に投稿

雛人形はどこで買うべき?おすすめ購入場所と選び方のポイント


普段の生活に必要な物ならば行きつけのお店で購入すれば良いのですが、
雛人形となったらば『どこで買ったら良いのかな?』と、ちょっと考えてしまいますね。

スポンサーがいらっしゃる場合や、
ご夫婦の考え方の違いなどによっても、購入場所は変わってきます。

購入場所にはいくつかの選択肢があるのでご紹介いたします!

雛人形を購入する前に知っておきたい基本情報

お雛様の購入場所には、
『専門店』と呼ばれる小売りの店舗やデパートの展示場など、実物を見て確認できる所と、
オンラインショップのように、手軽に検索できるけれど実物を確認しにくい所の2種類があります。
どちらが良くて、どちらが悪いということはありませんが、双方に一長一短があります。
その点を把握して、自分に合った購入場所を選んでください。

また、実家のご両親やご祖父母様など年齢が上の方がお雛様を選ぶ場合には、
そもそも選択肢にオンラインショップは入っていないかも知れません。
そのような事もちょっと頭の片隅に置いておいてください。

専門店は大体11月初旬〜中旬にお客さまをお迎えする準備が整い、販売を開始します。
デパートの展示場は年明けの1月〜2月中旬に開催されます。
オンラインショップは、専門店と同じで11月初旬頃から予約販売が開始されます。

『まだ時間があるから大丈夫!』と思われるかも知れませんが、年末年始は忙しい季節なので、
ついつい日々に追われ、時間がなくなりがちです。
時間がなくなったと焦って一度にたくさんのお雛様をみると頭がゴチャゴチャになってしまうので、
早い時期から少しづつ、楽しみながらお雛様選びを進めていく事をお薦めします。

品物が豊富に揃っているのは早い時期です。
お気に入りのお雛様が見つかったらばできるだけ早い時期に、あるいは、12月〜1月頃に決定されるのがベストです。

雛人形はどこで買うべき?購入場所ごとのメリットとデメリット

購入場所によってメリットとデメリットに違いがあります。
次はその違いをご説明いたします!

雛人形専門店(実店舗)

その名の通り雛人形を専門に販売する店なので、雛人形に関する知識はとても豊富です。
その知識を活かし、丁寧に商品の説明をしてくれます。
また、地域に根付いて営業しているので信頼できます。 この2点はとても重要なポイントです!
飾られているお雛様は、地域性や雛人形の流行・こだわりなどを基に店主が厳選したお雛様なので、
オンラインショップの品揃えとは一味違います。

入口が閉まっているために開放感がなく、『ちょっと入りづらい』というデメリットがありますが、
大丈夫! 押し売りはされませんので、ぜひ一度試してみてください。
一度中に入って、店主の話を聞いてみると… その不安は安心に変わるはずです。

購入前の相談や、購入後のアフターケアなど、お客様の話をきちんと聞いて、しっかり対応してくれるところも安心ポイントです。

デパート(実店舗)

デパートでは広いスペースにお雛様が展示されるので、
お手頃価格から超高級品まで、一度にたくさんの種類のお雛様が見られる点が最大のメリットです。
飾られているお雛様は、デパートの担当者さんがメーカーや問屋などから厳選したお雛様で、品揃えも豊富。
商品説明などは、知識も経験も豊富な販売員さんが応対してくれるので安心です。

ただ、たくさんの種類が見られる期間は限られていて、その期間を過ぎると展示場が縮小されてしまいます。
また、販売員さんが一緒に歩きがちなので、それが苦手な人には大きなデメリットになってしまいます。
そんな時は、『今は見てるだけなので大丈夫です。』や 『質問があったら聞きます。』などと意思表示をして、
気兼ねなく、じっくりとお雛様を見てください! 
( 経験から来る追記ですが… 販売員さんの多くは、メーカーさんなどから派遣された方がやっている場合が多いです。
好みでは無いお雛様を説明されてちょっと困った場合には、遠慮しないでNOと伝えてください。)

オンラインショップ(通販)

実際に出かける必要のないオンラインショップは、天候や時間に左右される事なく自由に検索できる点、
トレンドなお雛様をたくさん見られて比較しやすい点、販売員を気にしないで済む点が最大のメリットです。

ただ、実際に目で見て確認しにくいところが最大のデメリット。
『あっ、これ良いなぁ!』と思って購入し、楽しみに待っていたのに、届いた商品は想像と全く違っていた というケースも多々あります。

実際に購入するのはオンラインショップだとしても、大きさや素材感を体感してみるのはお雛様選びの参考になるので、お買い物やお出かけのついでに、専門店やデパートなどにちょっと立ち寄ってみるのも良いと思います。

オンラインショップで雛人形を買う際の注意点とおすすめサイト

オンラインショップは、今や日常生活にとっては必要不可欠な存在となっています。
『お雛様はオンラインショップでは選べないわ。』などと言われていましたが、それはもう昔、昔の話となりました。

オンラインショップでお雛様を購入する際には、サイトの信頼性が1番重要です。
価格は適正ですか? 大幅なディスカウントはありませんか?

『 〇〇円だったら適正で、〇〇円だと適正では無い 』 のようには言えませんが、
同サイズのセットをいくつかのオンラインショップで比較してみると、価格の適正性が実感できると思います。

大幅なディスカウントには、『 〇〇記念』のようにイベントの一環で良い品をお手頃価格で販売する場合と、
もともとの売価を値上げして30%、40%のような大幅な値引きでお客様を惹きつけ販売する場合があります。
後者の場合は要注意してください。 (これは実店舗でもあることです。)
『んんっ?』と疑問に思った事については、問い合わせをして確認してみるのも1つの方法です。

30年近くずっと雛人形にたずさわっている私がお薦めするサイトは、
テレビのCMなどで目にする機会のある大手有名専門店や地元密着型の専門店のサイト、
そして、雛人形を製造しているの人のサイトです。( 私のサイトもここに当てはまります。)

実店舗で雛人形を購入するメリットとお店選びのポイント

機械で作る品物と違い、お雛様や道具類のほとんどは人間の手作業から生み出されます。
そのため、デザインや素材・製造方法などによって値段の違いが生じます。
この違いを説明したら、あっという間に2〜3時間くらい過ぎてしまうほど奥が深いです。

ですが、残念ながらこの違いはネットで調べても理解し難く、画面で見ても分かり難いと思います。

その点、実店舗で目の前のお雛様や道具類を見ながら説明してもらうと、とても分かりやすく、
価格の差などもすんなりと納得できます。
これは実店舗の持つとても重要なメリット! やはり『百聞は一見にしかず』ですね。

お店を選ぶ際には、対応してくれる店員さんに注目してください。
知識があるか・無いかは、立ち振る舞いなどの言動以外にも現れます。
また、お客様の質問に答えられない時は『分からないのでよく分かる者に代わります。』と正直に言ってくれるお店の方が安心できます。

お雛様や道具類を自由に選んで自分好みのセットが作れるお店は、店舗の大小に関わらず、
品揃えが良く、確かな対応ができる、お薦めの店舗です。

また、良いお店の場合には、お客様の欲しい物が本当にあと少ししか残っていない場合を除いて、
『早く買わないと売り切れてしまいますよ。』などと言ってお客様を焦らせません。

主役はお雛様を選んでいる皆さんです。
お雛様が大好きな店主のお店で、穏やかな気持ちで、ぜひじっくりと悩んでください!

