった濃い色が多く、
飾り台は、赤い毛氈や黒塗りといった重めな感じのカラーでした。
屏風の柄は、無地の金屏風や扇文様、紅白梅文様といった古典的な文様が描かれていました。

今のお雛様は…
お雛様は、男雛も女雛もホワイトやパステルカラーといった柔らかくて優しいカラーが注目されています。
飾り台は、ホワイトやベージュ、スタイリッシュなグレー系、あたたかな木目がトレンドカラーになっていて
屏風の柄は、桜を中心とした春に咲く花々を刺繍や金彩などの技法を用いて自由に表現しています。

おしゃれな雛人形ランキング

① 今どきのお雛様 柳親王飾り・つきか

トレンドカラーのホワイトにピンクの桜の花びらを織り込んだ西陣金襴をお雛様のお着物にしました。
淡いピンクをアクセントにした小さくて清楚なお雛様は桜の妖精のような印象です。うさぎや蝶々、太鼓や鞠などの可愛らしい物を集めて作った吊るし飾りが彩りを添えます。前飾りの行器(ほかい)と桜橘のベースには自然素材を取り入れました。

② 今どきのお雛様 上芥子親王飾り・うらら

お雛様のお着物は細かな桜模様を織り込んだ白い西陣金襴を選び、男雛の袖口には淡いクリーム色を、女雛の重ねにはピンクのグラデーションを取り入れました。越中和紙で作った2曲1双の屏風は淡いピンクの和紙に刷毛で筋を入れていった逸品です。お雛様と調和した白い貝桶には螺鈿(らでん)細工がほどこされています。トレンドカラーのホワイトも屏風やお花、お道具などのテイストを変えると和の雰囲気に変身します。

③ 今どきのお雛様 柳親王飾り・きらら

白糸と銀糸と抑えめなカラーで花輪を刺繍したトレンドカラーのホワイト生地で2曲の包屏風を作りました。
その屏風の前には、満開の桜をイメージした女雛と、桜を見上げた時に目に入った印象的な春の空色の男雛を選びました。可愛いお雛様を照らす雪洞はピンクを選びました。ホワイトの屏風と飾り台がそれぞれの色彩を一層魅力的に見せてくれます。

④ 今どきのお雛様 収納箱柳親王飾り・きらら

コンパクト

以前だったら < お雛様なのにどうしてグレー? > と言われていたかも知れませんね。でもグレーは日本の色彩にちゃんと存在しているし、淡いグレーの着物などはとても上品で美しいです。グレーは何色とも調和する優れた色彩。屏風と収納箱には、ピンク色に染まった山々をイメージした縮緬を張り込みました。そこに、雪が溶けてちょっと顔を覗かせた若草とお花をイメージしたお雛様をセットしました。

⑤ 今どきのお雛様 上芥子親王飾り・きらら

トレンドカラーのベージュで2曲屏風と飾り台を作りました。リビングも和室もOKの、飾る所を選ばない点がお薦めポイントです。お雛様のお着物はトレンドカラーのホワイトベースとピンクベースに金糸と彩糸で桜を織り込んだ白い西陣金襴。背景のベージュが一層美しく引き立ててくれます。手作りのあたたかさが感じられる縮緬で作ったお花を左右に飾りました。

⑥ 今どきのお雛様 収納箱柳親王飾り・ほのか

お雛様の歌に登場する雪洞。今までは無くてはならないマストアイテムだったのですが、最近は雪洞に変わる新しい灯りが登場しています。このセットには扇型をした灯りを組みました。暖かな色光→クールな色光→2つの色光のグラデーションと3つのパターンが選べ、トレンドな白いお着物のお雛様を背後から彩ります。お部屋や時間で色味を選び、雰囲気を楽しむ事ができるお薦めな逸品です。

⑦ 大人っぽいお雛様 こ芥子親王飾り・つむぎ

木目と白・金のコントラストがひときわ目を惹きつけるセットです。自然素材特有のあたたかさは、トレンドカラーのホワイトも包み込んでくれます。白い桜を織り出した西陣織りをお着物にしたお雛様は、淡いクリームとピンクのアクセントカラーで彩りました。前飾りの行器(ほかい)と桜橘のベースには自然素材を取り入れました。自然素材のいろいろな色彩が楽しめる逸品です。

おしゃれな雛人形の選び方のポイント

おしゃれなお雛様を選ぶためにはいろいろなポイントがあります。
1つ1つチェックしてみましょう!

