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購入前に知っておくべき雛人形の種類!人気のスタイルと特徴を解説!

『雛人形』と検索すると、座っている姿や、立っている姿、大きいサイズや小さいサイズ、
あるいは『これも雛人形?』と思ってしまうほど、現在の雛人形とは違う人形があります。
そこで、今回はいったい雛人形にはどんな種類があるのかを見ていきましょう!

雛人形にはどんな種類がある?

雛人形にはいったいどんな種類があるのでしょう?
ここでは種類についてご紹介いたします。

左は小三五サイズ、 中央は芥子サイズ、  右は柳サイズです。
柳サイズは手の平ほどの大きさです。


雛人形の種類には、①大きさ ②飾り方 ③お雛様本体の作り ④お雛様本体の形 ⑤製作方法の違い などいろいろあります。
 

①大きさによる種類は、
柳親王→小芥子親王→芥子親王→小三五親王→三五親王→十番親王→九番親王
などといった種類があり、矢印が右に向かうほど人形が大きくなります。

②飾り方による種類は、
男雛と女雛を飾る親王飾り、男雛と女雛と三人官女を飾る五人飾り、
男雛と女雛と三人官女と五人囃子と随身と仕丁を飾る十五人飾り、段飾り、
一つの箱に収納できる収納箱飾り、ケース入り飾りなどといった種類があります。

お雛様もお道具も全部台の中に入ってしまう収納箱スタイルです。


③お雛様本体の作りには、関東式、関西式といった地域性のあるスタイルや、
享保雛(きょうほびな)、古今雛(こきんびな)、次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)
などといった古くから伝わっている独特なスタイルのお雛様の種類があります。

④お雛様本体の形には、立っている姿の立ち雛と座っている姿の座り雛があります。
立ち雛は雛人形のルーツとも言われていて、遠い遠い昔、厄払いのために川や海に流した『流し雛』が時の流れと共に形を変え、現在のようになったとされています。


⑤製作方法の違いには、衣裳着(いしょうぎ)人形と木目込み(きめこみ)人形があります。

衣裳着人形と木目込み人形の違いとは?

ここでは、衣裳着人形と木目込み人形の違いをご紹介します。
( 分かりやすようにそれぞれの画像を添付しましたので参考にしてください。)

人間の着物とほぼ同じ工程で作る衣裳を
胴体に着せ付ける衣裳着人形

<衣裳着人形>


衣裳着人形は、人間の着物を作るのとほぼ同じ工程によって作られます。
主に金襴と呼ばれる生地から、人形の身頃になる部分、袖になる部分、衿になる部分、裾になる部分などを裁断します。
これだけではなく、女雛を彩る美しい重ねは重ね専用の生地、衣裳の裏は裏地専用の生地から裁断します。
裁断した生地を合わせ、縫製し、パーツを作ります。
更にそのパーツを合わせ、縫製すると、衣裳が完成します。
その完成した衣裳を人形の胴体に着せ付けると、衣裳着人形が出来上がります。

衣裳に用いた金襴の美しさ、見た目のボリューム感、触った時の柔らかな感触、
手に伝わる重厚感などが衣裳着人形の魅力です。

粒状の木片を固めた胴体に布をはめ込んでゆく木目込み人形

<木目込み人形>


木目込み人形は、粒状の木片に糊を混ぜペースト状にし、
それを人形の胴体を型取り作った型の中に入れ、固まったら取り出し、
乾燥させる という工程で人形の胴体を作ります。
次に、その胴体の身頃になる部分、袖になる部分、重ねになる部分など、
それぞれのパーツに目打ちの先が入るくらいの細い溝を彫ります。
胴体が壊れやすいので、この作業は慎重に行います。
そしてその溝に、はみ出さないように注意しながら糊を入れ、
小さく切った生地を目打ちの先ではめ込んでゆきます。 これが木目込み人形です。

衣裳着人形と比較するとボリューム感は少ないですが、シックな雰囲気、
品のある佇まいなどが木目込み人形の魅力です。 
最近では可愛いお顔の木目込み人形も誕生し、選択の幅が広がってきています。

現代風雛人形と伝統的雛人形の特徴

ここでは、現代風雛人形と伝統的雛人形の特徴をご紹介します。
( 分かりやすようにそれぞれの画像を添付しましたので参考にしてください。)

お雛様の衣装も雪洞もホワイト 
可愛らしいお花も現代風。

<現代風雛人形の特徴>

現代風雛人形の特徴は、『わぁ、可愛い!』というお客様の声が聴かれるほど
色、素材、スタイル などがとても明るくて可愛い事や、
『お洒落で素敵!』と一目惚れをしてしまうほどスタイリッシュな事です。

可愛らしいセットは子供の目線を、
スタイリッシュなセットはライフスタイルに調和することを念頭に、
トレンドを盛り込み、飾りやすさを追求して製作されています。

金屏風  菱三宝  桜橘  衣裳の色彩
どれも伝統的なスタイル。

<伝統的雛人形の特徴>

伝統的雛人形の特徴は、脈々と受け継がれている日本文化と、
1000年以上も続く雛文化を取り入れた、正統派スタイルです。

雛人形の衣裳や文様、お道具、桜橘など、一つ一つに託された意味を大事にし、
重厚感や存在感が感じられるよう、そして長く飾っていただけるよう、
吟味した素材や製法を駆使して製作されています。、

コンパクトサイズから豪華な飾りまで雛人形の選び方

横幅32cmの柳親王飾り


雛人形の飾りには、雛人形のサイズに合わせて
横幅30cm台のコンパクトサイズのセットから、40cm台、50cm台、
やや大きめの60cm台、大きめの80cm以上など、たくさんの種類があります。 
お雛様の前に飾るお道具類もお雛様のサイズに合わせ大きくなってゆきます。

飾る手間自体は大きくても小さくてもほとんど変わりませんが、
飾った印象は大きなサイズになる程重厚感や存在感があります。

飾るスペースやしまっておくスペースから考えると、コンパクトサイズは省スペースで済むので、確保するスペースの選択肢は広がります。





横幅60cmの古今雛スタイル 上小三五親王飾り

大きな方が良いとか、小さな方がおすすめとか、そういう事は全くありません。
選ぶ際のポイントは、飾るスペースとしまっておくスペースを考え、
その可能な範囲の中で一番大きいサイズを選ぶ事だと思います。
( 店舗で見たり、ネットで検索している時は雛人形しか見ていませんが、物のたくさんある日常生活の中にお飾りするとお雛様は目立ちにくくなってしまうので、可能な範囲で最大の大きさを私はお薦めします。)

お雛様は女の子の誕生を祝い、健やかな成長を祈って飾るお守りのような人形です。
そして一生に一度のお買い物。
『買ったけれどあまり気に入らないから買い直す』という事はほとんどありません。

飾れる大きさのお雛様をご購入いただき、毎年飾っていただいて、お嬢様の成長を実感しつつ、ご家族とお雛様でお祝いしてください!

雛人形の種類別おすすめポイントと注意点

雛人形の種類ごとにおすすめポイントと注意ポイントが違います。

① まずは大きさ。
小さな雛人形は見た目がとても可愛らしく、大きな雛人形はとても立派な印象です。
生地や製法にこだわった雛人形は、中間サイズあたりからが多いです。
お気に入りのお雛様を見つけてから飾るサイズを決める方法と、飾るサイズが大前提でそこに合うお雛様を探す方法の二つが考えられるので、
どちらの方法がピッタリくるか、ご一考ください。
『サイズが最重要』で探し続けると、行き詰まってしまうことがあるかも知れません。
そんな時はちょっと家の中を見回して、『やりくりすると飾れるかも』 という候補を少し探してみてください。


② 次は飾り方。
親王飾りのおすすめポイントは、雛人形+屏風+雪洞+お道具+飾り台 という最小限の品で済むため、省スペースですっきりと飾れ、
それでいて雛祭りの雰囲気は充分堪能できることです。飾る手間もあまりかからず、しまっておくスペースも少なくて済む点も魅力。
注意点は、『三人官女を増やしたいな』と思った時は、新たに探し、買い足さなければならない事と、しまっておく箱が増えてしまう事です。

五人飾りのおすすめポイントは、男雛と女雛に三人官女がプラスされるので賑やかさが増し、存在感もあります。
注意点は、超コンパクトサイズの五人飾り以外は、床や畳の上に飾る事が前提で作られているので、飾る場所が限定されがちな事。
また、三人官女の箱が一つ増え、飾り段の箱やお道具類の箱が若干大きくなるので、しまっておくスペースが余分にかかります。

男雛と女雛と三人官女と五人囃子と随身と仕丁を飾る十五人飾りの場合は、15体の人形が揃っているので五人飾りより更に賑やかさを楽しめます。
注意点は、段飾りを組み立てるのが少々大変な事と、飾るスペースがとても広めに必要な事です。
また、人形の箱がだいぶ増え、飾り段の箱やお道具類の箱もさらに大きくなるので、しまっておくスペースがかなりかかります。

収納箱飾りとケース入り飾りは、しまっておく際に一つの箱にまとめられるので紛失の心配がありません。
また、親王飾り同様、飾る場所もしまっておく場所も省スペースで済みます。
ケース入り飾りは、お雛様やお道具類があらかじめケースに接着されている品がほとんどなので、飾り付けをする事はできませんが、
出し入れはとても簡単です。

このようにどの種類にもおすすめポイントと注意するポイントがあるので、ぜひ参考にしてみてください。

家族に合った雛人形の種類を選ぶコツ

ご夫婦が築いた新しい家庭に、新たにお雛様をお飾りする。想像するだけでもとても素敵な事だと思います! 
ですからぜひ、購入前の過程も素敵な思い出になるように、ご夫婦でお話をしてください。

私の長年の経験からなのですが、男性もお雛様に興味津々なのです。でもそれを男性はあまり口にされないのです。
ご夫婦でお店にいらして、お雛様を見て、『あ、これいい。ママ、これ良くない?』と言ったものの、ママの意見とはちょっと違う。
この場合は、終盤に『ママに全部任せるよ。』となってしまいます。そうすると、今度はママが迷ってしまうのです。

このケースが悪いのではなく、むしろ、『雛人形選びあるある』です。 なので、あえて先にお伝えしたいなぁ と思いました。

ゆっくりとくつろぎながら、『雛人形どうする?』から始まり、こんな感じが好きとか、こんな飾りがしたいとか、
お互いの考えていることを話し合ってみてください。
そうすると、実際にお雛様をお飾りする時はとても楽しい時間になるでしょう!

雛人形の選び方を詳しく知りたい方下記記事もチェックしてみてください。


まとめ

雛人形の種類についていろいろ書いてきましたが、参考になりましたでしょうか?
工房で仕事をしていると、『あ、お雛様だぁ!』という子供たちに声が聞こえてきます。
今は小さなお嬢様も、少し大きくなったら『これは私のお雛様〜!』と、きっと喜んでくれることでしょう!
その笑顔を想像しながら、お雛様選びをどうぞ楽しんでください!

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雛人形のお下がりは大丈夫?受け継ぎのポイントと保管方法

『私のお雛様を娘に譲っても大丈夫ですか?』 と言う質問を良くいただきます。
すでにお雛様がお家にあったらばそのように考えてしまうかも知れませんが…
皆さん、ちょっと不安そう。

そこで今回はこの点について考えてみましょう!