雛人形を買う際の予算と選ぶ基準について

雛人形の予算は、お雛様の大きさや人数・飾り方によってだいぶ変わります。 例えば…
男雛と女雛だけの親王飾りで、手のひらサイズの小さくて可愛らしい柳親王の場合は5万円台からあります。
同じ親王飾りでも人形のサイズが大きくなり、着物の素材や道具類にこだわると30万円を超えるセットもあります。
また、飾り方が親王飾りから収納箱飾りになると、台になる箱の分が少し高くなります。

平均的な価格帯は、7,8万円 〜15万円くらいの間で、
15万円以上になると職人技の結晶のような、こだわりポイントがいっぱいのセットとなります。

予算は平均的な価格帯とほぼ一緒で、7,8万円台 〜15万円台 となっています。

でも、これはあくまでも参考です。
7万円以下でも素敵なお雛様はありますし、屏風や台・道具類が絶対に必要なのではありません。
飾る場所がない場合や、2番目・3番目のお嬢さんのために購入される場合などは、
出会えたお気に入りのお雛様だけをお飾りになっても全く問題はありません。
良心的な店舗であれば、お雛様だけでも販売してくれます。

主役はお雛様を購入される皆さんです。 遠慮しないで何でも相談してください。
直接伝えるのが難しい場合はメールを送るのもいいですね。
どうぞよろしくお願いいたします!

まとめ

『1番お薦めの購入方法は?』 と尋ねられたならば… 、
『どの購入方法でも良いのですが、できれば実物を見てください。』とお答えします。
その理由は、お雛様は一生に一度のお買い物だからです。
『気に入らないから買い替える』というわけにはなかなかいきません。

両親が私に贈ってくれたお雛様は全然可愛くありませんでした。( それがきっかけで、私はお雛様を作る道に進んだのですが… )
『可愛いお雛様が欲しかったなぁ。』という思いは今でも心に残っています。
ネガティブな思い出はいつまでも尾を引くものです。 なので…
これからお雛様を購入して、みんなで楽しい雛祭りを迎えようとしている皆さんに同じ思いをして欲しく無いのです。 

皆さんがお気に入りのお雛様に出会えて、素敵な思い出をたくさんたくさん作っていただけますよう、
心よりお祈りいたします!

工房凧のカタログもございますので、ご興味ある方はこちらからどうぞ


に投稿

雛人形の正しい飾り方とポイントとは?初心者でも安心解説

女の子の誕生と健やかな成長を祈って飾るお雛様。
みんなでお祝いした雛祭りは、いつまでも心に残る大切な思い出です。

素敵なお雛様に巡り会えましたか?
お気に入りが見つかったら、次はお飾りですね。

『お雛様を飾るの、大変そう…』の声をよく耳にしますが、いくつかのポイントをおさえたら大丈夫!

それではご説明いたしますね!

雛人形を飾るタイミング

お雛様を飾る時期は一般的に、『2月初めの節分を過ぎて、大安や友引などの暦の良い日』と言われています。
これは “旧暦”を使っていた昔々は、節分の翌日の “立春” を新年としていて、節分までの古い年の厄を豆撒きなどで落とし、そして新年を迎えるという風習が今でも残っているためです。

このタイミングでお飾りする方が多いですが、絶対に守らなければならないというルールはありません。
年末年始はご家族が集まる機会の多い時期。
その時期に合わせてお雛様をお飾りして、皆さん一緒に過ごされるのも1つの方法。

ご家族のライフスタイルにあったお雛様との過ごし方を作り上げるのも素敵な思い出ですね!

飾る場所の選び方

時間をかけて選んだお気に入りのお雛様だからこそ、いつまでも綺麗な姿のまま、ご家族と共に一緒に過ごしたいですね!そのためにはお雛様はどこに飾れば良いでしょうか?

基本的には、どの場所・どのお部屋に飾っても問題はありませんが、ご家族が集まって、いつもお雛様を見られる場所が適しています。

お雛様とお道具類は、材料や製作工程などの性質上、湿気・乾燥・直射日光がとても苦手です。
お飾りいただく時期は冬なのでお部屋は暖房で温めていらっしゃると思いますが、エアコンの暖かい風は乾燥を、加湿器の湿った空気は湿気をお雛様や道具類に与えてしまいますので、それらが直接お雛様やお道具に降りかからないよう気をつけてあげてください。
また、窓から降り注ぐ直射日光は変色や乾燥の原因になるので、日光が直接当たらないように窓から離れた場所を選んでお飾りください。

雛人形の基本的な飾り方~段飾りの配置と順番~

では段飾りを飾ってみましょう!

まず初めに、段を組み立てます。
段がしっかり組み立てられると安心してお雛様を飾る事ができるので、焦らずにゆっくりと進めましょう。手を挟まないように気をつけてくださいね!

畳やフローリングが傷つかないように敷布を敷き、その上で組み立てるのも良いですね。 また、敷布が敷いてあると、飾り終わったあとに少しずらす必要があった時に敷布を引くと段を動かせるので便利です。

段が組み上がったら、毛氈をかけましょう。毛氈は段よりも少し大きいので、左右のあまりが均等になるよう合わせ、1番下の段から順番に付属のピンで留めていってください。メジャーで測って中心にマスキングテープなので印をつけておくと飾るときに便利です。

段に毛氈をかけ終わったら、お雛様とお道具類を飾ってゆきましょう!