素材

まずは素材です。

お雛様の衣裳の素材は、< 金襴 > と < 重ね > の2つあります。どちらも縦糸と横糸から織り出される生地なのですが、
金襴は色数や織り方によって様々な柄が生まれ、重ねは白い生地を織り上げた後に各々の色に染め上げます。  
金襴を選び、その金襴にあう重ねを組み合わせ、1つのお雛様が出来上がります。


屏風は、木の芯材を刺繍や金彩などをほどこした生地で包む < 包屏風 > 、様々なサイズや形に加工した木材を塗装する< 塗り屏風 >や< 枠屏風 > 、
自然素材の特徴を活かす <木目屏風 > などがあり、製作工程や方法の違いによってぞれぞれ特有の良さがあります。


飾り台は屏風同様、様々なサイズや形に加工した木材を塗装する < 塗りの飾り台 > 、自然素材の特徴を活かす <木目の飾り台 > などがあり、製作工程や方法の違いによってぞれぞれ特有の良さがあります。


前飾りは、加工した木材を赤やホワイトに塗装する物、自然素材を取り入れ木目を活かす物などがあります。
そこに螺鈿や蒔絵などを加えて仕上げます。


桜橘は、それぞれの色に染め上げた紙や布から花や葉になる細かな部品を作り、その部品を組み上げて桜と橘を作ります。
その桜と橘を、井垣と呼ばれる部品と合わせ一対の桜橘が出来上がります。

カラーバリエーション

次はカラーバリエーションです。

トレンドは、ホワイトや淡いベージュ、可愛らしいパステルカラーやスタイリッシュなグレー系。 
ですが…
お雛様セットの場合、1つのセットの中に様々な素材が存在します。


ホワイトの場合、
お雛様の着物だったら… 無地系のホワイトもあるし、柄の入ったホワイトもあります。
無地系のホワイトはスタイリッシュな感じ、柄入りのホワイトからは華やかさや可愛らしさが感じられます。 


また、
飾り台だったら…塗り上げたホワイトもあるし、木目の入ったホワイトもあります。
塗り上げたホワイトは大理石のような硬い感じ、木目の入ったホワイトは柔らかさが感じられます。


のように、< 1つのセットの中で、どの部分をトレンドカラーにするか? > が1番重要なポイント。
お雛様のカラーを重要ポイントにするか、お好みのカラーを重要ポイントにするか、合わせる物はどんなカラーがいいか、などなど
簡単には決められないかもしれませんが、楽しみながら見て、いいなぁ♡と思う色を見つけてください!

サイズ

35cmから60、70、80cm、さらにもっと大きいサイズなど、いろいろなサイズがあります。
その中で、よく選ばれるのはコンパクトサイズと言われる35cmから55cm。
これくらいの大きさであれば、< 飾るところに余裕がないなぁ。> と思ってる方も飾りやすいと思います。

例えば… 35cmのセットだと、玄関のシューズボックスの上や階段下のちょっとした空間にも飾れます。

いつもみんなが集まる場所や、みんなが使う場所にお飾りできたらお雛様はいつでもみんなに会う事ができます。
お雛様にとって1番嬉しい事はみんなに会える事なので、ライフスタイルに合わせて1番ピッタリするサイズを選んでください!

オプション

前飾りや雪洞、桜橘といった小物類は1つのセットの中では大切なアクセントになります。
以前に比べると、色も、サイズも、種類もとても豊富になりました。せっかくなのでこの部分もポイントに
お気に入りのセットを探してください!

まとめ

お雛様にたずさわってもう30年以上が経ちました。その30年間でお雛様はとても変わりました。

パステルカラーのお雛様は少しづつに生まれてきていましたが、模様は古典的なものが多かったです。
それがだんだんと模様も変化し、今のような可愛いパステルカラーが誕生しました。
さらにホワイトやグレーといった彩りが加わり、お雛様の世界はとても明るく、身近な存在になりました。

< こんなに自由に選べて飾れるなんていいなぁ!> これが私の感想です。

私は自分のお雛様があまり可愛くなかったので (お父さん、お母さん、ごめんなさい )、< 可愛いお雛様が欲しい!> という思いから
この仕事を始めたのですが、時の流れと共にお雛様もどんどんとスタイルが変わり、そのお陰で、色々なお雛様を作ることが出来ました。
昔の私が今のようなお雛様に会ったらとてもとっても嬉しいだろうなぁ と思います。

一生に一度のお買い物ですから悩むのは当然の事。たくさん見て、たくさん悩んでください。
素敵なお雛様に出会って、素敵な思い出ができますよう 心から応援いたします!

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おしゃれでコンパクトサイズの雛人形の人気ランキング11選


3月3日は雛祭り。
桃の節句とも呼ばれ、女の子の誕生と健やかな成長を願ってお雛様をお飾りする特別な日です。
お雛様の歴史はとても古く、起源は平安時代にまで遡ることができます。 
1000年以上もの長い時間、お雛様は途絶える事なく脈々と伝えられてきました。

雛人形の魅力とは?