雛人形のお下がりとはどういうものか

私には5歳年上の姉がいるので、子供の頃の洋服やおもちゃのお人形などは姉のお下がりが多かったです。
その姉には子供が1人いて、ママ友さん同士で着られなくなった子供服を交換したりしていました。

それと全く同じで、
ママのお雛様や、ママのご姉妹のお雛様、おばあちゃまのお雛様、親しい方のお雛様… などなど、
『誰かが所有していたお雛様』を譲り受けることが『お雛様のお下がり』となります。

雛人形をお下がりする際に考慮すべき点

姉のお下がりが多かった子供時代には “お姉ちゃんはいいなぁ。” という、羨ましくて寂しい、
ほろ苦い記憶が残っています。 ( その上、姉のお雛様は素敵なのに私のお雛様は全く違って可愛いくなく、本当に悲しかったです😢 )

私の記憶のように、お嬢様が少し大きくなって『このお雛様はママのお雛様だったんだ』と知ったらば… もしかしたらお嬢様はちょっと寂しく感じるかも知れません。

また、もともとお雛様は女の子の成長を見守り、降り掛かる厄を身代わりとなって引き受けてくれるお守りのような存在です。

ママのお雛様はママに降り掛かる厄を引き受けてくれたお雛様なので、そのお雛様をお嬢様に譲るとその厄も一緒に譲ってしまう事になってしまい、万が一お嬢様が体調を崩したり怪我をした時などに『お雛様をお下がりしたせい?』と不安な気持ちになってしまうかも知れません。


でも、これらは全て“だろう話”。 全く気にしない場合は問題はありません。
ですが、少しでも気にかかるようであったらば、慎重に考えていただいて結論を出していただけると幸いです。

お下がりを受け取る時に気をつけるべきこと

お下がりのお雛様を受け取る時は、
※ 傷んでいる箇所がないか  ※ 足りない部品がないか を確認してください。

この2点はとても重要な確認ポイントです。

傷んでいる箇所は、修理ができる場合とできない場合があります。
修理ができる場合でも、修理代が高額になってしまう事もあります。
この見極めはなかなか難しいので、雛人形の知識が豊富な雛人形専門店にご相談する事をお薦めします。

足りない部品は、全く同じ物は製造されてなく入手できない場合があります。
その場合は似たような部品になってしまい、全体的な調和が崩れてしまう恐れもあります。こちらも修理同様、雛人形専門店にご相談する事をお薦めします。

雛人形のお下がりは縁起が悪いと言われる理由は本当か

お家にすでにお雛様があったらば、 お下がりをして活用したくなってしまいますよね。
しかし、お雛様のお下がりは縁起が悪いと言われることがあります。
その理由は、お雛様には 『新たに生を受けた女の子を見守り、降り掛かる厄を身代わりになって引き受けていただく』と言う意味があるからです。

その歴史はたいへん古く、1200年以上の時を遡ります。
その頃の医療は現代のようには発達しておらず、赤ちゃんが無事に成長する事は当たり前ではなかったのです。
そこで厄除けの人形を飾り、子供の身代わりになってもらったのです。

この伝統文化を重んじて考えた場合には、お雛様のお下がりは縁起が悪いと言うことになります。
けれど、この考え方は言い伝えられてきた風習であって、100%縁起が悪いと言うわけではありません。
『本当か?本当ではないか?』 は 『信じる? 信じない?』 と通じるところがあり、気にする方も、気にしない方もいらっしゃいます。

大事なことは『お雛様の本来の意味を知っていただくこと』で、
その上でご家族で話し合い、慎重に考えていただくことがベストだと思っています。

雛人形のお下がりを活用するメリットと注意点

テレビニュースを見ていたら、外国人の女性が日本でお雛様に出会い、すっかり魅了されてしまい、気に入った古いお雛様を集めて自宅で飾っているというトピックを紹介していました。

このようにお下がりのお雛様はお祝い事ではなく、趣味として飾ったり、お店などの季節のインテリアとして飾ったり、さまざまなイベントで飾って皆さんで楽しむのはとても良い活用方法だと思います。 


けれど…
たまに、すごく古くて傷んだままのお雛様が飾られている姿を目にする事があります。
雛人形が大好きな私から見ると、その光景は悲しげで、少々怖さを感じる事もあります。

なので… 、傷んだ箇所が多いお雛様の場合はお下がりを控えたり、
それ以上傷つかないような対策をして、綺麗な状態を少しでも長く保っていただきたいと心から思います。

雛人形のお下がりを受け継ぐための適切な手入れ方法

お雛様は乾燥と湿気が1番苦手です。
受け継いだお雛様は新品のお雛様よりも敏感なので、乾燥と湿気は充分に気をつけてあげてください。
傷んだ箇所がある場合は、傷口を広げないためにも細心の注意が必要です。

乾燥はひび割れの原因になります。
お雛様のお顔やお道具の塗り物は乾燥が天敵なので、エアコンやヒーターの温かく乾燥した空気が直接かからない場所、
直射日光が当たらない場所を選んでお飾りください。 

湿気はシミ・カビの原因になります。
風邪予防のためには加湿器は役立ちますが、加湿器から出る湿った空気もお雛様には天敵です。
湿った空気が直接かからない場所、結露した窓から離れた場所を選んでお飾りください。

飾り終わって箱にしまったら、人形用の防虫剤を入れてください。
防虫剤は直接お雛様にあたらないようにティッシュペーパーなどで包み、蓋をする前に上に入れてください。

保管場所も重要です。
家の中では天井に近い所ほど湿気が少ないと言われているので、クローゼットの上や押し入れの上段などで保管してください。

気をつけるポイントがたくさんありますが、良い状態を長く保つためにどうぞよろしくお願いいたします。

雛人形を新しく購入するかお下がりにするか迷った時の判断基準

お家にお雛様あるのに新しいの買う必要ある? と迷った場合は…
『買う・買わないはちょっと横に置いて、リラックス気分でお雛様を見に行ってみて!』 とご提案させていただきます!

お雛様って意外と流行に敏感なんです。
最新のトレンドカラーのお雛様や、プリンセスみたいな雰囲気のお雛様、
すごくコンパクトなお雛様や、こだわり満載のお雛様 などなど、とてもたくさん種類があるので見ているだけで楽しくなりますよ。

その中で、『あ、これいいなぁ』と琴線に触れるお雛様に出会うかもしれません。
また、『私のお雛様とは全く違う!娘にはこっちの方がいいかも?』という気持ちが生まれて来るかもしれません。

一呼吸入れてから、再度 “新しく購入するか?お下がりにするか?” を考えてみると、
最善の判断はどちらなのかが見つかると思います。

まとめ

『新しいお雛様を買ってあげたいなぁ。』 という気持ちも、
『んん〜、お雛様あるんだけど、どうしよう?』と悩んでしまう気持ちも、
どちらもとても良くわかります。
でも…主役は生まれてきてくれたお嬢様です✨

お嬢様のために悩んで、最善の答えを見つけてください。

お嬢様とお雛様の記憶が、かけがえのない素敵な記憶になりますよう、
心からお祈り申し上げます!

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初心者でも失敗しない!雛人形をオンラインで購入する際のポイントと選び方

老若男女を問わず、パソコンやスマートフォンを使ってお買い物をするのが普通の事となった今、お雛様もオンラインで購入される方が増えてきています。

でも『一生に一度の買い物だし、価格も安くないのでちょっと不安…。』という方もまだまだいらっしゃいます。


そこで今回は雛人形をオンラインで購入するポイントを考えていきましょう!

オンラインで雛人形を購入するメリットとは?

お雛様を探す時期は冬。
最近は夏が暑すぎる分、冬の寒さはとても身体にこたえます。
そんな時期に赤ちゃんを連れて外出し、何軒もの店舗を見て回るのはちょっと大変。

その点オンラインは、
暖かいお部屋でお買い物ができるし、販売員がいないから気兼ねなく自由に見られるし、
閉店時間がないからいつでも大丈夫だし、いろいろなショップがあるので比較検討し易いし、
家事や育児の合間に少しづつ・何回でもOKなのでとっても助かりますね✨ また、
自宅でママとパパだけだったらば、雛人形を購入する事について相談しやすいですね✨

長く雛人形を販売している経験からなのですが、
<ママの希望はどんな感じなのか、パパの希望はどんな感じなのか> を知って、その違いをどう解決するかを決めておく事は、これから先お雛様を飾る上でとても重要だと私は思っています。


時間をかけても大丈夫なオンラインですから、じっくりお雛様探しをしてください!

失敗しない雛人形の選び方のポイント

オンラインだと“これでもか”と言うほど、一度にたくさんのお雛様を見ることができます。
それはとても良いことなのですが、どんどん広がっていって、頭がゴシャゴシャになりがち….。

『雛人形』と言っても、
① 伝統を重んじた正統派スタイルの雛人形
② 伝統に現代感覚を取り入れたモダンスタイルの雛人形
③ 現在の流行を取り入れた最先端スタイルの雛人形    
…のようにいろいろな雛人形があり、良さが全く違います。

①の雛人形は、『正統派の真の良さ』がお子様に伝わるには少し時間がかかるかも知れません。
でもちょっと大人になって自分のお雛様を見た時に『すごく素敵!』と言ってもらえることは間違いなしです。


②の雛人形は、『小さなお子様のために… 』が最重要ポイントで製作されていて、
小さな時からお雛様に親しんでいただけるよう、“可愛さ” や “明るさ” をふんだんに取り入れています。
ご家族も童心に返って一緒にお楽しみいただけることでしょう。


伝統を重んじた正統派スタイルとは180度違う③の雛人形は、流行りのトレンドカラーやトレンドアイテムを取り入れて製作されているので、
流行に敏感なママやパパにぴったり!


これらを頭の片隅に入れておきつつお雛様探しをすると、見るほどに『自分の好みのスタイル』がはっきりとしてきます。
そうしたら、好みのスタイルで深掘りをして気になる候補をいくつか見つけてください!
そして、これは希望ですが…
できれば実店舗に出かけて、実際の品物を見て、作りや大きさなどの画面では分かり難い幾つかのポイントを確認することをお薦めします。

信頼できるオンラインショップの見極め方

日常品であれば『ここは安い!』『ここはちょっと高いなぁ』と分かりますが、
一年のある時期しか見ることのない雛人形の価格は実際分かりにくいものです。
だからこそ、見極めが大事!

見極めのポイントには、
① オンラインショップだけではなく実店舗があるか 
② 販売・製造・経験などにおいて長い実績があるか 
③ 販売価格が二重価格になっていない 
④ 販売価格から大幅な割引をしていないか  
などがあります。
どれも重要なポイントですのでぜひ確認してみてください。

なかでも、二重価格や大幅な割引などの“価格の安さ”を強調している感じのお店にはちょっと注意してください。

レビューや口コミを活用する方法

気になるお雛様が見つかったら、その商品のレビューや口コミなどを見てみるのもいいですね。
実際に購入された方や、その商品を見た方の意見や感想はお雛様選びにとても役立ちます。

また、レビューや口コミへのショップ側からの返信もポイント。
読む事によって、そのショップのお客様への対応や説明の丁寧さが良くわかり、『お店の信頼性』の判断材料のひとつになります。

価格と品質のバランスを考えるコツ

価格と品質はとても密接な関係にあります。
価格帯が上がるほど、お雛様の衣裳やお道具類にハイクオリティな素材を用いたり、
お雛様の仕立て方やお道具類の製造方法に一層のこだわりを取り入れたセットとなります。

ですが、お雛様は“高くなければいけない”と言うことはありません。
現在主流となっている雛人形の平均的価格帯は、飾りやすさ、片付けやすさ、飾り映えなどの良さを兼ね備えた優れ物のコンパクトサイズで
税込み価格8、9〜15万円台。
この価格帯の雛人形・屏風・飾り台・道具類は、各メーカーが互いに競っているため、切磋琢磨して製作された品質の良い品物が揃っています。

その点もポイントにしてお雛様選びをしていただくと良いと思います。

配送や保管方法の注意点

次は配送について見てみましょう!

配送は宅配便や郵便局が行います。( 実店舗の場合は自社の車で運ぶ事もあります。)
送料はオンラインショップによって違いがあり、“送料無料” のように料金がかからない場合や、
“本州のみ送料無料” や “送料〇〇円が〇〇円以上のご購入で無料” のように条件がある場合と、
“送料〇〇円〜〇〇円” と商品代金とは別に送料がかかる場合があります。
それぞれのオンラインショップの配送に関する所に明記されているので比較検討してください。

お雛様が届いたら… さぁ、みんなで楽しくお飾りしましょう!