一段目

飾る時は最上段 (一段目) から飾ります。
一段目に飾るのは、男雛と女雛、男雛と女雛をのせる親王台、屏風、雪洞、三宝、瓶子、口花です。

① まず初めに屏風を飾ります。
左右が同じになるよう飾りましょう。
飾る人とは別に、正面からバランスを見て指示してくれる人がいらっしゃると飾りやすいです。

② 次にお雛様をのせる親王台を屏風の前に置き、その上に小道具をつけたお雛様をお飾りします。

正面から向かって左が男雛、向かって右が女雛は関東式 、
正面から向かって左が女雛、向かって右が男雛は関西式になります。

③ 次にお雛様の左右に雪洞を飾ります。 雪洞の柄を正面に合わせてください。

④ そして男雛と女雛の間に三宝を置き、口花を刺した瓶子をその上にのせてください。

飾り終わったら正面からチェックしてください。

男雛の紐の掛け方・烏帽子のかぶせ方はこちらを参考にしてください!
https://youtu.be/jHvFiFKKvKs …男雛の帽子“烏帽子”に紐をつける編
https://www.youtube.com/watch?v=ovGoQ8NSp_8 …男雛に烏帽子をかぶせる編

二段目

次は二段目です。
二段目に飾るのは、三人官女、三人官女用の台、高坏、丸餅です。

① まず三人官女に小道具を持たせましょう。

座っている官女には盃の載っている穴のあいた台『三宝』を、
立っている向かって右側の官女には長い棒状の持ち手のついた『長柄の銚子』と、向かって左側の官女には提げる持ち手の付いている『加えの銚子』を持たせてください。
『長柄の銚子』はお酒を注ぐ道具で、『加えの銚子』は長柄の銚子にお酒を足すための道具です。

② 次に、三人官女用の台をバランスよく配置して、その上に小道具をつけた三人官女をお飾りします。

③ そして、三人官女の間に高杯を飾り、丸餅を載せたら二段目の完成です。

三段目

次は三段目です。
三段目に飾るのは五人囃子です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: -1024x397.jpg

五人囃子は、右から左にゆくほど音が大きくなるように飾ります。

① 1番右は謡 (うたい) 。 歌の担当です。たたんだ扇子を右手に持たせてください。

② 右から2番目は笛。メロディーを奏でます。横笛を上手に両手に持たせてください。

③ 真ん中は小鼓 (こつづみ)。 指の使い方で4つの違う音を打ち分けます。小鼓を五人囃子の右肩にのせてください。小鼓の手で打つ部分には絵が描いてあります。

④ 右から4番目は大鼓 (おおかわ)。 小鼓と同じ形をしていますが、大鼓には絵が描いてありません。
膝の上に大鼓を置いて、右手で打ちます。演奏の合間に「ヤー!」や「ハー!」といった掛け声も担当しています。大鼓の紐を左手に引っ掛け持たせてください。

⑤ 1番左側が太鼓。五人囃子のリーダー的存在で、両手に持った撥 (ばち) でたたき、四拍子のリズムを主導します。左右の手に撥 (ばち)を持たせ、太鼓台に載せた太鼓を人形の前に置いてください。

これで三段目の完成です!

四段目

次は四段目。真ん中の段です!
四段目に飾るのは、随身と御膳、菱餅をのせた菱台です。

① まず随身に小道具を持たせましょう。

背矢を背中の石帯 (せきたい)と呼ばれる黒い帯に挟み、右手に持ち矢を、左手に弓を持たせます。
左のウエスト部分に剣を挟み、“おいかけ”という毛のついた冠をかぶせて、冠の後に纓 (えい)をさしてください。
“おいかけ”は耳の前までスライドしてください。

② 次に随身用の台を、上段の五人囃子の1番右と1番左の下辺りに配置して、その上に小道具をつけた随身をお飾りします。

髭が生えていて、黒い着物 あるいは地味な色目の着物を着ている随身が左近衛中将(さこんのちゅうじょう)。
一般的には左大臣と言われています。その左大臣を向かって右に…
若々しいお顔で、赤い着物 あるいは派手な色目の着物を着ている随身が右近衛少将(うこんのしょうしょう)。
一般的には右大臣と言われています。その右大臣を向かって左に飾ります。
「んんっ?左右が逆?」と思いましたか? そうなのです、逆なのです。
この場合の右・左は、1番上の段に居る男雛女雛から見ての右・左なので、飾る時は左右が逆になります。
ちょっとややこしく感じる場合は、“女雛の下にお爺ちゃん” で覚えていただけたらOKです!

③ そして、随身の間に御膳と菱餅をのせた菱台を置いたら四段目の完成です。

五段目

次は五段目です。
五段目に飾るのは、仕丁と桜橘です。


① まず仕丁に小道具を持たせましょう。

仕丁の顔には、怒り顔、泣き顔、笑い顔の3種類があります。
これは人生の喜怒哀楽を表現していると言われています。

怒っている顔の仕丁には台笠を、
泣いている顔の仕丁には沓台(くつだい)を、
笑っている顔の仕丁には立傘を持たせてください。

この小道具は、関東と京都ではちょっと違います。
台笠・沓台・立傘は関東スタイル。 関西スタイルでは、台笠は熊手に、沓台は塵取りに、立傘はほうきに変わります。

② 次に仕丁用の台をバランスよく配置して、その上に小道具をつけた仕丁をお飾りします。
怒り顔の仕丁は向かって左側、泣き顔の仕丁は真ん中、笑い顔の仕丁を向かって右側に飾ります。

③ そして、怒り顔の仕丁の左側に橘を、笑い顔の仕丁の右側に桜を飾ったら五段目の完成です。

一段目から五段目で、十五人のお人形を飾り終えました。
残りの二段はお雛様のお道具類や乗り物を飾ります。

六段目

六段目にはお雛様のお道具類を飾ります。

このお道具類は、お嫁入りの際に嫁ぎ先へ持って行った“嫁入り道具”がモデルとなっていて、お雛道具の場合も嫁入り道具と呼ばれます。

向かって左から順番に、箪笥(たんす)、長持(ながもち)、鏡台、針箱、火鉢、衣裳袋、茶道具と飾ってください。

七段目

七段目には身分の高い方の乗り物であったお駕籠(おかご)と牛車(ぎっしゃ) 、そして重箱を飾ります。   

お駕籠は、人の座った“かご”の上部に取り付けられた棒を前後から担ぎ、人力で運ぶ乗り物です。向かって左側に飾ってください。

牛車は車輪ついた乗り物を牛が引きます。
牛ではなく、人間が引く“御所車(ごしょぐるま)”の場合もあります。
向かって右側に飾ってください。

そして中央に重箱を飾ったら…… 段飾りの飾り付け、終了です!