お雛様の魅力はなんと言っても美しさと可愛らしさ。
お着物の色や、女雛の胸元と袖口を彩る重ねの色のハーモニーの美しさ。
見つめるこちらが自然に笑顔となってしまう優しい微笑みのお顔の可愛らしさ。
平安絵巻でしか見る事ができない束帯十二単姿 (そくたいじゅうにひとえすがた) を再現したその姿の美しさはいつの時代も女の子の憧れの的です。

雛人形を飾る時期

お雛様を扱うお店では <節分が過ぎてから大安や友引などの暦の良い日を選んで飾るといいですよ。> と教えてくれていると思います。
これは旧暦を使っていた昔々からの風習で、節分の日は現在の大晦日のような日にあたり、1年の厄落としと迎える新しい年の福を呼び込むために豆撒きをしました。その風習の名残が <節分が過ぎてから大安や友引などの暦の良い日を選んで飾るといいですよ。> なので、節分過ぎの大安や友引にお飾りするのが良いと思います。
でもでも…… その言葉の後にもう一言 <こだわる必要はないですよ。> と続くのが工房凧スタイル。                       コロナの様な非常事態を経験し会いたい時に会える事がどんなに大切なのかを痛切に感じました。
だからこそ年末やお正月などに離れた家族や親戚、友達と会う機会があるのならそれに合わせてお飾りして、皆さんに見ていただくのはとても素敵だし、本当は桃の節句というのだから旧暦の3月3日( 現在の4月上旬) に桃の花もお飾りして無病息災を祈りつつ雛祭りを楽しむのも素敵だと思います。過去の風習を頭に入れつつ、My Style・Our Style を取り入れてお飾りしてもいいと思います。

雛人形の選び方とポイント

日常品を選ぶのだったらほとんど問題はないけれど、お雛様は普段ほとんど見ないものだから選ぶとなったらハードルが高くなってしまいます。
教えてくれる人によって言う事が違ったり、文章だと長かったり難しかったり、写真だけだと違いが分かりにくかったりとそれはそれは大変。

そんな時は下の4つのポイントを参考にしてください。

雛人形の選び方① 第一印象

1番大切なのは第一印象です。 大切なお嬢さんへの贈り物だからこそ良いお雛様をと思い、SNSやお店でさまざなお雛様を見て、またいろいろな話を聞くとだんだんと何が良かったのか分からなくなってしまいがちです。そこで重要なのが第一印象。
<あ、このお顔可愛い♡> とか <わぁ、このお着物のきれい!>とか、そんなポジティブな印象の心に響くお雛様を探してください。

雛人形の選び方② サイズ

次のポイントはサイズです。 サイズはお雛様の大きさではなくて、お雛様をお飾りする飾り台や収納箱の大きさです。
お迎えしたお雛様をどこにお飾りしますか? どこにお飾りしてあげたいですか?
例えば…
①みんなが集まる部屋の食器棚やサイドボードの上、あるいは敷布を敷いて床に飾る
②寝室や子供部屋などのチェストの上
③音楽をする方だったらピアノの上
④玄関の下駄箱の上
⑤和室があったら床の間
といった場所が候補に上がります。①から⑤それぞれにスペースが異なるので、お飾りする場所がある程度固まると選ぶサイズが決められます。
1番大きなサイズのお雛様をお飾りできるのは①の敷物を敷いて床に飾るスタイル。
1番小さなサイズは④の玄関の下駄箱の上になるかもしれません。
ですが、基本は < みんなが毎日お雛様に会える所 > が最高の場所なので、その点を頭の隅に入れておいてサイズを決めていただけるといいなぁと思います。

雛人形の選び方③ 収納スペース

サイズと同じくらい収納スペースもポイントです。お雛様の飾り方には親王飾り、収納飾り、ケース飾りの 3種類があります。 
収納箱飾りやケース入り飾りの良い点はお雛様やお道具などが全部1つの箱にまとめられるところで、紛失の心配がなく安心です。 
親王飾りの良い点はお雛様はお雛様の箱、お道具はお道具の箱と全部が別々になっているからまとまったスペースではなくてちょっとした空間があれば収納できる事です。 ただ、大体5個ほどの箱に分かれているのでそれぞれの場所を覚えておく事が必要になります。 

雛人形の選び方④ 予算

最後のポイントは予算です。 予算と聞くとイコールお金はいくら? になってしまいがちですが、高い・安い といった金額が重要なのではなく、
気に入ったお雛様を選んでいただきたいと心から思います。日常品と違い、お雛様は人生で1度だけお買い求めいただくお品物。
< あ、可愛い♡ このお雛様を飾りたいなぁ。> と感じたお雛様に巡り会えることが1番の幸せだと思います。

人気のコンパクト雛人形11選! 