焦ってお飾りすると、傷付けたり、細かな部品を紛失しがちなので、
時間に余裕をもってゆっくりとお飾りしてください。
箱から出す前の状態で写真を撮っておくと、片付ける時に『あれ?入らない….』とならずに済むのでお薦めです。 また、
お雛様やお道具を包んでいた紙や不織布などは片付ける時に必要なので、捨てずに各々の箱に入れておいてください。

オンライン購入でよくある質問

オンライン購入では、
※ 雛人形は誰が買うのですか?
※ 初節句ですが家にある雛人形を譲ってもいいですか?
※ 雛人形はどこで買うのが良いですか?
※ キャンセルはできますか?
といった質問がよくあります。

ちょっとまとめてお答えすると…

※ 雛人形は『お嫁さんの実家が購入してプレゼントする』とされていました。
現在その習慣はだいぶ変わってきていて、旦那さんの実家が購入したり、両家で半分半分出し合うなどが増えてきています。

※ お雛様はお嬢様を厄から守るお守りのような存在なので、譲り受けてたお雛様をお飾りする事はその方の厄を引き継ぐ事になってしまいます。
大きさや値段は一切関係ないので、できれば新しく生まれたお嬢様に新しいお雛様を飾って差し上げてください。

※ お雛様は雛人形専門店やデパートの展示場などの実店舗や、オンラインショップの通販などで購入できます。
どちらにも良い面と悪い面があるので、それをご理解いただいた上でご購入されることをお薦めいたします。

※ キャンセルは、この場合はできる、この場合はできない とそれぞれのオンラインショップに明記されていますので、
それを一読いただきご理解いただけると幸いです。

まとめ

オンラインショップがある事で、私たちの生活はとても便利になりました。
そしてお雛様も、たくさんのショップで、たくさんのバリエーションを見ていただくチャンスが大幅に広がりました。
ぜひ活用していただいて、素敵なお雛様を見つけてください!

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初節句にぴったりの雛人形の選び方と飾り方




赤ちゃんのご誕生、おめでとうございます!
これから毎日がよりいっそう賑やかで楽しくなりますね。
元気にご成長されることを心よりお祈りいたします!

さぁ、いよいよ初節句です。
今回は初節句にぴったりのお雛様選びのお手伝いをさせていただきます。

では見ていきましょう!

初節句とは?雛人形を飾る理由と意味

初節句は『赤ちゃんが初めて迎える節句』なのですが、その“節句”とはいったい何でしょう?

節句は『季節の節目となる日』や『季節の節目に行われる年中行事』のことで、
その基となる考え方は、はるか昔の奈良時代頃に中国より伝わりました。

とても良く知られている節句は3月3日の『桃の節句』、5月5日の『端午の節句』、7月7日の『七夕の節句』の3つ。
それ以外に七草粥を食べる1月7日の『人日の節句』 と、 菊を飾る9月9日の『重陽の節句』の2つがあります。
この5つの節句は江戸幕府が特に重要な節句を制定したことに由来していて、『五節句』として現代に伝えられています。

お雛様を購入するためにいろいろなお店へ出かけたり、ウェブサイトで検索すると
『お雛様はお守りのような存在』といったフレーズに出会うことがあると思いますが、
実際にお雛様はお守り的な要素を持つ人形なのです。

もともとの『桃の節句』は現在のようにお雛様を飾ってお祝いするのではなく、
草木や紙で“ひとがた”を作り、そこに厄災を移し、水に流すというものでした。

また、平安時代には『天児(あまがつ)』と『這子(ほうこ)』という人形がありました。

現在のように医療が発達していなかったため、人々は病気や厄災から我が子を守るために『天児』や『這子』を乳幼児の枕元に飾り、子供に代わって厄を受けてもらいました。
( 現在この風習は宮中だけに残っています。)

同じく平安時代、上流階級の女の子の間で小さな人形で遊ぶ『ひいな遊び』がありました。( 雛は“ひいな”とも呼ばれ、もともと小さな人形のことだったのです。)

ひとがた、天児や這子、ひいな遊び…
これらが時の経過と共に混ざりあい、『厄災から我が子を守る』という意味はそのままに美しい姿の人形へと変化して、今のようなお雛様となったのです。

お雛様にはこのような歴史があります。
初めて桃の節句を迎える大事な赤ちゃんもお雛様に守ってもらいましょう。

初節句のお祝い方法

初節句のお祝いをする際に1番重要な事は『初節句を迎える子のお守りとなるお雛様を飾る』ことです。

“私のお雛様を娘に譲ってもいいですか?” という質問をよく耳にするのですが… そのお雛様はお母さんを守り、厄を払ったお雛様ですので、新たに生まれた赤ちゃんに譲ることは本来はできないのです。

お雛様はお守りのような存在なので、大きさや価格などは一切関係ありません。
『健康で無事に成長しますように…』というお母さん、お父さんの願いが込められたお雛様を、長女でも、次女でも、三女でも、どうぞ一人ひとりに飾ってあげてください。

赤ちゃんの誕生から初節句までの期間があまりない場合は赤ちゃんとお母さんの体調を最優先してください。
決して無理をせず、お祝いを1年後に延期するのも1つの方法です。

初めて迎える『桃の節句』ですので、お雛様と一緒に桃の花を飾るのはとてもいいですね。
その理由は、桃には邪気を払う力があると伝えられているからです。
また、桃の発音『もも』が『百歳(ももとせ)』に通じることから長寿への願いが込められた花と言われているからです。

桃の花の濃いピンク色がより一層初節句に彩りを添えて、華やかなお祝いになることでしょう!

初節句におすすめの雛人形の種類と選び方

以前は、初節句には “15人揃いの毛氈7段飾り” や “5人の木製3段飾り” が主流でした。
ですが、飾る場所が広めに必要なことや、収納場所が押し入れの半分位必要なことなどで最近は敬遠されがち。
また、飾る場所は問題ないとしても、“赤や黒”といったカラーの飾り段は現代の住宅デザインにはちょっと合わなくなってきているようです。

今の初節句の主流は、男雛と女雛2人を飾る親王飾り。
あまりスペースを取らないので、1番の問題である『飾る場所・しまう場所』が選びやすいためです。
カラーは、ホワイト・アイボリー・グレーなどのスタイリッシュなカラーと、ほっこりあたたかな木目などのナチュラルカラーが人気です。

親王飾りにも、『可愛さがポイントのセット』や 『伝統の趣が感じられるセット』があります。 
どちらの方がお好きですか? 
可愛さがポイントのセットは、赤ちゃんがちょっと大きくなった時に色合いや可愛さに大喜びすること間違いなし!です。
伝統の趣が感じられるセットは、赤ちゃんが少しお姉さんになった時に『私のお雛様はきれい!』と思ってくれることでしょう。

お雛様の思い出は、女の子 (いいえ、女性にとって) いつまでも記憶に残るとても大きな思い出となります。
どうぞいろいろなお雛様を見て、ご家庭にぴったりの素敵なお雛様を見つけてください!

初節句に適した雛人形の飾り方と配置ポイント

雛人形はお子様の健やかな成長と幸せを願ってお飾りする大切なお人形。
特に初節句は記念すべき第1回目なので、赤ちゃんとご家族そしてお雛様がいつも一緒に過ごせる場所にお飾りいただくのが良いと思います。

リビングなどの赤ちゃんとお母さんが日中を過ごす場所にお飾りいただくと、お雛様と一緒に過ごす時間が長くなるので、赤ちゃんとお雛様の素敵なワンショットを撮影するチャンスがたくさんあるかもしれません。
また、赤ちゃんの上に活発に活動するようになってきた小さなお子様がいる場合、リビングなどに飾ってあるといつもお母さんから目につきやすいので、お子様にとってもお雛様にとっても安全です。

お雛様を飾るときは、エアコンの暖かく乾いた風や加湿器の湿った空気が直接お雛様やお道具類に当たらない場所、窓から降り注ぐ直射日光が直接当たらないように窓から離れた場所を選んでお飾りください。

初節句の雛人形はいつ購入するべき?

雛人形を販売する店舗の形態及び地域によって違いますが、羽子板・破魔弓などの正月飾りと共に、
だいたい11月初旬〜中旬頃からお雛様を販売するところもあります。
雛人形専門店やオンラインショップなどがそれに当てはまり、デパートなどは年明けの1月から販売が始まります。
一般的な購入時期は1月〜2月です。

初節句のお品物、そして価格も安くはないので、簡単には決められないものです。
また、お雛様の種類や飾り方によって良さが違うので、一度にいろいろ見ると頭がごちゃごちゃになってしまいます。
そうならないためにもカタログやウェブサイトなどを活用してある程度の目星をつけ、できれば実際にお雛様に会い、
そして12月〜2月中旬の間に購入されると良いと思います。 

雛人形を飾る時期

雛人形をお飾りする時期は一般的に、
『2月初めの節分を過ぎてから、大安や友引などの暦の良い日に飾るのがよい』 と言われています。
これは日本の古い風習が今も残っているためです。

でもこれは風習で、
絶対に守らなければならない決まり事ではありません。

初節句ですから古い風習にとらわれず、ご家庭の新しい素敵なスタイルで年末年始などご家族が集まる機会にお飾りいただき、楽しい時間をみんなで共有するのもいいですね。

まとめ

ここまでお読みいただきましてありがとうございます!
『初節句のお雛様選び』という、とても大切な事のお手伝いができましたでしょうか?

私が雛人形の仕事を初めてからもう30年以上が過ぎました。その私が思う事は…
『大きくて立派なお雛様でも飾ってもらえないと悲しい。
 小さくても笑顔で飾っていただけるお雛様はとても幸せ。』です。

お雛様の価値は大きさや価格ではないのです。
お母さんとお父さんが一生懸命選んだ事は、必ず伝わります。
どうぞ楽しみながら、お雛様選びを頑張ってください!

工房凧のカタログもございますので、ご興味ある方はこちらから請求していただけます。

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雛人形はどこで買うべき?おすすめ購入場所と選び方のポイント


普段の生活に必要な物ならば行きつけのお店で購入すれば良いのですが、
雛人形となったらば『どこで買ったら良いのかな?』と、ちょっと考えてしまいますね。

スポンサーがいらっしゃる場合や、
ご夫婦の考え方の違いなどによっても、購入場所は変わってきます。

購入場所にはいくつかの選択肢があるのでご紹介いたします!

雛人形を購入する前に知っておきたい基本情報

お雛様の購入場所には、
『専門店』と呼ばれる小売りの店舗やデパートの展示場など、実物を見て確認できる所と、
オンラインショップのように、手軽に検索できるけれど実物を確認しにくい所の2種類があります。
どちらが良くて、どちらが悪いということはありませんが、双方に一長一短があります。
その点を把握して、自分に合った購入場所を選んでください。

また、実家のご両親やご祖父母様など年齢が上の方がお雛様を選ぶ場合には、
そもそも選択肢にオンラインショップは入っていないかも知れません。
そのような事もちょっと頭の片隅に置いておいてください。

専門店は大体11月初旬〜中旬にお客さまをお迎えする準備が整い、販売を開始します。
デパートの展示場は年明けの1月〜2月中旬に開催されます。
オンラインショップは、専門店と同じで11月初旬頃から予約販売が開始されます。

『まだ時間があるから大丈夫!』と思われるかも知れませんが、年末年始は忙しい季節なので、
ついつい日々に追われ、時間がなくなりがちです。
時間がなくなったと焦って一度にたくさんのお雛様をみると頭がゴチャゴチャになってしまうので、
早い時期から少しづつ、楽しみながらお雛様選びを進めていく事をお薦めします。

品物が豊富に揃っているのは早い時期です。
お気に入りのお雛様が見つかったらばできるだけ早い時期に、あるいは、12月〜1月頃に決定されるのがベストです。

雛人形はどこで買うべき?購入場所ごとのメリットとデメリット

購入場所によってメリットとデメリットに違いがあります。
次はその違いをご説明いたします!