雛人形を飾る際の注意点とポイント

『説明も読んだし、飾り方も頭に入ったし、大丈夫!さぁ 飾ろう!』…… の前に重要ポイントです!
それは、『箱に入った状態で写真を撮っておく事』です。

お雛様もお道具も繊細で傷つきやすいため、それぞれきちんと梱包されています。
お片付けする際はその状態にできるだけ近づけていただくと、いつまでも綺麗な状態を保つ事ができます。

飾る時、嬉しさのあまりに一気に箱から出してしまうという事がありがちなのですが…
これではお片付けの際、“どこに・何が・どんな状態で入っていたか” が分からず困ってしまいます。
そうならないように、あらかじめ写真を撮っておく事をおすすめします。

また、お雛様のお顔は特に繊細なので、直接触らないよう気をつけてあげてください。
手の脂や汚れがお顔につかないように白い手袋などをはめて作業すると安心です。

皆さんが笑顔で楽しくお雛様を末長くお飾りいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

雛人形の後片付けと保管方法

楽しい雛祭りをお迎えになった後は、さぁ お片付けです!
急いだり焦ったりすると傷つけやすいので、充分に時間をとって、ゆっくり落ち着いて片付けましょう!
湿り気のある雨の日や雪の日は避けて、お天気の良い日に行いましょう。

まず、傷つきやすいお雛様からお片付けする事をおすすめします。
はたきなどで埃を落とし、お顔が傷つかないようしっかりカバーをして箱に入れてあげてください。
蓋を閉める前にティッシュペーパーなどで包んだ防虫剤を上に入れてあげると安心です。
その際は、金具に防虫剤が触れないよう気をつけてください。

お雛様の後は道具類を片付けましょう。

赤ちゃんや小さなお子さんの育児中や家事・仕事でまとまった時間が取れない場合は、数回に分けて片付けるのも1つの方法です。
また、誰か1人に負担がかかりすぎると『お雛様飾るの、やだ〜。』となってしまい、楽しいはずの思い出が辛い思い出になってしまいます。
それはとても残念なので、予定や体調などを考慮して、ご家族みんなで協力してお片付けをお願いいたします。

片付け終わった箱は、押入れの上段や箪笥・クローゼットの上などの高い所に置いて保管してください。
これは高い所ほど湿気が少ないと言われているためです。箱同士をくっつけず、ちょっと隙間を空けて置くと空気の通り道ができるのでベストです。

まとめ

ここまでお読みいただきましてありがとうございました!
七段飾りは飾る物が多くて大変ですが、説明を読んで、イメージして、それから実際に飾っていただくと どんどん覚えられると思います。
また、親王飾り・収納箱飾り・五人飾りなど、スタイルが変わってもお人形や道具類の位置は基本的に同じなので応用できます。

お気に入りのお雛様やお道具を1つ1つを手に取って、ゆっくりと楽しみながら、お飾りください!



に投稿

雛人形は誰が買う? 購入のルールと家族間の役割分担


『 雛人形は誰が買うのですか?』という質問を大変多くいただきます。

私はこの言葉を耳にすると、昔の風習がだいぶ薄れてきているのだなぁ と感じます。

雛祭りは女の子の誕生と健やかな成長を祈り、お雛様を飾ってお祝いする大事な日です。

その大事な日を皆様がつつがなく迎えられるよう、この質問についてご説明いたします!

雛人形は誰が買う?伝統的な考え方と現代の傾向

お雛様には1000年以上の歴史があり、お子様の健やかな成長を祈る “お守り的な意味” が込められています。
また、お雛様は世界にも類を見ない日本独自の伝統文化です。
そのため、購入に関しても脈々と受け継がれてきた伝統的な考え方が存在します。

その伝統的な考え方とは 『嫁いだ女性の実家が購入する』 というものです。
この点はちょっと深掘りしてご説明しますね。

これは 『結婚相手の男性の実家で、男性の両親と一緒に暮らす』 という昔の生活スタイルが前提になっています。

もともと雛人形などの節句人形は嫁入り道具の1つとされていたため、女性の実家は娘が嫁ぎ先で苦労しないよう雛飾りを用意したと言われています。

また、嫁がせてしまうと頻繁には会うことができないので、娘や孫に会いに行くためにお雛様を贈ったとも言われています。

スマートフォンの画面越しではあるけれど、いつでも会える現代からみると、ちょっと考え難い点もありますね。

現代では、夫婦双方の実家で費用を分担したり、夫婦だけで購入するという傾向が見られます。

“新しい家族の誕生をお祝いしたい” という気持ちは皆同じと思いますが、なにぶんお金のかかることなので、また、“お雛様に対する考え方” には地域による差もあるので、なかなか簡単には決められないものです。
まずママとパパで相談し、それから(ちょっと話し難いかもしれませんが)双方のご両親に2人の気持ちをお話しして、意見を伺うことをお薦めします。

地域ごとの雛人形の購入ルール

雛人形の購入ルールは愛知や岐阜を境に、若干ではありますが地域による差があります。

北海道・東北・関東・中部では、
お子さんが女の子の場合はママの実家、お子さんが男の子の場合はパパの実家で購入するというのが一般的です。
これらの地域には、男の子が家を継ぐ武家文化が根強く残っているからだと言われています。

関西・中国・四国・九州では、昔の風習通りにママの実家で購入するというのが一般的です。

雛人形は親と祖父母のどちらが購入する?

今までは殆どの場合、ママの実家が購入してプレゼントしていたお雛様ですが、現代ではその風習も徐々に薄れてきて、新しい購入スタイルに変化してきています。
どんなふうに変化したか、ちょっとみてゆきましょう!

おじいちゃん・おばあちゃんが購入して孫にプレゼントするスタイルが大半なのですが、今までは購入者が “ママのご両親” だったところが、最近では“パパのご両親” がお買い求めになるケースがとても多くなってきています。

これは、『女性の実家はお金がかかる』と言われた時代が大きく変わり、双方のご両親が助け合い、新しい家族を見守っているのだな…と実感する出来事です。

また、ご両親には頼らず、ママとパパのお金で購入するケースも増えてきています。

このように、“◯◯が購入しなければならない” というルールはありません。

※ おじいちゃん・おばあちゃんのご好意にママとパパが全面的に甘えるのも良し。
※ おじいちゃん・おばあちゃんのご予算にママとパパの予算を足すのも良し。
※ ママとパパ両家のおじいちゃん・おばあちゃんで半分半分出し合うのも良し。
※ ママとパパで新しく築いた家庭のお祝い事として実家に頼らず購入するのも良し。  

など、いろいろな購入スタイルが考えられます。
お雛様は買い換えることのない、一生に一度のお買い物です。
じっくり考えて、お気に入りのお雛様に出会って、素敵な思い出を作ってください!

雛人形を贈るタイミングと選び方のポイント

“誰が購入するか” を決める際に、一緒に考えた方が良い事があります。
それは『雛人形を贈るタイミングと選び方』です。

時間があるように感じますが、決める事がたくさんあって予想外に時間がかかってしまうものです。

また、普段見慣れないものを見続けると頭がゴチャゴチャになってしまい、『 娘のためにお雛様を飾りたい!』という意欲が下がり気味になってしまいます。

そうならないために、10月頃からゆっくり、楽しみながら、時間をかけて、
カタログやウェブサイトなどを検索してお気に入りのお雛様を探してください。
次に、実際に見られるならば年内に下見をして、お気に入りポイントを確認しましょう。
そして、『このお雛様が好き!』と感じたら、品切れになる前にご購入するのをお薦めします。

お雛様のお届けは一般的に、“ 節分過ぎの大安や友引など” とされていますが、絶対事項ではありません。 
お正月にご家族が皆集まるご家庭であれば、お正月から飾っても、年末から飾っても、全く問題はありません。

どんなタイミングでお届けするか自由なので、ご夫婦・ご家族で相談してベストなタイミングをお選びください!