工房凧がお薦めする人気のコンパクト雛人形セットをご紹介いたします。 

今どきのお雛様 小芥子親王飾り・はるか

自然素材の持つほっこり感がポイント

春を彩る桜の花を刺繍や蒔絵などのさまざま手法でお雛様のお着物や屏風、雪洞、お道具に描きました。
屏風の左右と飾り台には自然素材を取り入れました。ほっこりとしたあたたかな印象の親王飾りです。
男雛女雛のお着物は淡い紫とピンクの京都西陣金襴を選び、袖口や重ねは春らしい明るい色で彩りました。 
飾り寸法は幅48cmと飾り映えのするセットで、その上 省スペースなサイズです。

今どきのお雛様 収納箱芥子親王飾り・はるか

ピンクぼかしの優しい印象がポイント

ピンクぼかしに桜を刺繍した可愛らしい生地で2曲1双屏風を仕立てました。
収納箱には自然素材を取り入れました。木肌のほっこり感が心地よい飾り映えする収納箱飾りです。
お雛様のお着物は桜柄の京都西陣金襴から、男雛はアイボリー、女雛はローズピンクを選びました。
飾り寸法は幅50cmと省スペースで、棚の上にも、このまま床に飾ることもできる万能セットです。

今どきのお雛様 上芥子親王飾り・うらら

お雛様を包む和紙独特のぬくもり感がポイント

2曲1双屏風というクラッシックスタイルの屏風を淡い桜色の越中和紙で仕立てました。春の柔らかな日差しのような明るい印象です。お雛様のお着物は、段織りという西陣金襴から同じ柄の上品な白とピンクを選びました。柄のある部分では華やかさ、無地の部分では糸の艶やかさが感じられます。お雛様の左右には楚々とした紅白梅を配しました。飾り寸法は幅48cmと飾り映えがするセットで、その上 省スペースなサイズです。

今どきのお雛様 柳親王飾り・つきか

お月様の中心の可愛らしい吊るし飾りと手のひらサイズのお雛様がポイント

飾り寸法・幅35cmの、とってもコンパクトな親王飾りです。
手のひらサイズのお雛様とお月様の中心の可愛い吊るし飾りが一際目を惹きつけます。
男雛のお着物は春の空をイメージした淡い水色、女雛のお着物はピンクのグラデーション。ポイントに若草色を加えました。ちょっとしたスペースでOKなので飾る場所にお悩みの方にぜひ見ていただきたいセットです。

今どきのお雛様 柳親王飾り・きらら

ミルキーホワイトの屏風と手のひらサイズの春色お雛様がポイント

春空を彩る桜の花をイメージした手のひらサイズの春色お雛様をミルク色の屏風にセットしました。
上品で華やか、清楚さも感じる初節句にぴったりな親王飾りです。飾り寸法は幅40cmととってもコンパクト。ちょっとしたスペースでもこんなに素敵に飾れるので、飾る場所にお悩みの方にぜひ見ていただきたいセットです。お雛様の左右にあるピンク色の雪洞に灯りをともすと、また違った雰囲気もお楽しみいただけます。

今どきのお雛様 柳親王飾り・きらら

紫と白のコントラストの美しさがポイント

白い桜と紫の桜を全体に織り込んだ濃い紫色の西陣金襴を男雛に、白地に白い桜をちりばめた清楚な西陣金襴を女雛に選びました。春風に舞う枝垂れ桜を描いたオフホワイトの2曲1双屏風とちょっと大人っぽい雰囲気のお雛様がよくあった、目を惹きつける魅力ある親王飾りです。飾り寸法は幅38cmととってもコンパクト。
ちょっとしたスペースでも自分らしく素敵に飾りたいという方にぜひ見ていただきたいセットです。

大人っぽいお雛様 小芥子親王飾り・かのん

大人になっても飾れるシックさがポイント

今までご紹介してきたセットは可愛い感じ、明るい感じのセットが多かったのですが、がらっと印象の違う
こちらのセットもお薦めです。可愛いセットは赤ちゃんが少し大きくなった時に喜んでもらえる事を1番に考えていますが、こちらのセットでは大きくなっても飾って欲しいという願い込めて考えています。
今はまだ分からないかもしれないけれど、少し大きくなって< 私のお雛様きれい!>と言ってもらえたらどんなに嬉しい事でしょう。素敵な思い出を1年1年積み重ねていっていただきたいと願っています。
飾り寸法は幅45cmと飾り映えのする、その上 省スペースなサイズです。

今どきのお雛様 小芥子親王飾り・うらら

春がお部屋にやってきたようなあたたかさがポイント

ピンクは女の子の大好きな色。一足早くお部屋に春が訪れたような、あたたかさと可愛さの溢れる親王飾りです。春に染まったお着物姿のお雛様。女雛の重ねには春の彩りを添えました。屏風には昔々から日本にある遊具の手毱と桜を刺繍しました。雪洞に灯りをともすと雛祭りの雰囲気が一層高まります。飾り寸法は幅48cmと飾り映えのするサイズで、その上 省スペースな点がお薦めです。

今どきのお雛様 収納箱上小芥子親王飾り・こはる

金屏風の煌めきとぼかし染めのお着物姿のお雛様がポイント

金屏風はお祝い事にはかかせないマストアイテム。昔々から現在まで、さまざまな華やかな舞台を支えてきました。その金屏風に現代感覚をちょっぴり加えてみました。刺繍の入ったお雛様のお着物は、白い生地を男雛は淡い紫、女雛は淡いピンクにぼかし染めをほどこした手の込んだ素材。収納箱には自然素材を取り入れました。飾り寸法は40cmとコンパクトでお片付け楽々。省スペースで飾れるので、飾る場所にお悩みの方にぜひ見ていただきたいセットです。