雛人形専門店(実店舗)

その名の通り雛人形を専門に販売する店なので、雛人形に関する知識はとても豊富です。
その知識を活かし、丁寧に商品の説明をしてくれます。
また、地域に根付いて営業しているので信頼できます。 この2点はとても重要なポイントです!
飾られているお雛様は、地域性や雛人形の流行・こだわりなどを基に店主が厳選したお雛様なので、
オンラインショップの品揃えとは一味違います。

入口が閉まっているために開放感がなく、『ちょっと入りづらい』というデメリットがありますが、
大丈夫! 押し売りはされませんので、ぜひ一度試してみてください。
一度中に入って、店主の話を聞いてみると… その不安は安心に変わるはずです。

購入前の相談や、購入後のアフターケアなど、お客様の話をきちんと聞いて、しっかり対応してくれるところも安心ポイントです。

デパート(実店舗)

デパートでは広いスペースにお雛様が展示されるので、
お手頃価格から超高級品まで、一度にたくさんの種類のお雛様が見られる点が最大のメリットです。
飾られているお雛様は、デパートの担当者さんがメーカーや問屋などから厳選したお雛様で、品揃えも豊富。
商品説明などは、知識も経験も豊富な販売員さんが応対してくれるので安心です。

ただ、たくさんの種類が見られる期間は限られていて、その期間を過ぎると展示場が縮小されてしまいます。
また、販売員さんが一緒に歩きがちなので、それが苦手な人には大きなデメリットになってしまいます。
そんな時は、『今は見てるだけなので大丈夫です。』や 『質問があったら聞きます。』などと意思表示をして、
気兼ねなく、じっくりとお雛様を見てください! 
( 経験から来る追記ですが… 販売員さんの多くは、メーカーさんなどから派遣された方がやっている場合が多いです。
好みでは無いお雛様を説明されてちょっと困った場合には、遠慮しないでNOと伝えてください。)

オンラインショップ(通販)

実際に出かける必要のないオンラインショップは、天候や時間に左右される事なく自由に検索できる点、
トレンドなお雛様をたくさん見られて比較しやすい点、販売員を気にしないで済む点が最大のメリットです。

ただ、実際に目で見て確認しにくいところが最大のデメリット。
『あっ、これ良いなぁ!』と思って購入し、楽しみに待っていたのに、届いた商品は想像と全く違っていた というケースも多々あります。

実際に購入するのはオンラインショップだとしても、大きさや素材感を体感してみるのはお雛様選びの参考になるので、お買い物やお出かけのついでに、専門店やデパートなどにちょっと立ち寄ってみるのも良いと思います。

オンラインショップで雛人形を買う際の注意点とおすすめサイト

オンラインショップは、今や日常生活にとっては必要不可欠な存在となっています。
『お雛様はオンラインショップでは選べないわ。』などと言われていましたが、それはもう昔、昔の話となりました。

オンラインショップでお雛様を購入する際には、サイトの信頼性が1番重要です。
価格は適正ですか? 大幅なディスカウントはありませんか?

『 〇〇円だったら適正で、〇〇円だと適正では無い 』 のようには言えませんが、
同サイズのセットをいくつかのオンラインショップで比較してみると、価格の適正性が実感できると思います。

大幅なディスカウントには、『 〇〇記念』のようにイベントの一環で良い品をお手頃価格で販売する場合と、
もともとの売価を値上げして30%、40%のような大幅な値引きでお客様を惹きつけ販売する場合があります。
後者の場合は要注意してください。 (これは実店舗でもあることです。)
『んんっ?』と疑問に思った事については、問い合わせをして確認してみるのも1つの方法です。

30年近くずっと雛人形にたずさわっている私がお薦めするサイトは、
テレビのCMなどで目にする機会のある大手有名専門店や地元密着型の専門店のサイト、
そして、雛人形を製造しているの人のサイトです。( 私のサイトもここに当てはまります。)

実店舗で雛人形を購入するメリットとお店選びのポイント

機械で作る品物と違い、お雛様や道具類のほとんどは人間の手作業から生み出されます。
そのため、デザインや素材・製造方法などによって値段の違いが生じます。
この違いを説明したら、あっという間に2〜3時間くらい過ぎてしまうほど奥が深いです。

ですが、残念ながらこの違いはネットで調べても理解し難く、画面で見ても分かり難いと思います。

その点、実店舗で目の前のお雛様や道具類を見ながら説明してもらうと、とても分かりやすく、
価格の差などもすんなりと納得できます。
これは実店舗の持つとても重要なメリット! やはり『百聞は一見にしかず』ですね。

お店を選ぶ際には、対応してくれる店員さんに注目してください。
知識があるか・無いかは、立ち振る舞いなどの言動以外にも現れます。
また、お客様の質問に答えられない時は『分からないのでよく分かる者に代わります。』と正直に言ってくれるお店の方が安心できます。

お雛様や道具類を自由に選んで自分好みのセットが作れるお店は、店舗の大小に関わらず、
品揃えが良く、確かな対応ができる、お薦めの店舗です。

また、良いお店の場合には、お客様の欲しい物が本当にあと少ししか残っていない場合を除いて、
『早く買わないと売り切れてしまいますよ。』などと言ってお客様を焦らせません。

主役はお雛様を選んでいる皆さんです。
お雛様が大好きな店主のお店で、穏やかな気持ちで、ぜひじっくりと悩んでください!

雛人形を買う際の予算と選ぶ基準について

雛人形の予算は、お雛様の大きさや人数・飾り方によってだいぶ変わります。 例えば…
男雛と女雛だけの親王飾りで、手のひらサイズの小さくて可愛らしい柳親王の場合は5万円台からあります。
同じ親王飾りでも人形のサイズが大きくなり、着物の素材や道具類にこだわると30万円を超えるセットもあります。
また、飾り方が親王飾りから収納箱飾りになると、台になる箱の分が少し高くなります。

平均的な価格帯は、7,8万円 〜15万円くらいの間で、
15万円以上になると職人技の結晶のような、こだわりポイントがいっぱいのセットとなります。

予算は平均的な価格帯とほぼ一緒で、7,8万円台 〜15万円台 となっています。

でも、これはあくまでも参考です。
7万円以下でも素敵なお雛様はありますし、屏風や台・道具類が絶対に必要なのではありません。
飾る場所がない場合や、2番目・3番目のお嬢さんのために購入される場合などは、
出会えたお気に入りのお雛様だけをお飾りになっても全く問題はありません。
良心的な店舗であれば、お雛様だけでも販売してくれます。

主役はお雛様を購入される皆さんです。 遠慮しないで何でも相談してください。
直接伝えるのが難しい場合はメールを送るのもいいですね。
どうぞよろしくお願いいたします!

まとめ

『1番お薦めの購入方法は?』 と尋ねられたならば… 、
『どの購入方法でも良いのですが、できれば実物を見てください。』とお答えします。
その理由は、お雛様は一生に一度のお買い物だからです。
『気に入らないから買い替える』というわけにはなかなかいきません。

両親が私に贈ってくれたお雛様は全然可愛くありませんでした。( それがきっかけで、私はお雛様を作る道に進んだのですが… )
『可愛いお雛様が欲しかったなぁ。』という思いは今でも心に残っています。
ネガティブな思い出はいつまでも尾を引くものです。 なので…
これからお雛様を購入して、みんなで楽しい雛祭りを迎えようとしている皆さんに同じ思いをして欲しく無いのです。 

皆さんがお気に入りのお雛様に出会えて、素敵な思い出をたくさんたくさん作っていただけますよう、
心よりお祈りいたします!

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雛人形の正しい飾り方とポイントとは?初心者でも安心解説

女の子の誕生と健やかな成長を祈って飾るお雛様。
みんなでお祝いした雛祭りは、いつまでも心に残る大切な思い出です。

素敵なお雛様に巡り会えましたか?
お気に入りが見つかったら、次はお飾りですね。

『お雛様を飾るの、大変そう…』の声をよく耳にしますが、いくつかのポイントをおさえたら大丈夫!

それではご説明いたしますね!

雛人形を飾るタイミング

お雛様を飾る時期は一般的に、『2月初めの節分を過ぎて、大安や友引などの暦の良い日』と言われています。
これは “旧暦”を使っていた昔々は、節分の翌日の “立春” を新年としていて、節分までの古い年の厄を豆撒きなどで落とし、そして新年を迎えるという風習が今でも残っているためです。

このタイミングでお飾りする方が多いですが、絶対に守らなければならないというルールはありません。
年末年始はご家族が集まる機会の多い時期。
その時期に合わせてお雛様をお飾りして、皆さん一緒に過ごされるのも1つの方法。

ご家族のライフスタイルにあったお雛様との過ごし方を作り上げるのも素敵な思い出ですね!

飾る場所の選び方

時間をかけて選んだお気に入りのお雛様だからこそ、いつまでも綺麗な姿のまま、ご家族と共に一緒に過ごしたいですね!そのためにはお雛様はどこに飾れば良いでしょうか?

基本的には、どの場所・どのお部屋に飾っても問題はありませんが、ご家族が集まって、いつもお雛様を見られる場所が適しています。

お雛様とお道具類は、材料や製作工程などの性質上、湿気・乾燥・直射日光がとても苦手です。
お飾りいただく時期は冬なのでお部屋は暖房で温めていらっしゃると思いますが、エアコンの暖かい風は乾燥を、加湿器の湿った空気は湿気をお雛様や道具類に与えてしまいますので、それらが直接お雛様やお道具に降りかからないよう気をつけてあげてください。
また、窓から降り注ぐ直射日光は変色や乾燥の原因になるので、日光が直接当たらないように窓から離れた場所を選んでお飾りください。

雛人形の基本的な飾り方~段飾りの配置と順番~

では段飾りを飾ってみましょう!

まず初めに、段を組み立てます。
段がしっかり組み立てられると安心してお雛様を飾る事ができるので、焦らずにゆっくりと進めましょう。手を挟まないように気をつけてくださいね!

畳やフローリングが傷つかないように敷布を敷き、その上で組み立てるのも良いですね。 また、敷布が敷いてあると、飾り終わったあとに少しずらす必要があった時に敷布を引くと段を動かせるので便利です。

段が組み上がったら、毛氈をかけましょう。毛氈は段よりも少し大きいので、左右のあまりが均等になるよう合わせ、1番下の段から順番に付属のピンで留めていってください。メジャーで測って中心にマスキングテープなので印をつけておくと飾るときに便利です。

段に毛氈をかけ終わったら、お雛様とお道具類を飾ってゆきましょう!

一段目

飾る時は最上段 (一段目) から飾ります。
一段目に飾るのは、男雛と女雛、男雛と女雛をのせる親王台、屏風、雪洞、三宝、瓶子、口花です。

① まず初めに屏風を飾ります。
左右が同じになるよう飾りましょう。
飾る人とは別に、正面からバランスを見て指示してくれる人がいらっしゃると飾りやすいです。

② 次にお雛様をのせる親王台を屏風の前に置き、その上に小道具をつけたお雛様をお飾りします。

正面から向かって左が男雛、向かって右が女雛は関東式 、
正面から向かって左が女雛、向かって右が男雛は関西式になります。

③ 次にお雛様の左右に雪洞を飾ります。 雪洞の柄を正面に合わせてください。

④ そして男雛と女雛の間に三宝を置き、口花を刺した瓶子をその上にのせてください。

飾り終わったら正面からチェックしてください。

男雛の紐の掛け方・烏帽子のかぶせ方はこちらを参考にしてください!
https://youtu.be/jHvFiFKKvKs …男雛の帽子“烏帽子”に紐をつける編
https://www.youtube.com/watch?v=ovGoQ8NSp_8 …男雛に烏帽子をかぶせる編

二段目

次は二段目です。
二段目に飾るのは、三人官女、三人官女用の台、高坏、丸餅です。

① まず三人官女に小道具を持たせましょう。

座っている官女には盃の載っている穴のあいた台『三宝』を、
立っている向かって右側の官女には長い棒状の持ち手のついた『長柄の銚子』と、向かって左側の官女には提げる持ち手の付いている『加えの銚子』を持たせてください。
『長柄の銚子』はお酒を注ぐ道具で、『加えの銚子』は長柄の銚子にお酒を足すための道具です。

② 次に、三人官女用の台をバランスよく配置して、その上に小道具をつけた三人官女をお飾りします。

③ そして、三人官女の間に高杯を飾り、丸餅を載せたら二段目の完成です。

三段目

次は三段目です。
三段目に飾るのは五人囃子です。

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五人囃子は、右から左にゆくほど音が大きくなるように飾ります。

① 1番右は謡 (うたい) 。 歌の担当です。たたんだ扇子を右手に持たせてください。

② 右から2番目は笛。メロディーを奏でます。横笛を上手に両手に持たせてください。

③ 真ん中は小鼓 (こつづみ)。 指の使い方で4つの違う音を打ち分けます。小鼓を五人囃子の右肩にのせてください。小鼓の手で打つ部分には絵が描いてあります。

④ 右から4番目は大鼓 (おおかわ)。 小鼓と同じ形をしていますが、大鼓には絵が描いてありません。
膝の上に大鼓を置いて、右手で打ちます。演奏の合間に「ヤー!」や「ハー!」といった掛け声も担当しています。大鼓の紐を左手に引っ掛け持たせてください。

⑤ 1番左側が太鼓。五人囃子のリーダー的存在で、両手に持った撥 (ばち) でたたき、四拍子のリズムを主導します。左右の手に撥 (ばち)を持たせ、太鼓台に載せた太鼓を人形の前に置いてください。

これで三段目の完成です!