雛人形の購入にかかる費用と準備

雛人形の購入費用も気になりますね。
購入費用をとても大きなくくりで言ってしまうと… 5,6万円から30万円 となっています。
『えっ?』と思うような値段差がありますね。
この値段差は、雛人形やお道具類の大きさや素材、飾り方などの違いによるものです。

例えば…
男雛と女雛2体の親王飾りの場合、手のひらサイズの小さなお雛様セットだと5、6万円なのですが、
帯から作ったお雛様で、お道具類にもこだわったセットだと30万円くらいになってしまいます。

お雛様とお道具類の素材や制作工程の違いは、カタログの写真やサイトの画像を見てもなかなか実感できないかもしれません。
その場合には、お店に行って実物を見ながら違いを説明してもらったり、電話やメールで質問してみてください。

雛人形の購入で家族で話し合うべきこと

『 雛人形を購入しよう!』と話が進んだら、

※ 雛人形の大きさはどれくらいが良いか
※ 飾り方はどんなスタイルが良いか
※ 飾る場所はどこが良いか
※ 予算はどれくらいにするか

を、ぜひご家族で相談してください。

お雛様は普段見慣れないものなので、大きさの感覚が掴み難いです。
お店に出かけ店内で見た時は小さく感じたのに、家に届いたら想像以上に大きかったという事も多々あります。

また、たくさん見過ぎて自分の希望が置いてけぼりになってしまい、その結果、あまり好みでない雛人形を選んでしまうと言う事もあります。

できれば、第一候補、第二候補、第三候補 を決めておくと心にゆとりが生まれ、落ち着いてお雛様選びを進められるのでお薦めです。

まとめ

ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
昔々は女性の両親が購入して贈るのが一般的だった風習も、だんだんと遠いものになってきました。
古い風習にとらわれ過ぎず、気持ち良くお雛様選びをしていただけると嬉しく思います。

思いもしなかった病気や天災が起こる現代。
そのなかで生まれてくれた新しい命がお雛様に守っていただけます事を、
ご家族皆さんで素敵な雛祭りをお迎えいただけます事を、心よりお祈りいたします!

に投稿

雛人形の処分方法まとめ -正しい捨て方と供養方法

お嬢さんのために選んだお雛様。

慣れないながらも頑張って飾って
家族みんなで楽しくお祝いして
また頑張って片付けて…

と、素敵な思い出が1年1年増えていき、
やがてお嬢さんも大人になって
寂しいけれどお雛様とお別れしなければならない時がやって来ます。

でも、簡単には捨て難いお雛様。
ではどうやってお雛様とお別れするかを
一緒に考えてみましょう!

雛人形の処分が必要な理由とは?

よくお客様に、『自分のお雛様を娘に譲っても大丈夫ですか?』というご相談をいただきます。

ご両親に買っていただいた自分のお雛様があるけれど 最近は飾っていないので、
“あのお雛様を娘のお雛様にするのはどうかな?” という気持ちはとてもよく分かるのですが、
お雛様は本来、生まれてきた大切な子供が健やかに成長するよう祈って飾る、また、
降りかかる厄を身代わりとなって引き受けてくれる、御守りのようなお人形なのです。

子供だったお母さんも今ではもう大人になり、新しい家庭を築き、そして自分のお子さんを授かりました。
この時点で、お母さんのお雛様は “お母さんをお守りする” という大きなお役目が終わっているのです。

勿体ないと思う気持ちは大切ですが、お母さんのお雛様は、お母さんの厄を引き受けてくれたお人形なので、
そのお人形を娘さんに譲るというのはあまりふさわしくないのです。

そしてもう1つ。 これは私がいつも思っている個人的な考えですが、
小さい時に『これは〇〇ちゃんのお雛様だよ!』のような言葉を、お父さんやお母さん、
お爺ちゃんやお婆ちゃん、親戚の方などから言われた記憶がありませんか?
その時、嬉しいような、ちょっと誇らしいような、そんな感じがしませんでしたか?

私は次女です。5つ年上の姉がいて、姉は綺麗なお雛様を2セット、母は立派な7段飾りを持っていました。
でも私のお雛様は、母や姉のお雛様とは比べ物にならない程すごく地味なお雛様で、
私はそれがとてもイヤで、毎年お雛様を見るたびに哀しく、母や姉のお雛様を羨ましく思っていました。


お母さんのお雛様を貰ったお子さんは、大きくなったら『これはママのお雛様だったんだよね。』と
思うかもしれません。その時、彼女の心は私と同じかな? と考えてしまうのです。

経験から生じる希望なのですが…
小さくても良いから、できれば『私のお雛様』と思えるお雛様を贈ってあげてほしいと、心から思います。

雛人形の処分方法の選び方

私はお雛様は全く可愛くなく、本当にイヤでイヤで仕方ありませんでした。
(その過去があるので、他の女の子には私と違う素敵な思い出をもってほしいと願いお雛様を作っています😁 )

それでも大人になっていく過程で、可愛くないと思っていた心が変化してゆき、愛着が湧き、今でも手放さず保管しています。

でもいつか私も、そのお雛様を処分しなければならない時はやってきます。
どうやって処分する?
自分に聞いてみると、ちょっと複雑な気持ちです。
では1つづつ考えてゆきましょう!

自宅でできる雛人形の処分方法

“ 気になる・気にならない ” はちょっと別にして、“ できる・できない ” だけを考えた場合には、
お雛様であっても、普通のゴミ同様に自宅で処分することはできます。

『お雛様といっても人形は人形 』と割り切って考える事ができて、後悔せず、抵抗がなければ、
自宅で自治体が回収してくれるゴミの日に出してしまっても 問題は全くありません。
ただ、最近はゴミ回収のルールが大変細かくなっているので、
お住まいの自治体のルールに従って、不燃物や可燃物などに分ける必要が出てきます。
あるいは粗大ゴミ扱いとなる場合もあります。

お雛様は、お子様に降りかかる厄を引き受けてくれる御守りのような存在ではありますが、
無事に大きくなったらお役目は終わります。“ 供養しないとバチが当たる ” という事はありません。

欲を言うならば…
捨てる前に箱から出してあげて、埃を払ってあげて、お顔を見てあげて、
『ありがとうね』 と言っていただけたらば、お雛様も私達のような職人も嬉しく思います。

でも、『ゴミの日に捨てるのはちょっと抵抗がある… 』という方が多い事は事実です。
そんな場合は次の項目を参考になさってください。

雛人形を供養してから処分する方法

御守りのような存在であるからこそ処分に困るもの。
自宅での処分にちょっと抵抗感がある方はぜひこちらを参考にしてください。


神社やお寺など、お雛様を供養してくださる所に依頼する方法


神主さんやお坊さんが祈祷や読経でお雛様を供養し、その後処分してくださいます。
有料となってしまいますがきちんと供養していただけるので、『捨てるんだなぁ。』という心の負担は軽減されると思います。
料金は神社やお寺によって違いますが、相場は3,000〜10,000円ほどです。