あたたかさいっぱいのお雛様 収納箱上小三五親王飾り・のどか

木目のほっこり感とお雛様の晴れやかな色彩のハーモニーがポイント

自然素材の持つほっこりとしたあたたかさが魅力の収納箱飾りです。お雛様のスタイルは女雛の単(ひとえ)が少し多めに見えるところが特徴の、現在のお雛様の元と言われる古今雛(こきんびな)を現代風にアレンジしました。男雛には清々しい白を、女雛には晴れやかな赤を選び、金彩と刺繍で雪輪と桜を描きました。
飾り寸法は幅55cmと省スペースで片付けも楽々。棚の上にも、このまま床の上にも飾れる万能セットです。

今どきのお雛様 収納箱小三五親王飾り・うらら

淡いピンクぼかしと伝統の重みある古典美のお雛様がポイント

屏風と収納箱のピンクぼかしが女の子のお祝いにぴったり。自然素材の柔らかさと愛らしさが溢れる収納飾りです。お雛様のお着物には七宝文や唐草、橘といった伝統文様を多色の色糸で美しく織り込んだ京都西陣金襴でお仕立てしました。お雛様もお道具も全部収納箱に入ってしまうので安心、そして片付けは楽々です。飾り寸法は幅55cmと省スペースなのに飾り映えする、棚の上にも、このまま床の上にも飾れる万能セットです。

ひな祭りとは?

ひな祭りは、はるか昔の奈良時代に中国から伝来した考え方と、もともと日本にあった風習が結びつき、
さらに平安時代に女の子のお人形遊びと一緒になり、それが少しづつ変化しながら脈々と伝えられ、現在のようなひな祭りとなりました。
1000年以上の時間の中でただ1つ 全く変わらずに受け継がれたのは、ひな祭りに込められた < 無事に大きくなりますように…。> という
子を思う親・家族の想い。いろいろな事を経験した現代のほうがその想いは強くなっているかもしれません。
世界中を探してもお雛様のように< お > と< 様 > という尊敬語が2つもついたお人形はありません。
ひな祭りは素晴らしい伝統文化、美しい心の結晶のような存在です。

雛人形の購入方法

以前だったらデパートや雛人形の専門店へ直接出かけて、見て、選んで、購入するというスタイルが一般的でした。 でも今はオンラインショップやカタログ請求といったスタイルもあります。
直接お雛様に会って、いろいろな点を見ていただくのが1番納得のいく方法だと思うのですが、寒い時期に小さい赤ちゃんを連れて行くのはちょっと考えてしまうところ…。
専門知識を持ったスタッフのいる専門店では商品説明やいろいろなアドバイスをしてくれたり、
オンラインショップでは気兼ね無く時間をかけて考えることができたりと、それぞれの方法に良い点と悪い点があるので、まずはママとパパや、ご家族で良く相談していただいて、どの方法が1番自分達にあったスタイルかを選んでいただけたらいいなと思います。

お雛様を購入される方は、以前ですとママの実家が買うのが一般的でした。
しかし最近は、孫の誕生という嬉しく記念すべきお祝い事はママ・パパの両方の実家で半分づつ出し合い購入するケースや、ママとパパのお二人で購入されるケースもたくさんあります。
誰が買わなければいけないという決まりは全く無いので、皆さんで和やかに相談していただき、素敵なお雛様をご購入いただけると幸いです。

まとめ

お雛様はお嬢様の誕生をお祝いしてお買い求めいただく大切なお人形です。
まさに一生で一度のお買い物。
そんな品物は他にどんなものがあるだろう… とよく考えることがあります。
ご来店いただいたお客様とお話しすると、とても大切に考えて、深く悩まれ、時間をかけて選ばれている事がよくわかり、私は背筋がぴっ!となります。
その想いをいつも心に置き、1体1体のお雛様を大切にお作りしております。

お雛様のスタイルも、飾る場所も、誰が購入するかも、昔と今では
大きくさまがわりしています。
< 早く片付けなければお嫁さんに行かれない > というのも迷信です。
以前の習慣にとらわれず、無理なく、楽しみながら、笑顔でお雛様を飾っていただき、みんなでお祝いをしていただけるといいな と心から思っています。

皆様が素敵なお雛様にめぐりあえますように!

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ブログ9/お雛様、どんな飾りを選ぶ?