四段目

次は四段目。真ん中の段です!
四段目に飾るのは、随身と御膳、菱餅をのせた菱台です。

① まず随身に小道具を持たせましょう。

背矢を背中の石帯 (せきたい)と呼ばれる黒い帯に挟み、右手に持ち矢を、左手に弓を持たせます。
左のウエスト部分に剣を挟み、“おいかけ”という毛のついた冠をかぶせて、冠の後に纓 (えい)をさしてください。
“おいかけ”は耳の前までスライドしてください。

② 次に随身用の台を、上段の五人囃子の1番右と1番左の下辺りに配置して、その上に小道具をつけた随身をお飾りします。

髭が生えていて、黒い着物 あるいは地味な色目の着物を着ている随身が左近衛中将(さこんのちゅうじょう)。
一般的には左大臣と言われています。その左大臣を向かって右に…
若々しいお顔で、赤い着物 あるいは派手な色目の着物を着ている随身が右近衛少将(うこんのしょうしょう)。
一般的には右大臣と言われています。その右大臣を向かって左に飾ります。
「んんっ?左右が逆?」と思いましたか? そうなのです、逆なのです。
この場合の右・左は、1番上の段に居る男雛女雛から見ての右・左なので、飾る時は左右が逆になります。
ちょっとややこしく感じる場合は、“女雛の下にお爺ちゃん” で覚えていただけたらOKです!

③ そして、随身の間に御膳と菱餅をのせた菱台を置いたら四段目の完成です。

五段目

次は五段目です。
五段目に飾るのは、仕丁と桜橘です。


① まず仕丁に小道具を持たせましょう。

仕丁の顔には、怒り顔、泣き顔、笑い顔の3種類があります。
これは人生の喜怒哀楽を表現していると言われています。

怒っている顔の仕丁には台笠を、
泣いている顔の仕丁には沓台(くつだい)を、
笑っている顔の仕丁には立傘を持たせてください。

この小道具は、関東と京都ではちょっと違います。
台笠・沓台・立傘は関東スタイル。 関西スタイルでは、台笠は熊手に、沓台は塵取りに、立傘はほうきに変わります。

② 次に仕丁用の台をバランスよく配置して、その上に小道具をつけた仕丁をお飾りします。
怒り顔の仕丁は向かって左側、泣き顔の仕丁は真ん中、笑い顔の仕丁を向かって右側に飾ります。

③ そして、怒り顔の仕丁の左側に橘を、笑い顔の仕丁の右側に桜を飾ったら五段目の完成です。

一段目から五段目で、十五人のお人形を飾り終えました。
残りの二段はお雛様のお道具類や乗り物を飾ります。

六段目

六段目にはお雛様のお道具類を飾ります。

このお道具類は、お嫁入りの際に嫁ぎ先へ持って行った“嫁入り道具”がモデルとなっていて、お雛道具の場合も嫁入り道具と呼ばれます。

向かって左から順番に、箪笥(たんす)、長持(ながもち)、鏡台、針箱、火鉢、衣裳袋、茶道具と飾ってください。

七段目

七段目には身分の高い方の乗り物であったお駕籠(おかご)と牛車(ぎっしゃ) 、そして重箱を飾ります。   

お駕籠は、人の座った“かご”の上部に取り付けられた棒を前後から担ぎ、人力で運ぶ乗り物です。向かって左側に飾ってください。

牛車は車輪ついた乗り物を牛が引きます。
牛ではなく、人間が引く“御所車(ごしょぐるま)”の場合もあります。
向かって右側に飾ってください。

そして中央に重箱を飾ったら…… 段飾りの飾り付け、終了です!

雛人形を飾る際の注意点とポイント

『説明も読んだし、飾り方も頭に入ったし、大丈夫!さぁ 飾ろう!』…… の前に重要ポイントです!
それは、『箱に入った状態で写真を撮っておく事』です。

お雛様もお道具も繊細で傷つきやすいため、それぞれきちんと梱包されています。
お片付けする際はその状態にできるだけ近づけていただくと、いつまでも綺麗な状態を保つ事ができます。

飾る時、嬉しさのあまりに一気に箱から出してしまうという事がありがちなのですが…
これではお片付けの際、“どこに・何が・どんな状態で入っていたか” が分からず困ってしまいます。
そうならないように、あらかじめ写真を撮っておく事をおすすめします。

また、お雛様のお顔は特に繊細なので、直接触らないよう気をつけてあげてください。
手の脂や汚れがお顔につかないように白い手袋などをはめて作業すると安心です。

皆さんが笑顔で楽しくお雛様を末長くお飾りいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

雛人形の後片付けと保管方法

楽しい雛祭りをお迎えになった後は、さぁ お片付けです!
急いだり焦ったりすると傷つけやすいので、充分に時間をとって、ゆっくり落ち着いて片付けましょう!
湿り気のある雨の日や雪の日は避けて、お天気の良い日に行いましょう。

まず、傷つきやすいお雛様からお片付けする事をおすすめします。
はたきなどで埃を落とし、お顔が傷つかないようしっかりカバーをして箱に入れてあげてください。
蓋を閉める前にティッシュペーパーなどで包んだ防虫剤を上に入れてあげると安心です。
その際は、金具に防虫剤が触れないよう気をつけてください。

お雛様の後は道具類を片付けましょう。

赤ちゃんや小さなお子さんの育児中や家事・仕事でまとまった時間が取れない場合は、数回に分けて片付けるのも1つの方法です。
また、誰か1人に負担がかかりすぎると『お雛様飾るの、やだ〜。』となってしまい、楽しいはずの思い出が辛い思い出になってしまいます。
それはとても残念なので、予定や体調などを考慮して、ご家族みんなで協力してお片付けをお願いいたします。

片付け終わった箱は、押入れの上段や箪笥・クローゼットの上などの高い所に置いて保管してください。
これは高い所ほど湿気が少ないと言われているためです。箱同士をくっつけず、ちょっと隙間を空けて置くと空気の通り道ができるのでベストです。

まとめ

ここまでお読みいただきましてありがとうございました!
七段飾りは飾る物が多くて大変ですが、説明を読んで、イメージして、それから実際に飾っていただくと どんどん覚えられると思います。
また、親王飾り・収納箱飾り・五人飾りなど、スタイルが変わってもお人形や道具類の位置は基本的に同じなので応用できます。

お気に入りのお雛様やお道具を1つ1つを手に取って、ゆっくりと楽しみながら、お飾りください!



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雛人形は誰が買う? 購入のルールと家族間の役割分担


『 雛人形は誰が買うのですか?』という質問を大変多くいただきます。

私はこの言葉を耳にすると、昔の風習がだいぶ薄れてきているのだなぁ と感じます。

雛祭りは女の子の誕生と健やかな成長を祈り、お雛様を飾ってお祝いする大事な日です。

その大事な日を皆様がつつがなく迎えられるよう、この質問についてご説明いたします!

雛人形は誰が買う?伝統的な考え方と現代の傾向

お雛様には1000年以上の歴史があり、お子様の健やかな成長を祈る “お守り的な意味” が込められています。
また、お雛様は世界にも類を見ない日本独自の伝統文化です。
そのため、購入に関しても脈々と受け継がれてきた伝統的な考え方が存在します。

その伝統的な考え方とは 『嫁いだ女性の実家が購入する』 というものです。
この点はちょっと深掘りしてご説明しますね。

これは 『結婚相手の男性の実家で、男性の両親と一緒に暮らす』 という昔の生活スタイルが前提になっています。

もともと雛人形などの節句人形は嫁入り道具の1つとされていたため、女性の実家は娘が嫁ぎ先で苦労しないよう雛飾りを用意したと言われています。

また、嫁がせてしまうと頻繁には会うことができないので、娘や孫に会いに行くためにお雛様を贈ったとも言われています。

スマートフォンの画面越しではあるけれど、いつでも会える現代からみると、ちょっと考え難い点もありますね。

現代では、夫婦双方の実家で費用を分担したり、夫婦だけで購入するという傾向が見られます。

“新しい家族の誕生をお祝いしたい” という気持ちは皆同じと思いますが、なにぶんお金のかかることなので、また、“お雛様に対する考え方” には地域による差もあるので、なかなか簡単には決められないものです。
まずママとパパで相談し、それから(ちょっと話し難いかもしれませんが)双方のご両親に2人の気持ちをお話しして、意見を伺うことをお薦めします。

地域ごとの雛人形の購入ルール

雛人形の購入ルールは愛知や岐阜を境に、若干ではありますが地域による差があります。

北海道・東北・関東・中部では、
お子さんが女の子の場合はママの実家、お子さんが男の子の場合はパパの実家で購入するというのが一般的です。
これらの地域には、男の子が家を継ぐ武家文化が根強く残っているからだと言われています。

関西・中国・四国・九州では、昔の風習通りにママの実家で購入するというのが一般的です。

雛人形は親と祖父母のどちらが購入する?

今までは殆どの場合、ママの実家が購入してプレゼントしていたお雛様ですが、現代ではその風習も徐々に薄れてきて、新しい購入スタイルに変化してきています。
どんなふうに変化したか、ちょっとみてゆきましょう!

おじいちゃん・おばあちゃんが購入して孫にプレゼントするスタイルが大半なのですが、今までは購入者が “ママのご両親” だったところが、最近では“パパのご両親” がお買い求めになるケースがとても多くなってきています。

これは、『女性の実家はお金がかかる』と言われた時代が大きく変わり、双方のご両親が助け合い、新しい家族を見守っているのだな…と実感する出来事です。

また、ご両親には頼らず、ママとパパのお金で購入するケースも増えてきています。

このように、“◯◯が購入しなければならない” というルールはありません。

※ おじいちゃん・おばあちゃんのご好意にママとパパが全面的に甘えるのも良し。
※ おじいちゃん・おばあちゃんのご予算にママとパパの予算を足すのも良し。
※ ママとパパ両家のおじいちゃん・おばあちゃんで半分半分出し合うのも良し。
※ ママとパパで新しく築いた家庭のお祝い事として実家に頼らず購入するのも良し。  

など、いろいろな購入スタイルが考えられます。
お雛様は買い換えることのない、一生に一度のお買い物です。
じっくり考えて、お気に入りのお雛様に出会って、素敵な思い出を作ってください!