引き受けていただける神社やお寺は全国にいろいろありますが、最近は環境問題などもあるので、まずインターネットなどでお調べいただき、引き受けていただけるかどうか実際に問い合わせをして確認していただけると安心です。


『明治神宮人形感謝祭』に持って行き、供養していただく方法

『明治神宮人形感謝祭』は人形に感謝する会が主催し、1989年から毎年秋に行われる恒例行事です。
処分したい人形等の受付は、当日の持ち込みに限られています。
9時30分から受付が始まり、ひとかかえ3,000円の初穂料で引き取っていただけます。
ひとかかえの目安は、45リットルのポリ袋に入る程度とされています。

引き取られたお人形は奉鎮台に並べられ、神主さんがお祓いをして魂を抜いてくださいます。また、
本殿にてご祈祷が行われ、浦安の舞が奉奏されます。

ずらっと並んだお人形やぬいぐるみの数々。その光景を見ると、
時代と共にいろいろな事がどんどん変化しても『人形には魂がある』と思い大切にしてきた風習が
今も私達の心に生き続けている事をしみじみと感じます。

お雛様の処分方法の見学ではないけれど、
ご家族やお友達と一緒に秋のお散歩がてら、ちょっと明治神宮へ足をのばしてみるのはいかがですか?

詳しくは明治神宮人形感謝祭のウェブサイトをご確認ください!
HP : https://ningyou-kanshasai.com/

専門業者に依頼する雛人形の処分方法

一般社団法人 日本人形協会 が行なっている『人形感謝(供養)代行サービス』を利用する方法

日本人形協会とは、私達のような人形関係の業者が加入している協会です。
その日本人形協会が日本郵政と提携し、
ご家庭にある要らなくなってしまった人形等を通年で引き取ってくれる代行サービスです。

引き取られた人形類は『明治神宮人形感謝祭』開催まで一時保存され、
開催日に合わせて明治神宮へ送られて、きちんと供養していただきます。

明治神宮まで行かれない場合や、高齢の方にはとても魅力なサービスですね。
料金は、段ボールの3辺の合計が170cm以下で、重さが30kg以内 の1箱の場合だと
5000円+ゆうパック料 となります。


詳しくは日本人形協会のウェブサイトをご確認ください!
HP:https://www.ningyo-kyokai.or.jp/kuyou/ 



回収業者さんに依頼する

先日、不要になったガラス付きの戸棚を処分したいと思いインターネットで検索したところ、
見切れないほどの回収業者さんのウェブサイトがありビックリしました。 
その中からいくつか選んで、見てみたところ、“ お雛様も回収します。” と書いてありました。
( 『私、雛人形作ってます!』とPCに向かって呟き、笑いました😁 )

自宅まで来てくれるので運び出す手間が要らない、便利な回収業者さんに依頼するのも1つの方法ですね! ただ…
本当にたくさんの回収業者さんのサイトがあるので、どこが良いか選び難い事や、
ちょっと怪しい業者が増えているような気配もあるので、業者選びには細心の注意を払っていただきますようお願いいたします。

雛人形のリサイクルや寄付について

リサイクルショップやフリーマーケット、フリーマーケットアプリなどでお雛様が売られているのを目にする事があります。
『捨てるなら売っても良いかな?』と考えられたのだと思いますが、お雛様の本来の意味から考えると、
“売ってお金にするのはちょっと違うかなぁ…” と言う感じがするのは否めません。

売るのではなくて、幼稚園や保育園、老人ホーム、公民館など、
お雛様を飾って喜んでくれる方がいる場所に寄付するという考えもあります。
ただ、同じ事を思う方がいらっしゃるため、『もうお雛様持ってます。』という所もありますので、
まず、責任者の方にお尋ねして、引き受けていただけるかどうかの判断をお願いしてください。

雛人形処分時の注意点とマナー

自宅で処分する方法以外を選択した場合ですが、引き受けてもらえるのは人形本体のみです。
お雛様を飾った台やお道具類、ガラスケースなどはご自分で処分しなければなりません。
その際はお住まいの自治体のゴミ回収のルール上、どのように分別するかを確認して、
不燃物や可燃物などに分けて処分してください。 大きさや素材によっては粗大ゴミ扱いとなる場合もあります。

使用されている素材等が分からず、どのように分別したら良いかが分からない場合は、
同地域内にある雛人形取扱店に相談してみるのも方法だと思います。

まとめ

お雛様には“いつまで飾らなければならない” というルールはありません。
1000年以上の歴史があるお雛様は、日本の女性にとっては意味のある大事なお人形です。
歳をとって、おばあちゃんになっても、自分のお雛様を飾れたらば… それはとても素敵で幸せな事だと思います。
それと同様に、“いつ、どのように処分するか?” という決まりもありません。
自分の心と話し合って、後悔しない処分方法を見つけていただく参考になったらば嬉しく思います。


に投稿

雛人形の選び方!失敗しない為に初心者が知っておくべきポイント

女の子の誕生を記念してご購入されるお雛様。
お洋服や日用品と違って、買い替える事のないお買い物です。
そう思うとちょっと緊張しますね。
でも大丈夫、安心してください!
ここでは雛人形を選ぶ時に参考にしていただけるような、
知っておいた方が良いポイントをご紹介いたします!




失敗しない雛人形の選び方

自分にピッタリなお雛様を選ぶためにはいくつかのポイントがあります。
それを1つづつ説明していきますね!

お人形のお顔と衣裳

まず1番初めのポイントは『お雛様のお顔』です。
お顔は、頭師(かしらし) と 結髪師(けっぱつし) という職人さんによって作られます。

頭師さんはまず頭の型に石膏を流し込み、頭の土台を作ります。
その土台に数回胡粉の上塗りをほどこし、艶やかな顔の下地を作ります。
次の工程からが繊細な作業のお顔作りです 。

まずガラスの目が入っている部分に小刀を入れ、お雛様の目を切り出します。
目の開いたお顔にアイシャドーを入れ、細かな線で1本1本丁寧に髪の毛の生え際・眉毛・まつ毛を描き、微笑んだ唇に口紅をさします。
ここまでが頭師さんの仕事で、次は結髪師さんの出番です。
結髪師さんが 筋彫り(すじぼり)という溝に髪の毛の束を入れ、ブラシを巧みに使い美しく結い上げます。
そして 元結(もっとい)や 釵子(さいし)などの飾りをつけて1つの頭の出来上がります。

頭師さんと結髪師さんが違うと、生み出されるお顔は全く違います。お店によってお雛様のお顔が違うのはこのためです。
お顔には赤ちゃんのようにふっくらして愛らしいお顔や、子供らしい可愛いさいっぱいのお顔、細面で大人っぽい雰囲気のお顔や、お雛様の歴史を物語る京都のお雛様のお顔など、さまざまな種類があります。