明かりをつけましょ ぼんぼりに、お花をあげましょ 桃の花 

…で始まるお雛様の歌。 
この歌に登場する かんじょ ・ ごにんばやし ・ うだいじん ・ さだいじん は7段の雛壇にお飾りするお人形で、15人揃いのセットで会う事ができます。
< 伝統文化の継承 > には7段飾り15人揃いのセットがぴったりなのですが … 実際にお家に飾るには大きく、しまっておく場所もとってしまうので、最近は敬遠されがち😢 

以前 私が商品のご説明をさせていただいた時も、 大きな7段を飾りたい旦那さんと、可愛らしい親王飾りを飾りたい奥さんの意見が合わず、ちょっともめてしまったという事もありました。

今はお雛様の飾り方もいろいろな種類があるので、たくさん見て、みんなが笑顔でお飾りできるお気に入りのスタイルを選んでいただきたいと心から思います!

おすすめはこちら!

最近人気の飾り方は < 収納箱飾り >

お雛様も、屏風も、雪洞も、桜橘も、前飾りも、全部 飾り台になっている箱に収納する事ができます。 また、

収納箱の下から屏風の1番上までの高さがあるので、台などに載せず、そのまま床や畳に置いて飾ることができます。

飾った時はとても豪華♡、片付けた時はコンパクト♡ が人気のポイントです。

次におすすめなのは < 親王飾り >

お雛様やお道具を平らな台にお飾りするスタイルです。

収納箱スタイルでは全てが箱に入る事が最重要なので、お雛様やお道具の大きさがどうしても限られてしまいます。

でも親王飾りは、さまざまな大きさの平台があるので お雛様やお道具の大きさが自由に選べるところがポイント♡

大きなお雛様を選ぶと… お着物に使われる金襴や屏風の模様、お道具がより豪華になり、存在感がアップします。

小さなお雛様を選ぶと… 平台のサイズ幅35cm、40cm とよりコンパクトに、より可愛らしくお飾りする事ができます。

注目の的 < 立雛飾り >

最近 とても注目を集めているのが… 立っている姿のお雛様、 立雛のお飾りです。

令和元年10月22日に行われた 天皇陛下御即位の際、天皇陛下の束帯姿、皇后陛下の十二単姿を実際に目にすることができました。

平安時代から脈々と続くそのお姿が立雛の元となっています。

雪洞や桜橘がなかったり、前飾りがとてもシンプルだったりする分 お雛様の姿やお着物の模様、色彩などがより目に映り、存在感ある大人っぽい雰囲気のお飾りとなっています。

お子さんが大きくなっても長く飾っていただける、おすすめのスタイルです。

飾り方だけではなく、お雛様の大きさも、手の平サイズの小さなお雛様から大きなお雛様までさまざま!

いろいろあると迷ってしまいますよね。

1番大事なのは毎年飾っていただける事。 ( 実際はこの言葉もプレッシャーになるんですよね😢 )

全部出して、きれいに飾っていただけると とても嬉しいのですが… 赤ちゃんの体調や、お母さんの体調、お仕事や引っ越しなどのご家庭の事情などで飾れない時は絶対にあるものです。

そんな時は、頑張りすぎないで! 無理をすると辛くなって笑顔がなくなってしまうから。

お雛様はお子様の健やかな成長を祈り飾るお人形なので、そんな時はお雛様だけ飾っていただけると良いなぁと思います。

主役はお雛様ですから! 

ぜひ、< こんにちは。お久しぶり。また1年守ってね。> って話しかけてあげてください。

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ブログ8/ 雪の形

忙しい今の時代、雪が降ると交通がストップしてしまい生活に影響がでてしまうので、残念ながら雪はちょっと厄介な存在。

でも、子供たちは大歓迎!

私も小さい時は大喜びで、手袋・マフラー・厚い靴下・厚い上着の完全防備でいざ外へ!

おぉ〜きな雪だるまが作りたいのに上手くいかないで半ベソをかいたり、

< できた〜!> と大喜びして、家族みんなに見せようと家に持って入って怒られたり…(笑)

何度も何度も転んで痛い思いもしたけれど…それでも雪は大好き!

平安時代から…

日本の伝統文様の中にも雪の形があります。それが雪輪文様。

雪輪文様

由来には、

6角形の雪の結晶の輪郭を曲線でつないだのが雪輪文様という説と、

木々に積もった雪の風情を図案化したのが雪輪文様と言う説があります。

( …が、顕微鏡が日本に初めて輸入されたのが1750年頃と言われているので、木々に積もった雪を眺めていた平安時代の人々が描いたと言う説の方があっているかも知れません。)

お雛様も彩ります…

江戸時代後期頃、雪の結晶を顕微鏡で見ると6角形だという事が分かり、その後 雪輪文様は広く使われるようになりました。

お雛様のお着物に使う京都西陣織りの金襴にも雪輪文様は登場します。

京都西陣織りの金襴

☝︎は私の今年1番お気に入りの京都西陣織り金襴。水色がかった淡いグレーにちょっとクールな色で雪輪と雪の結晶を織り込んであります。

この金襴で…

こんな立雛を作ってみました。

他にもたくさんの金襴に雪輪文様はさまざまな色、大きさで織り込まれているので、いろいろ見てお気に入りを探すのも楽しいですね!