雛人形を贈るタイミングと選び方のポイント

“誰が購入するか” を決める際に、一緒に考えた方が良い事があります。
それは『雛人形を贈るタイミングと選び方』です。

時間があるように感じますが、決める事がたくさんあって予想外に時間がかかってしまうものです。

また、普段見慣れないものを見続けると頭がゴチャゴチャになってしまい、『 娘のためにお雛様を飾りたい!』という意欲が下がり気味になってしまいます。

そうならないために、10月頃からゆっくり、楽しみながら、時間をかけて、
カタログやウェブサイトなどを検索してお気に入りのお雛様を探してください。
次に、実際に見られるならば年内に下見をして、お気に入りポイントを確認しましょう。
そして、『このお雛様が好き!』と感じたら、品切れになる前にご購入するのをお薦めします。

お雛様のお届けは一般的に、“ 節分過ぎの大安や友引など” とされていますが、絶対事項ではありません。 
お正月にご家族が皆集まるご家庭であれば、お正月から飾っても、年末から飾っても、全く問題はありません。

どんなタイミングでお届けするか自由なので、ご夫婦・ご家族で相談してベストなタイミングをお選びください!

雛人形の購入にかかる費用と準備

雛人形の購入費用も気になりますね。
購入費用をとても大きなくくりで言ってしまうと… 5,6万円から30万円 となっています。
『えっ?』と思うような値段差がありますね。
この値段差は、雛人形やお道具類の大きさや素材、飾り方などの違いによるものです。

例えば…
男雛と女雛2体の親王飾りの場合、手のひらサイズの小さなお雛様セットだと5、6万円なのですが、
帯から作ったお雛様で、お道具類にもこだわったセットだと30万円くらいになってしまいます。

お雛様とお道具類の素材や制作工程の違いは、カタログの写真やサイトの画像を見てもなかなか実感できないかもしれません。
その場合には、お店に行って実物を見ながら違いを説明してもらったり、電話やメールで質問してみてください。

雛人形の購入で家族で話し合うべきこと

『 雛人形を購入しよう!』と話が進んだら、

※ 雛人形の大きさはどれくらいが良いか
※ 飾り方はどんなスタイルが良いか
※ 飾る場所はどこが良いか
※ 予算はどれくらいにするか

を、ぜひご家族で相談してください。

お雛様は普段見慣れないものなので、大きさの感覚が掴み難いです。
お店に出かけ店内で見た時は小さく感じたのに、家に届いたら想像以上に大きかったという事も多々あります。

また、たくさん見過ぎて自分の希望が置いてけぼりになってしまい、その結果、あまり好みでない雛人形を選んでしまうと言う事もあります。

できれば、第一候補、第二候補、第三候補 を決めておくと心にゆとりが生まれ、落ち着いてお雛様選びを進められるのでお薦めです。

まとめ

ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
昔々は女性の両親が購入して贈るのが一般的だった風習も、だんだんと遠いものになってきました。
古い風習にとらわれ過ぎず、気持ち良くお雛様選びをしていただけると嬉しく思います。

思いもしなかった病気や天災が起こる現代。
そのなかで生まれてくれた新しい命がお雛様に守っていただけます事を、
ご家族皆さんで素敵な雛祭りをお迎えいただけます事を、心よりお祈りいたします!

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雛人形の処分方法まとめ -正しい捨て方と供養方法

お嬢さんのために選んだお雛様。

慣れないながらも頑張って飾って
家族みんなで楽しくお祝いして
また頑張って片付けて…

と、素敵な思い出が1年1年増えていき、
やがてお嬢さんも大人になって
寂しいけれどお雛様とお別れしなければならない時がやって来ます。

でも、簡単には捨て難いお雛様。
ではどうやってお雛様とお別れするかを
一緒に考えてみましょう!

雛人形の処分が必要な理由とは?

よくお客様に、『自分のお雛様を娘に譲っても大丈夫ですか?』というご相談をいただきます。

ご両親に買っていただいた自分のお雛様があるけれど 最近は飾っていないので、
“あのお雛様を娘のお雛様にするのはどうかな?” という気持ちはとてもよく分かるのですが、
お雛様は本来、生まれてきた大切な子供が健やかに成長するよう祈って飾る、また、
降りかかる厄を身代わりとなって引き受けてくれる、御守りのようなお人形なのです。

子供だったお母さんも今ではもう大人になり、新しい家庭を築き、そして自分のお子さんを授かりました。
この時点で、お母さんのお雛様は “お母さんをお守りする” という大きなお役目が終わっているのです。

勿体ないと思う気持ちは大切ですが、お母さんのお雛様は、お母さんの厄を引き受けてくれたお人形なので、
そのお人形を娘さんに譲るというのはあまりふさわしくないのです。

そしてもう1つ。 これは私がいつも思っている個人的な考えですが、
小さい時に『これは〇〇ちゃんのお雛様だよ!』のような言葉を、お父さんやお母さん、
お爺ちゃんやお婆ちゃん、親戚の方などから言われた記憶がありませんか?
その時、嬉しいような、ちょっと誇らしいような、そんな感じがしませんでしたか?

私は次女です。5つ年上の姉がいて、姉は綺麗なお雛様を2セット、母は立派な7段飾りを持っていました。
でも私のお雛様は、母や姉のお雛様とは比べ物にならない程すごく地味なお雛様で、
私はそれがとてもイヤで、毎年お雛様を見るたびに哀しく、母や姉のお雛様を羨ましく思っていました。


お母さんのお雛様を貰ったお子さんは、大きくなったら『これはママのお雛様だったんだよね。』と
思うかもしれません。その時、彼女の心は私と同じかな? と考えてしまうのです。

経験から生じる希望なのですが…
小さくても良いから、できれば『私のお雛様』と思えるお雛様を贈ってあげてほしいと、心から思います。

雛人形の処分方法の選び方

私はお雛様は全く可愛くなく、本当にイヤでイヤで仕方ありませんでした。
(その過去があるので、他の女の子には私と違う素敵な思い出をもってほしいと願いお雛様を作っています😁 )

それでも大人になっていく過程で、可愛くないと思っていた心が変化してゆき、愛着が湧き、今でも手放さず保管しています。

でもいつか私も、そのお雛様を処分しなければならない時はやってきます。
どうやって処分する?
自分に聞いてみると、ちょっと複雑な気持ちです。
では1つづつ考えてゆきましょう!

自宅でできる雛人形の処分方法

“ 気になる・気にならない ” はちょっと別にして、“ できる・できない ” だけを考えた場合には、
お雛様であっても、普通のゴミ同様に自宅で処分することはできます。

『お雛様といっても人形は人形 』と割り切って考える事ができて、後悔せず、抵抗がなければ、
自宅で自治体が回収してくれるゴミの日に出してしまっても 問題は全くありません。
ただ、最近はゴミ回収のルールが大変細かくなっているので、
お住まいの自治体のルールに従って、不燃物や可燃物などに分ける必要が出てきます。
あるいは粗大ゴミ扱いとなる場合もあります。

お雛様は、お子様に降りかかる厄を引き受けてくれる御守りのような存在ではありますが、
無事に大きくなったらお役目は終わります。“ 供養しないとバチが当たる ” という事はありません。

欲を言うならば…
捨てる前に箱から出してあげて、埃を払ってあげて、お顔を見てあげて、
『ありがとうね』 と言っていただけたらば、お雛様も私達のような職人も嬉しく思います。

でも、『ゴミの日に捨てるのはちょっと抵抗がある… 』という方が多い事は事実です。
そんな場合は次の項目を参考になさってください。

雛人形を供養してから処分する方法

御守りのような存在であるからこそ処分に困るもの。
自宅での処分にちょっと抵抗感がある方はぜひこちらを参考にしてください。


神社やお寺など、お雛様を供養してくださる所に依頼する方法


神主さんやお坊さんが祈祷や読経でお雛様を供養し、その後処分してくださいます。
有料となってしまいますがきちんと供養していただけるので、『捨てるんだなぁ。』という心の負担は軽減されると思います。
料金は神社やお寺によって違いますが、相場は3,000〜10,000円ほどです。

引き受けていただける神社やお寺は全国にいろいろありますが、最近は環境問題などもあるので、まずインターネットなどでお調べいただき、引き受けていただけるかどうか実際に問い合わせをして確認していただけると安心です。


『明治神宮人形感謝祭』に持って行き、供養していただく方法

『明治神宮人形感謝祭』は人形に感謝する会が主催し、1989年から毎年秋に行われる恒例行事です。
処分したい人形等の受付は、当日の持ち込みに限られています。
9時30分から受付が始まり、ひとかかえ3,000円の初穂料で引き取っていただけます。
ひとかかえの目安は、45リットルのポリ袋に入る程度とされています。

引き取られたお人形は奉鎮台に並べられ、神主さんがお祓いをして魂を抜いてくださいます。また、
本殿にてご祈祷が行われ、浦安の舞が奉奏されます。

ずらっと並んだお人形やぬいぐるみの数々。その光景を見ると、
時代と共にいろいろな事がどんどん変化しても『人形には魂がある』と思い大切にしてきた風習が
今も私達の心に生き続けている事をしみじみと感じます。

お雛様の処分方法の見学ではないけれど、
ご家族やお友達と一緒に秋のお散歩がてら、ちょっと明治神宮へ足をのばしてみるのはいかがですか?

詳しくは明治神宮人形感謝祭のウェブサイトをご確認ください!
HP : https://ningyou-kanshasai.com/

専門業者に依頼する雛人形の処分方法

一般社団法人 日本人形協会 が行なっている『人形感謝(供養)代行サービス』を利用する方法

日本人形協会とは、私達のような人形関係の業者が加入している協会です。
その日本人形協会が日本郵政と提携し、
ご家庭にある要らなくなってしまった人形等を通年で引き取ってくれる代行サービスです。

引き取られた人形類は『明治神宮人形感謝祭』開催まで一時保存され、
開催日に合わせて明治神宮へ送られて、きちんと供養していただきます。

明治神宮まで行かれない場合や、高齢の方にはとても魅力なサービスですね。
料金は、段ボールの3辺の合計が170cm以下で、重さが30kg以内 の1箱の場合だと
5000円+ゆうパック料 となります。


詳しくは日本人形協会のウェブサイトをご確認ください!
HP:https://www.ningyo-kyokai.or.jp/kuyou/ 



回収業者さんに依頼する

先日、不要になったガラス付きの戸棚を処分したいと思いインターネットで検索したところ、
見切れないほどの回収業者さんのウェブサイトがありビックリしました。 
その中からいくつか選んで、見てみたところ、“ お雛様も回収します。” と書いてありました。
( 『私、雛人形作ってます!』とPCに向かって呟き、笑いました😁 )

自宅まで来てくれるので運び出す手間が要らない、便利な回収業者さんに依頼するのも1つの方法ですね! ただ…
本当にたくさんの回収業者さんのサイトがあるので、どこが良いか選び難い事や、
ちょっと怪しい業者が増えているような気配もあるので、業者選びには細心の注意を払っていただきますようお願いいたします。

雛人形のリサイクルや寄付について

リサイクルショップやフリーマーケット、フリーマーケットアプリなどでお雛様が売られているのを目にする事があります。
『捨てるなら売っても良いかな?』と考えられたのだと思いますが、お雛様の本来の意味から考えると、
“売ってお金にするのはちょっと違うかなぁ…” と言う感じがするのは否めません。

売るのではなくて、幼稚園や保育園、老人ホーム、公民館など、
お雛様を飾って喜んでくれる方がいる場所に寄付するという考えもあります。
ただ、同じ事を思う方がいらっしゃるため、『もうお雛様持ってます。』という所もありますので、
まず、責任者の方にお尋ねして、引き受けていただけるかどうかの判断をお願いしてください。

雛人形処分時の注意点とマナー

自宅で処分する方法以外を選択した場合ですが、引き受けてもらえるのは人形本体のみです。
お雛様を飾った台やお道具類、ガラスケースなどはご自分で処分しなければなりません。
その際はお住まいの自治体のゴミ回収のルール上、どのように分別するかを確認して、
不燃物や可燃物などに分けて処分してください。 大きさや素材によっては粗大ゴミ扱いとなる場合もあります。

使用されている素材等が分からず、どのように分別したら良いかが分からない場合は、
同地域内にある雛人形取扱店に相談してみるのも方法だと思います。

まとめ

お雛様には“いつまで飾らなければならない” というルールはありません。
1000年以上の歴史があるお雛様は、日本の女性にとっては意味のある大事なお人形です。
歳をとって、おばあちゃんになっても、自分のお雛様を飾れたらば… それはとても素敵で幸せな事だと思います。
それと同様に、“いつ、どのように処分するか?” という決まりもありません。
自分の心と話し合って、後悔しない処分方法を見つけていただく参考になったらば嬉しく思います。


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雛人形の選び方!失敗しない為に初心者が知っておくべきポイント

女の子の誕生を記念してご購入されるお雛様。
お洋服や日用品と違って、買い替える事のないお買い物です。
そう思うとちょっと緊張しますね。
でも大丈夫、安心してください!
ここでは雛人形を選ぶ時に参考にしていただけるような、
知っておいた方が良いポイントをご紹介いたします!