『どのお顔が好きですか?』
  
これが最初のポイントです! たくさんのお雛様を見て、お好みのお顔を見つけてください。

好きなお顔が決まったら次は『お雛様の衣裳』 です。
私達が洋服によって印象が変わるのと同じように、お雛様のお顔も、着物の色で印象が違います。
白やパステルカラーのお雛様は、明るく若々しい感じで、華やかさがある現代的お雛様の印象。
濃い色のお雛様は、凛々しくすっきりとした感じで、重厚感がある伝統的お雛様の印象。
下の写真の男雛は、同じ大きさ・同じお顔なのですが、だいぶ雰囲気が違います。


『どの衣裳が好きですか?』    
気に入ったお顔に映える、素敵な着物を見つけてください。

お人形の大きさと飾り方

2番目のポイントは『お雛様の大きさと飾り方』です。 下の写真を見ていただけますか? 
2枚の写真とも、左側は小三五、中央は芥子、右側は柳 と呼ばれるサイズの女雛です。
それぞれのサイズの横幅は、小三五親王= 約26cm 芥子親王= 約21cm 柳親王= 約16cm になります。

お雛様が大きいと豪華で華やか、重厚感もあります。けれど、セットで飾る場所は横幅50、60cm以上が必要になります。
お雛様が小さいと可愛さいっぱいで、セットで飾る場所も省スペースですみます。けれど、豪華さの点では大きなお雛様にはかないません。

小三五よりも大きいサイズや、芥子と柳の中間サイズ など、サイズはもっといろいろあります。

『どの大きさを飾ってみたいですか?』   

お人形の大きさと合わせて『飾り方』も見てみましょう。 例として、ちょっと大きめの小三五サイズが気になったとします。
2枚の写真はともに小三五サイズのお雛様ですが、左側の収納箱スタイルの飾り幅は55cmで、右側の親王飾りスタイルの飾り幅は60cmです。5cmの違いですが、見た時に受ける印象はとても違います。 
また、収納箱スタイルの場合は直接床の上に飾ることができ、親王飾りスタイルの場合はチェストや机などの上に飾ります。

『どんなスタイルで飾ってみたいですか?』

お人形の大きさと飾り方は他にもいろいろあるので、たくさん見てお好みのスタイルを見つけてください。

どんな雰囲気を求めるか


次のポイントは『どんな雰囲気を飾ってみたいですか?』 です。
下の写真の左側のような、伝統的な色彩のクラッシックスタイルを飾ってみたいですか? 
それとも中央と右側のような、おしゃれで可愛いモダンスタイルを飾ってみたいですか?

「インテリアに合う明るいセットがいいなぁ。」や「娘のお雛様だから可愛い方がいいな。」や「私のイメージは伝統的な感じ。」といった飾ってみたい希望の雰囲気が心の中に存在すると思います。雰囲気の違ういくつかの候補を選んで、比較してみるとお雛様選びがスムーズに進むと思います。
この他にもいろいろな雰囲気がありますので、希望の雰囲気のお雛様を見つけてください。

予算

それから予算を決めましょう。 
「予算が1番じゃない?」と思われるかも知れませんが、お好みのお顔や衣裳、希望の大きさや飾り方、雰囲気などが絞られると、希望がはっきりしてくるので選びやすくなります。そして、選んだ候補の比較もしやすくなるので、予算決定がスムーズに進められます。
また、実際に見てみると印象が違ったりする場合もあるので、予算にも第1候補、第2候補… とあると良いと思います。

第一印象

第一印象は大切にしてください。

1番欲しいセットは第一印象が良かったセットの可能性が大きいです。
それがとても大きなセットだった場合でも、そこには心をひきつけられる特別な魅力が存在するのです。


いろいろなお雛様を見すぎたために 何だか頭がごちゃごちゃになってしまった時は、第一印象の良かったお雛様に戻ってみる事をおすすめします。
そうすると、心をひかれるポイントが再確認できて、その後のお雛様選びがスムーズになると思います。

雛人形を選ぶ前に確認しておくべきこと

お雛様選ぶ前に、知っておいた方が無難な事がいくつかあります。

家族の希望

まず第1がご家族の希望です。 これは私の経験からくる想像ですが、

旦那様のご実家が男の子ばかりのご家庭だった場合、
お祝いするお子様は待望の女の子。旦那様のご両親は “素敵なお雛様を飾ってあげたい!” という気持ちが強いかも知れません。

お嫁さんに行かれた場所がお祝い事に熱心な地域だった場合、
お嫁さんのご実家のご両親は “娘と孫のためにいいお雛様を贈ってあげたいな〜!” という気持ちが強いかも知れません。

伝統的な風習だからこそ、人それぞれに想いの温度は違うものです。
私は過去に、雛人形の売り場でお雛様を選んでいる最中に、ご家族がちょっと険悪なムードになってしまったケースに数回遭遇しました。
でもそれは、『素敵な思い出を作りたい。』 というご家族の純粋な気持ちが噛み合わなかっただけなのです。

1番尊重するのは『お祝いをしてもらうお嬢様の居るご家庭の意見』、大事なのはママ、そしてパパです。
ママはどんなお祝いを望んでいるのか、パパはどんなお祝いを望んでいるのか、お互いの希望聞いて、意見を尊重し合い、いくつかのプランを考えてください。

そのプランを決める過程で “参考程度” に、ご実家の意見を伺ってみてください。
絶対にご実家の意見に従わなければならない訳ではありません。 
けれど、お孫さんを想うご両親の気持ちに触れることは、良い結果に結びつくと私は思っています。

飾るスペース

プランを練る中に、『飾る場所はどこにする?』もぜひ入れてください。
2〜3の候補があるとお雛様を選びやすくなります。
基本的には、お雛様との時間を共有できるよう、ご家族がいつも集まる場所にお飾りいただくのが1番です。
お嬢様の成長に合わせて飾る場所を変えていくのも良い思い出になると思います。

収納スペース

ご家族とお雛様の楽しい時間が過ぎた後は…お片付けです。
箱にしまってから『どこに置く?』となっては、楽しい思い出が大変な思い出になってしまいます。
飾るスペース同様に、お雛様一式をしまって置く場所も事前に話し合っておくことをおすすめします。

予算別のおすすめ雛人形

それでは、工房凧の予算別のおすすめ雛人形をご紹介いたします!