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ブログ7/ お雛様、いつ片付ける?

お父さんの心は複雑…

私が独立する前のこと。

赤ちゃんを大事そうに抱っこしたお父さんと、ベビーカーを押すお母さんがご来店されました。

私はそのご夫婦にお雛様の特徴などを説明させていただきました。その際にいろいろお話を伺うと…

✨お父さん待望の女の子✨

お父さんは嬉しくて嬉しくてたまらないご様子でした。

お気に入りのお雛様が絞られてきて、話題が片づけた時の事になり、< 3月3日が過ぎたら、お天気の良い日を選んでしまってください。> と私がお伝えすると、

<早く片付けないとお嫁さんに行かれないんですよね〜。> とお母さんがおっしゃいました。

そうしたら、それを聞いたお父さんが…

<ずーっと飾っておく! 片付けない!お嫁さんに行かなくていいから! >

とおっしゃったのです。

私とお母さんは顔を見合わせて、思わず笑ってしまいました。

でもでも、お父さんの気持ち、とてもよくわかります。

安心してください!

安心してください、これは迷信ですので!

こう言われるようになった理由は、

1つには…

お雛様はもともと、女の子に降りかかる厄を代わりに受け止めてくれる存在なので、 <飾っていた間に悪い事を引き受けてくれたお雛様を早くしまって女の子を守る > という意味から言われるようになったのです。

2つには…

片付けるのはお雛様に限らずちょっと面倒な事。手間がかかればかかるほど延び延びになりがち。そんな事がないようにという躾のような意味合いを込めて言われるようになったのです。

なので、< お嫁さんに行かれなくなる > は気にしないで大丈夫!

< マイスタイル > で…

お雛様はもともと旧暦が元となっています。

旧暦と今のカレンダーは約1ヶ月の差があって、旧暦の3月3日は今だと4月初めとなります。

今でも旧暦で桃の節句・雛祭りを行う地域もあるので、 4月初めまで飾っておいても実は問題はないのです。

ただ、ホコリがたまったり、湿気を吸ったり、色が褪せたり… などと言うことも多少はあるので、お天気の良い日を選んで、出来るだけ早く片付けてあげるのがベストではあります。

どうですか? 

心配はちょっと減りましたか?

いつ飾って、いつまでに片付ける! と決められているとちょっと窮屈ですよね。

今はとても忙しい時代。いろいろな予定があるのですから…。

<自分はどんな感じにしたいのか。 家族はどんな感じにしたいのか。>と言う気持ちが1番大切。

飾る人・家族ごとのマイスタイルで、大事なお嬢さんの成長を見守ってくれるお雛様を優しい気持ちで飾り、片付けていただければ幸いです✨

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ブログ6/ お雛様、いつ飾る?

<鬼は外>の鬼は…

小さい時はぜんぜん平気だったけど、ちょっと大きくなったら何だか恥ずかしく、すごく小さな声で <オニはぁ〜そと、フクはぁ〜 うち > と私。

<それじゃあダメダメ! 鬼がびっくりして逃げ出すくらい元気な声で!> とそれを聞いた両親。

これは私が小さな時の節分の日の会話 ( 笑 )   

豆撒き後は自分の年の数だけ豆を食べ、残った豆はおやつ用にお砂糖で甘くしてもらい…と、今はとても良い思い出です。

2月3日は節分の日。最近は豆撒きの声を耳にすることはほとんどありませんが、この行事はとても大事なのです。

昔のカレンダーだと豆撒きするこの日が大晦日にあたり、次の日は『立春』で新しい年となるのです。

その最後の日・節分に、 過ごした1年間にあった悪い事と、次の新しい1年に起こるかも知れない悪い事を <鬼 >にみたて、豆を撒いて退治し、新しい1年の無病息災を祈るのです。

最近ではお部屋が汚れないようパックに入っているお豆もあるので、ぜひ豆撒きをして、良い1年を迎えてください♫♪♬

新しい年を迎えたら…

豆を撒いて鬼退治をしたら、次の日は立春。新しい年の到来です。良い日を選んでお雛様を飾りましょう!