失敗しない雛人形の選び方

自分にピッタリなお雛様を選ぶためにはいくつかのポイントがあります。
それを1つづつ説明していきますね!

お人形のお顔と衣裳

まず1番初めのポイントは『お雛様のお顔』です。
お顔は、頭師(かしらし) と 結髪師(けっぱつし) という職人さんによって作られます。

頭師さんはまず頭の型に石膏を流し込み、頭の土台を作ります。
その土台に数回胡粉の上塗りをほどこし、艶やかな顔の下地を作ります。
次の工程からが繊細な作業のお顔作りです 。

まずガラスの目が入っている部分に小刀を入れ、お雛様の目を切り出します。
目の開いたお顔にアイシャドーを入れ、細かな線で1本1本丁寧に髪の毛の生え際・眉毛・まつ毛を描き、微笑んだ唇に口紅をさします。
ここまでが頭師さんの仕事で、次は結髪師さんの出番です。
結髪師さんが 筋彫り(すじぼり)という溝に髪の毛の束を入れ、ブラシを巧みに使い美しく結い上げます。
そして 元結(もっとい)や 釵子(さいし)などの飾りをつけて1つの頭の出来上がります。

頭師さんと結髪師さんが違うと、生み出されるお顔は全く違います。お店によってお雛様のお顔が違うのはこのためです。
お顔には赤ちゃんのようにふっくらして愛らしいお顔や、子供らしい可愛いさいっぱいのお顔、細面で大人っぽい雰囲気のお顔や、お雛様の歴史を物語る京都のお雛様のお顔など、さまざまな種類があります。


『どのお顔が好きですか?』
  
これが最初のポイントです! たくさんのお雛様を見て、お好みのお顔を見つけてください。

好きなお顔が決まったら次は『お雛様の衣裳』 です。
私達が洋服によって印象が変わるのと同じように、お雛様のお顔も、着物の色で印象が違います。
白やパステルカラーのお雛様は、明るく若々しい感じで、華やかさがある現代的お雛様の印象。
濃い色のお雛様は、凛々しくすっきりとした感じで、重厚感がある伝統的お雛様の印象。
下の写真の男雛は、同じ大きさ・同じお顔なのですが、だいぶ雰囲気が違います。


『どの衣裳が好きですか?』    
気に入ったお顔に映える、素敵な着物を見つけてください。

お人形の大きさと飾り方

2番目のポイントは『お雛様の大きさと飾り方』です。 下の写真を見ていただけますか? 
2枚の写真とも、左側は小三五、中央は芥子、右側は柳 と呼ばれるサイズの女雛です。
それぞれのサイズの横幅は、小三五親王= 約26cm 芥子親王= 約21cm 柳親王= 約16cm になります。

お雛様が大きいと豪華で華やか、重厚感もあります。けれど、セットで飾る場所は横幅50、60cm以上が必要になります。
お雛様が小さいと可愛さいっぱいで、セットで飾る場所も省スペースですみます。けれど、豪華さの点では大きなお雛様にはかないません。

小三五よりも大きいサイズや、芥子と柳の中間サイズ など、サイズはもっといろいろあります。

『どの大きさを飾ってみたいですか?』   

お人形の大きさと合わせて『飾り方』も見てみましょう。 例として、ちょっと大きめの小三五サイズが気になったとします。
2枚の写真はともに小三五サイズのお雛様ですが、左側の収納箱スタイルの飾り幅は55cmで、右側の親王飾りスタイルの飾り幅は60cmです。5cmの違いですが、見た時に受ける印象はとても違います。 
また、収納箱スタイルの場合は直接床の上に飾ることができ、親王飾りスタイルの場合はチェストや机などの上に飾ります。

『どんなスタイルで飾ってみたいですか?』

お人形の大きさと飾り方は他にもいろいろあるので、たくさん見てお好みのスタイルを見つけてください。

どんな雰囲気を求めるか


次のポイントは『どんな雰囲気を飾ってみたいですか?』 です。
下の写真の左側のような、伝統的な色彩のクラッシックスタイルを飾ってみたいですか? 
それとも中央と右側のような、おしゃれで可愛いモダンスタイルを飾ってみたいですか?

「インテリアに合う明るいセットがいいなぁ。」や「娘のお雛様だから可愛い方がいいな。」や「私のイメージは伝統的な感じ。」といった飾ってみたい希望の雰囲気が心の中に存在すると思います。雰囲気の違ういくつかの候補を選んで、比較してみるとお雛様選びがスムーズに進むと思います。
この他にもいろいろな雰囲気がありますので、希望の雰囲気のお雛様を見つけてください。

予算

それから予算を決めましょう。 
「予算が1番じゃない?」と思われるかも知れませんが、お好みのお顔や衣裳、希望の大きさや飾り方、雰囲気などが絞られると、希望がはっきりしてくるので選びやすくなります。そして、選んだ候補の比較もしやすくなるので、予算決定がスムーズに進められます。
また、実際に見てみると印象が違ったりする場合もあるので、予算にも第1候補、第2候補… とあると良いと思います。

第一印象

第一印象は大切にしてください。

1番欲しいセットは第一印象が良かったセットの可能性が大きいです。
それがとても大きなセットだった場合でも、そこには心をひきつけられる特別な魅力が存在するのです。


いろいろなお雛様を見すぎたために 何だか頭がごちゃごちゃになってしまった時は、第一印象の良かったお雛様に戻ってみる事をおすすめします。
そうすると、心をひかれるポイントが再確認できて、その後のお雛様選びがスムーズになると思います。

雛人形を選ぶ前に確認しておくべきこと

お雛様選ぶ前に、知っておいた方が無難な事がいくつかあります。

家族の希望

まず第1がご家族の希望です。 これは私の経験からくる想像ですが、

旦那様のご実家が男の子ばかりのご家庭だった場合、
お祝いするお子様は待望の女の子。旦那様のご両親は “素敵なお雛様を飾ってあげたい!” という気持ちが強いかも知れません。

お嫁さんに行かれた場所がお祝い事に熱心な地域だった場合、
お嫁さんのご実家のご両親は “娘と孫のためにいいお雛様を贈ってあげたいな〜!” という気持ちが強いかも知れません。

伝統的な風習だからこそ、人それぞれに想いの温度は違うものです。
私は過去に、雛人形の売り場でお雛様を選んでいる最中に、ご家族がちょっと険悪なムードになってしまったケースに数回遭遇しました。
でもそれは、『素敵な思い出を作りたい。』 というご家族の純粋な気持ちが噛み合わなかっただけなのです。

1番尊重するのは『お祝いをしてもらうお嬢様の居るご家庭の意見』、大事なのはママ、そしてパパです。
ママはどんなお祝いを望んでいるのか、パパはどんなお祝いを望んでいるのか、お互いの希望聞いて、意見を尊重し合い、いくつかのプランを考えてください。

そのプランを決める過程で “参考程度” に、ご実家の意見を伺ってみてください。
絶対にご実家の意見に従わなければならない訳ではありません。 
けれど、お孫さんを想うご両親の気持ちに触れることは、良い結果に結びつくと私は思っています。

飾るスペース

プランを練る中に、『飾る場所はどこにする?』もぜひ入れてください。
2〜3の候補があるとお雛様を選びやすくなります。
基本的には、お雛様との時間を共有できるよう、ご家族がいつも集まる場所にお飾りいただくのが1番です。
お嬢様の成長に合わせて飾る場所を変えていくのも良い思い出になると思います。

収納スペース

ご家族とお雛様の楽しい時間が過ぎた後は…お片付けです。
箱にしまってから『どこに置く?』となっては、楽しい思い出が大変な思い出になってしまいます。
飾るスペース同様に、お雛様一式をしまって置く場所も事前に話し合っておくことをおすすめします。

予算別のおすすめ雛人形

それでは、工房凧の予算別のおすすめ雛人形をご紹介いたします!

5万円台のおすすめ 

桜がテーマの可愛くて超コンパクトなお雛様です。
お雛様の大きさは “手のひらサイズ” の柳親王。
飾り台の横幅は35cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は京都西陣金襴から、満開の桜を織り込んだ薄紫とピンクを選びました。

6万円台のおすすめ 

赤がメインカラーのクラッシックなスタイルのお雛様です。
お雛様の大きさは柳親王より一回り大きい 小芥子親王。
飾り台の横幅は48cmとコンパクトです。
赤は生命を象徴し、悪い物を寄せつけず幸運を呼び込む『魔除けの色』と言われています。
お雛様の着物は京都西陣金襴から、王道の紺と赤を選びました。

7万円台のおすすめ

ホワイトベースのおしゃれで超コンパクトなお雛様です。
お雛様の大きさは柳親王より一回り大きい 小芥子親王。
飾り台の横幅は38cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は桜柄の京都西陣金襴から、格式の高い紫と清楚な白を選びました。

8万円台のおすすめ


①スタイリッシュでおしゃれな超コンパクトなお雛様と、
②日本独特の美意識“侘び寂び”がテーマの大人っぽいお雛様です。

①スタイリッシュでおしゃれな超コンパクトなお雛様はこちら。
お雛様の大きさは “手のひらサイズ” の柳親王。
飾り台の横幅は32cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は京都西陣金襴から、四季の花を織り込んだ春らしい若草色とピンクを選びました。

②日本独特の美意識“侘び寂び”がテーマの大人っぽいお雛様はこちら。
お雛様の大きさは柳親王より一回り大きい小芥子親王。
飾り台の横幅は48cmとコンパクトです。
屏風は、梅・桜・菊を深みある色彩描いた友禅裂地をもちいたモダンな2曲スタイル。
お雛様の着物は吉祥を表す華紋を織り込んだ、無地感覚のおしゃれな京都西陣金襴を選びました。

9万円台のおすすめ

①おしゃれなグレーがベースのスタイリッシュで超コンパクトなお雛様と、
②どのお部屋にも合うほっこりあたたかな雰囲気の可愛らしいお雛様です。

①おしゃれなグレーがベースのスタイリッシュで超コンパクトなお雛様はこちら。
お雛様の大きさは “手のひらサイズ” の柳親王。
熟練の職人技が実感できる、引き出し式の収納箱の横幅は38cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は大きめの桜柄を織り込んだ、白とピンクの京都西陣金襴を選びました。

②どのお部屋にも合うほっこりあたたかな雰囲気の可愛らしいお雛様はこちら。
お雛様の大きさは小さ過ぎず、大き過ぎず、ハイクオリティな上芥子親王。
飾り台の横幅は48cmとコンパクトです。
お雛様の着物は雪輪と桜を織り込んだ、白とサーモンピンクの “段織り” という京都西陣金襴を選びました。

10万円以上のおすすめ


①春色ぼかしがお部屋を明るくしてくれる可愛いお雛様と、
②自然素材をもちいたモダンで存在感ある大人っぽいお雛様です。

①春色ぼかしがお部屋を明るくしてくれる可愛いお雛様はこちら。
お雛様の大きさは両手の大きさくらいの、飾り映えする、ハイクオリティな小三五親王。
つややかなピンクぼかしの収納箱の横幅は55cmと手頃なサイズです。
お雛様の着物は、雪輪と桜を織り込んだ “段織り” という京都西陣金襴を選びました。

②自然素材をもちいたモダンで存在感ある大人っぽいお雛様はこちら。
お雛様の大きさは小さ過ぎず、大き過ぎず、ハイクオリティな上芥子親王。
飾り台の横幅は50cmと手頃なサイズです。
お雛様の着物は吉祥華紋を織り込んだ、おしゃれな配色の京都西陣金襴を選びました。


雛人形の手入れ方法と保管のポイント

お雛様のお手入れ方法と保管には、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、お雛様のお手入れ方法です。

お雛様とお道具類は、①湿気と乾燥、②直射日光、③手の汚れと脂 がとても苦手です。

① 湿気は、シミやカビの原因となります。
  乾燥は、お雛様のお顔や道具類のひび割れや反りの原因となります。

お雛様をお飾りする季節は冬なので、加湿器やエアコン、ヒーター等をご使用になると思います。
その際、加湿器の吹き出し口から出る蒸気や、エアコンやヒーターの暖かい風が直接お雛様に当たらないように気をつけてください。

② 直射日光は、お雛様のお顔やお道具類の色褪せや材質の劣化の原因となります。

窓の近くにお飾りすると直射日光が当たったり、結露した際は湿気のもとになりますので、窓から離れた所にお飾りください。

③ 手の汚れと脂は、特にお雛様のお顔に大問題です。手に付いた汚れと脂はシミの原因となります。

お雛様のお顔に触れる際は、白い手袋をご使用になる事をおすすめします。
また、お子様がお雛様に触れたいと言った際は、『お顔は触らないでね。』 と教えてあげてください。

次は保管のポイントです。

お雛様をお片付けする日は、カビやシミのもととなる雨や雪の日を避けて、お天気の良い日にお願いいたします。 
箱にしまう前に、はたき等で埃を落としてあげてください。
うっかりお雛様のお顔を触ってしまう事もあるので、白手袋をはめておく事をおすすめします。

お雛様を箱にしまって蓋をする前に、防虫剤を上に入れてあげてください。
防虫剤は人形専用の防虫剤をお選びいただき、直接お雛様に防虫剤が当たらないようティッシュなどで軽く包んでください。

お雛様の保管場所は、高い所の方が湿気が少ないと言われていることから、クローゼットの上や押し入れの上段など、高い所が適しています。
空気の通り道があると更に湿気防止となるので、ちょっと隙間を開けておくとベストです。

お雛様選びもとても大変なのに、更にいろいろあって恐縮ですが…
お雛様のために、どうぞよろしくお願いいたします!

まとめ

30年以上雛人形に関わっているのでお伝えしたい事がたくさんあり、いろいろな事を書いて長くなってしまいました。
ここまで読んでくださいましてありがとうございました。

お雛様を選ぶ時は、『大きくなければいけない』とか、『安いのはダメ』 などと言った制約は一切ありません。
『飾ってみたい!』や、『飾ってあげたい!』と言う気持ちが1番大事です。
真剣になればなるほど、つい楽しい気持ちを忘れがちです。
どうぞリラックスして、笑顔で、お雛様選びを進めてください!

皆様がお気に入りのお雛様に出会って、素敵なお雛祭りをお祝いできますよう、心から応援しています!

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雛人形はいつからいつまで飾る?最適な期間と飾り方のポイント!

カタログを見たり、ネットで調べたり、お店に出かけたり…
と、いろいろな方法でお雛様選びを進めながら、
次はいつ頃お雛様をお飾りしたら良いかをちょっと見てみましょう!



雛人形を飾る最適な期間とは?

お雛様が誕生した1000年ほど前の日本は、
お月様の満ち欠けと太陽の動きから考えられた暦を使っていました。
現在使っている暦よりも古い事から『旧暦』と呼ばれています。


旧暦には季節を表すための『二十四節気(にじゅうしせっき)』という考えがあります。
それは1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、
さらに春夏秋冬それぞれを6つに分け、全部で24の『節』にするものです。

左の円をちょっとご覧になっていただけますか?
1番昼間の時間が長い夏至や、1番昼間の時間が短い冬至、現在祭日になっている春分の日や秋分の日なども二十四節気の1つです。
旧暦を使わなくなってから150年ほどの時間が経ちますが、二十四節気は今でも私達の生活に受け継がれているのです。

古くからの風習を大事にする雛祭りは、二十四節気の初めの節である『2月初めの立春の頃』から『雨水の頃』に飾るのが良いと言われています。これは今のカレンダーだと2月4日から2月19日頃にあたります。その頃に飾り始め、3月3日ちょっと過ぎくらいまでの間お飾りするのが
だいたいの目安とされています。

雛人形を飾り始める日

立春の前日が節分。 豆撒きの日です。
『節を分ける』という文字通り、旧暦上で節分は大晦日のような日にあたり、過ごしてきた1年間の厄を落とし、そして新しい年に福を呼び込むため豆を撒きました。
そして迎える次の日が立春。新しい年の始まりです。

この風習が今も残っているので…
『お雛様はいつ頃飾ったら良いですか?』と雛人形屋さんに質問すると、
『立春頃の良い日がいいので2月4日過ぎの良い日がいいですよ。』
という答えが返ってきます。

良い日には、大安や友引といった縁起の良い日はもちろん入りますが、それ以外にも
太陽の出たお天気の良い日や、お飾りしていただく方のご都合や体調も含まれます。
( 飾ろうと決めた日が縁起の良い大安でも、雪が降ってて、その上風邪気味だったら、お飾りいただく方もお雛様もとても辛いので…。)


大安と友引ならば、
来年2025年2月4〜28日の間には、大安は4日間、友引は5日間あります。
この中で、第1候補日、第2候補日、第3候補日…を決めておいて、実際の日のお天気やご家族のご都合、体調に合わせてフレキシブルに対応するのがベストだと思います。

2月4日から2月19日頃に飾り始め… と書きましたが、これはあくまでも目安で、とらわれる必要は全くありません。また、
大安や友引といった縁起も守らなければならないものではないので、大安や友引に飾らなければならないという事も全くありません。
お雛様は新しい家族の大切なお祝いですから、ご家族のライフスタイルに合った良い日にお飾りしましょう!

雛人形を片付けるタイミング

『 お雛様を早く片付けないと結婚が遅くなる 』とよく言われますが…
大丈夫、安心してください。これは迷信です! 
こう言われた理由は、お雛様はお飾りよりもお片付けの方がとても時間がかかるため、
お片付けモードにならないと、ついつい延ばしがちになってしまうためです。
それを戒める言葉として『 お雛様を早く片付けないと結婚が遅くなる 』が生まれたようです。


でも、やっぱりお片付けは遅くなってしまいがちです。
そこで一応の一区切りは、『3月中旬までにお片付け』です。
またまた二十四節気の登場ですが、
3月後半に訪れる『春分』までにお片付けが終了しているといいですね!

地域や家庭による飾り期間の違い

「雛祭りはいつ?」 という質問にはほとんどの場合「3月3日」という
答えが返ってくると思います。
でも、地域によっては1ヶ月遅い4月3日にお祝いをする所もあります。
これは、かつて日本が旧暦で生活していたことの証で、
今もその風習が継承されているのです。
月遅れの雛祭りで代表的な地域は長野、埼玉、山梨、岡山があります。

雛祭りは『桃の節句』とも呼ばれます。
桃の開花は3月下旬から4月上旬なので、月遅れの雛祭りでは昔の人々が
見たであろう景色を体験しながら雛祭りをお祝いできるところがいいですね。

月遅れの雛祭りをお祝いする場合は、4月の上旬までお飾りします。

この月遅れの雛祭りを実際に経験されている方で、3月3日に雛祭りのお祝いをする所に引越しても今までのように
4月3日にお祝いをするご家庭もありますし、引越し先の風習に合わせて3月3日にお祝いをするご家庭もあります。このように、
ご両親とともに生活なさっていた時の風習を受け継ぐ事も素敵だし、ご夫婦の新しい家庭で新しい形を作って行く事も素敵だと思います。

雛人形を飾る際のポイントと注意点

お雛様の飾り方は、関東と関西では男雛と女雛の位置が違います。
関東の場合は、向かって左側に男雛を、向かって右側に女雛をお飾りします。
関西の場合は、向かって左側に女雛を、向かって右側に男雛をお飾りします。 
…と全く反対ですね。
この理由は、江戸時代までは、向かって右側が地位の上の人が座る場所とされていたためで、それが明治になり
欧米の文化が日本に入ってくると、向かって左側が地位の上の人の場所と変化して定着したためです。

この2つの飾り方のどちらが良く、どちらではだめ という事は全くありません。
関東にお住まいなら関東式、関西にお住まいなら関西式でお飾りいただいても良いし、
「京都に憧れてるから関西式でお飾りする!」というのも良いですね。

自由な気持ちで、楽しく飾っていただき、笑顔で過ごしていただくのが1番大事な事です!

お雛様をお飾りするときに気を付けていただきたい事があります。 それは、
① 湿気と乾燥  ② 直射日光  ③ シミ です。


① 湿気と乾燥
お雛様をお飾りする季節は冬。
空気が乾燥しているので加湿器で湿度を上げますが、お雛様とお道具類は湿気が1番苦手です。
湿気はシミやカビの原因となるので、加湿器から出る蒸気が直接お雛様やお道具類にかからない
ように気をつけましょう。結露している窓の近くにお飾りするのも避けた方が良いと思います。

また、
エアコンやヒーターなどでお部屋を暖めますが、その風を直接浴び続けると乾燥しすぎてしまいます。
乾燥はお顔やお道具類のひび割れや反りの原因となるので、直接風があたらない所を選んでお飾りください。



② 直射日光
直射日光は、お雛様のお着物やお道具類の色褪せや材質の劣化の原因となります。
日がさんさんと降り注ぐようなお部屋にお飾りになる場合は、窓から離れた所にお飾りください。
昼間は遮光カーテンを利用して日差しを遮るのも良いですね。

③ シミ
お雛様に触れる前は手を洗って、指の汚れや脂を落としてください。汚れや脂がお顔につくとシミの原因になります。
お雛様を箱から出したらお顔が少し横を向いていた時や、男雛に烏帽子を被せる時など、お雛様のお顔に触れる時は白手袋を使用してください。


たくさんあって申し訳ありませんが、綺麗な状態で末永くお飾りいただくためにどうぞよろしくお願いたします。

雛人形の保管方法と片付け方

お雛様をお飾りして、楽くお祝いして、素敵な時間を過ごした後は… お片付けです!
初めは時間がかかるかも知れませんが、大丈夫、できます! 頑張りましょう!


お飾りをする時ですが、お雛様やお道具類を箱から出す前に、何がどこに入っていたか が分かる写真を撮っておくと
お片付けの時に確認できるので、悩まずしまえて便利です。

お雛様は湿気が1番苦手なので、お片付けは雨や雪の降っていない晴れた日にお願いいたします。

箱にしまう前に、飾っているうちについた埃を毛ばたきなどで払ってあげてください。
この時、うっかり素手でお雛様のお顔に触れてしまわないよう、白手袋をはめておくことをお勧めします。
 
お雛様を箱にしまう時に人形用の防虫剤を入れましょう。
入れた方が良いか、入れなくても良いか、の2択だったらば、安心のために入れてください。
防虫剤の入れ方は、お雛様を箱にしまって蓋をする前、防虫剤が直接お雛様にあたらないようティッシュなどで包んで、上に入れてください。

お雛様の保管場所は、押入れの上段やクローゼットの上などの高い所に保管してください。
これは、湿気は家の中でも高い所ほど湿気が少ない と言われているためです。
湿気防止には空気の通り道がある方が良いので、できればちょっと隙間を空けて置くとベストです。

まとめ

いろいろ書いてきましたが、これは今までの通例です。
絶対にこうしなければならないということはありません。
「赤ちゃんが産まれて、嬉しくて、早くお雛様を購入したのに、2月まで待たなければならないの?」
という事もあると思います。そんな時は通例に縛られずに飾ってください!
年始年末でご家族が集まったり、遠方からお客様がいらっしゃる機会がある時にお披露目するのは、きっと素敵な思い出になると思います。

皆様がお雛様と一緒に素敵な思い出がたくさんできますよう、心からお祈りいたします!