カレンダーに書かれている「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」。

これは『六曜』と言い、占いの1つで、鎌倉時代の終わり頃に日本に伝わったとされています。

中でもお祝いに良いのは「大安」と「友引」

大安は…「大いに安らかでいられる日」として、結納や結婚式などのお祝い事や慶び事に最適と言われています。

友引は… 「友を引き込む」「友を引き寄せる」など、慶び事にふさわしい日と言われています。

ただ… 大安と次の大安の間、友引と次の友引の間は約6日間あります。 

<明日は大安だから飾りましょう!> と思っても、何か用事ができてしまうと次の大安までしばらく待たなければなりません。その上、土曜日・日曜日・祝日が大安や友引にあたるとは限りません。

楽しい思い出…

30年近くお雛様にたずさわってきた私が思うのは… 

赤ちゃんの世話をしながらお母さん1人で飾るのはとても大変😢  楽しい思い出になるはずが辛い思い出になりがちで、赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても、これはとっても寂しいと思うのです。

なので…

赤ちゃんの体調、お母さんの体調や予定を1番に考え、< 大安だけ > や < 友引だけ > にこだわらず、大安と友引の両方を候補にし、また、占いを気にしないのであれば全ての日を候補に、お父さんやご家族がお手伝いできて、半日くらい時間をかけられる第1希望日、第2希望日、予備日を決めておくのをお勧めします。

<飾る日はどんな日でもいいけれど、パーティーは良い日にします! > や、

<お正月に両親が来るので飾ります! >という方も今までにたくさんいらっしゃいました。

古い風習にあまり縛られすぎず、自由に! 笑顔で! 気持ち良く!が1番良いと私は思います😁

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ブログ5/ 桜さくら…

桜が咲く季節が近づいてくると「 今年の開花予想は….. 」とニュースで教えてくれるほど待ち遠しい桜🌸

私達にとって “ 花 ” と言えば “ 桜 ” が1番先に頭に浮かぶのではないでしょうか。

でもでも。。。

奈良時代の人達には “ 花 ” と言えば “ 梅 ” だったのです。

それでもやはり、その美しい姿は奈良時代の人々の心を惹きつけ、万葉集には桜を題材とした歌がたくさん残されました。

そして、平安時代中期には桜は花の代表格となり、今では菊と並び日本を象徴する花となりました。

桜の紋様

古い時代から人々に愛されてきた桜は日本の伝統文様の中にもさまざまあり、家紋だけでも60種ほどもあるのです。

桜は家紋だけではなく美しい模様となり、着物や陶器など身の回りの物にも描かれ、私達の生活に彩りを添えてくれます。

そしてこれらの伝統文様を継承した古典的柄や、現代風にアレンジした新しい桜模様が、京都西陣織りの金襴に用いられ、お雛様のお着物となります。

まだまだたくさんの桜柄があるので、たくさん見て、お気に入り桜を探すのも楽しいですね!

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ブログ4/小さくて可愛いもの

小さくて可愛いもの

お雛様の < 雛 > は  < ひな ・ ひいな > と読み、もともとは、小さくて可愛らしい物を表す言葉でした。

昔も今も変わらず、 平安時代の女の子もお人形遊びを楽しんでいたようで、このお人形遊びを < ひいな遊び > と言いました。

この頃のお人形は紙や布でできた簡単で素朴なお人形だったようです。

この子供の遊びであったお人形が、それ以前の昔々から伝えられてきた < 厄除け> < 無病息災をお祈りする習慣 >と一緒になり、子供の厄をお人形にうつし川に流す < 流し雛 >が生まれました。

この流し雛こそがお雛様・雛祭りのもとと言われています。

健やかに、幸せに、

厄除けのために川に流していたお雛様。それがしだいに、流すのではなくお飾りする事で降りかかる厄を代わりに受け止めてくれる存在に変化していき… 美しく立派なお人形となりました。

そして…

江戸時代になると < 3月3日が桃の節句 > と決まり、女の子の健やかな成長と幸せを願ってお雛様が飾られるようになりました。

江戸時代が終わり今は令和。150年余りの時間が過ぎました。 流し雛が生まれた平安時代から考えると1000年以上。なんと長い時間でしょう! でも..子供を思う親の気持ち・家族の気持ちは変わることはなく、いろいろな事を経験した現代の方がその想いは強くなっているかもしれません。

お雛様はお人形ですが、< お > と < 様 > という尊敬を表す言葉が2つも付きます。こんなお人形は世界中を探しても見つけることができません。 お雛様は日本独自の素晴らしい伝統文化、美しい心の結晶です。

お雛様を探している皆様が、心に残る素敵なお雛様に巡り会うことができますよう、心からお祈りいたします!

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ブログ3/桃パワー

桃パワー!

3月3日は雛祭り。

雛祭りを< 桃の節句 >と言いますが、桃は3月下旬頃に開花するので、3月3日にはまだ咲いていないのです。

ではなんで桃なの? それは…

<3月3日は雛祭り!>と決まった昔々は旧暦を使用していて、今のカレンダーだと約1ヶ月後の4月初めにあたり、その頃は桃の花が綺麗に咲いていたのです。

古くから桃には魔除けや厄除けをする不思議な力があると言われていて、桃の木で作った弓や杖は鬼を追い払う力があると、

また、

桃の実を食べると不老長寿が手に入ると信じられていたのです。   なので、女の子が健やかに成長するようにとの願いを込めて、お雛様をお飾りするときに桃の花を飾るようになったのです。

( …と聞いて頭に浮かんだのは 桃太郎。 鬼退治の強さの秘密もこの桃パワー なのですね。)