5万円台のおすすめ 

桜がテーマの可愛くて超コンパクトなお雛様です。
お雛様の大きさは “手のひらサイズ” の柳親王。
飾り台の横幅は35cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は京都西陣金襴から、満開の桜を織り込んだ薄紫とピンクを選びました。

6万円台のおすすめ 

赤がメインカラーのクラッシックなスタイルのお雛様です。
お雛様の大きさは柳親王より一回り大きい 小芥子親王。
飾り台の横幅は48cmとコンパクトです。
赤は生命を象徴し、悪い物を寄せつけず幸運を呼び込む『魔除けの色』と言われています。
お雛様の着物は京都西陣金襴から、王道の紺と赤を選びました。

7万円台のおすすめ

ホワイトベースのおしゃれで超コンパクトなお雛様です。
お雛様の大きさは柳親王より一回り大きい 小芥子親王。
飾り台の横幅は38cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は桜柄の京都西陣金襴から、格式の高い紫と清楚な白を選びました。

8万円台のおすすめ


①スタイリッシュでおしゃれな超コンパクトなお雛様と、
②日本独特の美意識“侘び寂び”がテーマの大人っぽいお雛様です。

①スタイリッシュでおしゃれな超コンパクトなお雛様はこちら。
お雛様の大きさは “手のひらサイズ” の柳親王。
飾り台の横幅は32cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は京都西陣金襴から、四季の花を織り込んだ春らしい若草色とピンクを選びました。

②日本独特の美意識“侘び寂び”がテーマの大人っぽいお雛様はこちら。
お雛様の大きさは柳親王より一回り大きい小芥子親王。
飾り台の横幅は48cmとコンパクトです。
屏風は、梅・桜・菊を深みある色彩描いた友禅裂地をもちいたモダンな2曲スタイル。
お雛様の着物は吉祥を表す華紋を織り込んだ、無地感覚のおしゃれな京都西陣金襴を選びました。

9万円台のおすすめ

①おしゃれなグレーがベースのスタイリッシュで超コンパクトなお雛様と、
②どのお部屋にも合うほっこりあたたかな雰囲気の可愛らしいお雛様です。

①おしゃれなグレーがベースのスタイリッシュで超コンパクトなお雛様はこちら。
お雛様の大きさは “手のひらサイズ” の柳親王。
熟練の職人技が実感できる、引き出し式の収納箱の横幅は38cmと超コンパクトです。
お雛様の着物は大きめの桜柄を織り込んだ、白とピンクの京都西陣金襴を選びました。

②どのお部屋にも合うほっこりあたたかな雰囲気の可愛らしいお雛様はこちら。
お雛様の大きさは小さ過ぎず、大き過ぎず、ハイクオリティな上芥子親王。
飾り台の横幅は48cmとコンパクトです。
お雛様の着物は雪輪と桜を織り込んだ、白とサーモンピンクの “段織り” という京都西陣金襴を選びました。

10万円以上のおすすめ


①春色ぼかしがお部屋を明るくしてくれる可愛いお雛様と、
②自然素材をもちいたモダンで存在感ある大人っぽいお雛様です。

①春色ぼかしがお部屋を明るくしてくれる可愛いお雛様はこちら。
お雛様の大きさは両手の大きさくらいの、飾り映えする、ハイクオリティな小三五親王。
つややかなピンクぼかしの収納箱の横幅は55cmと手頃なサイズです。
お雛様の着物は、雪輪と桜を織り込んだ “段織り” という京都西陣金襴を選びました。

②自然素材をもちいたモダンで存在感ある大人っぽいお雛様はこちら。
お雛様の大きさは小さ過ぎず、大き過ぎず、ハイクオリティな上芥子親王。
飾り台の横幅は50cmと手頃なサイズです。
お雛様の着物は吉祥華紋を織り込んだ、おしゃれな配色の京都西陣金襴を選びました。


雛人形の手入れ方法と保管のポイント

お雛様のお手入れ方法と保管には、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、お雛様のお手入れ方法です。

お雛様とお道具類は、①湿気と乾燥、②直射日光、③手の汚れと脂 がとても苦手です。

① 湿気は、シミやカビの原因となります。
  乾燥は、お雛様のお顔や道具類のひび割れや反りの原因となります。

お雛様をお飾りする季節は冬なので、加湿器やエアコン、ヒーター等をご使用になると思います。
その際、加湿器の吹き出し口から出る蒸気や、エアコンやヒーターの暖かい風が直接お雛様に当たらないように気をつけてください。

② 直射日光は、お雛様のお顔やお道具類の色褪せや材質の劣化の原因となります。

窓の近くにお飾りすると直射日光が当たったり、結露した際は湿気のもとになりますので、窓から離れた所にお飾りください。

③ 手の汚れと脂は、特にお雛様のお顔に大問題です。手に付いた汚れと脂はシミの原因となります。

お雛様のお顔に触れる際は、白い手袋をご使用になる事をおすすめします。
また、お子様がお雛様に触れたいと言った際は、『お顔は触らないでね。』 と教えてあげてください。

次は保管のポイントです。

お雛様をお片付けする日は、カビやシミのもととなる雨や雪の日を避けて、お天気の良い日にお願いいたします。 
箱にしまう前に、はたき等で埃を落としてあげてください。
うっかりお雛様のお顔を触ってしまう事もあるので、白手袋をはめておく事をおすすめします。

お雛様を箱にしまって蓋をする前に、防虫剤を上に入れてあげてください。
防虫剤は人形専用の防虫剤をお選びいただき、直接お雛様に防虫剤が当たらないようティッシュなどで軽く包んでください。

お雛様の保管場所は、高い所の方が湿気が少ないと言われていることから、クローゼットの上や押し入れの上段など、高い所が適しています。
空気の通り道があると更に湿気防止となるので、ちょっと隙間を開けておくとベストです。

お雛様選びもとても大変なのに、更にいろいろあって恐縮ですが…
お雛様のために、どうぞよろしくお願いいたします!

まとめ

30年以上雛人形に関わっているのでお伝えしたい事がたくさんあり、いろいろな事を書いて長くなってしまいました。
ここまで読んでくださいましてありがとうございました。

お雛様を選ぶ時は、『大きくなければいけない』とか、『安いのはダメ』 などと言った制約は一切ありません。
『飾ってみたい!』や、『飾ってあげたい!』と言う気持ちが1番大事です。
真剣になればなるほど、つい楽しい気持ちを忘れがちです。
どうぞリラックスして、笑顔で、お雛様選びを進めてください!

皆様がお気に入りのお雛様に出会って、素敵なお雛祭りをお祝いできますよう、心から応援しています!

に投稿

雛人形はいつからいつまで飾る?最適な期間と飾り方のポイント!

カタログを見たり、ネットで調べたり、お店に出かけたり…
と、いろいろな方法でお雛様選びを進めながら、
次はいつ頃お雛様をお飾りしたら良いかをちょっと見てみましょう!



雛人形を飾る最適な期間とは?

お雛様が誕生した1000年ほど前の日本は、
お月様の満ち欠けと太陽の動きから考えられた暦を使っていました。
現在使っている暦よりも古い事から『旧暦』と呼ばれています。


旧暦には季節を表すための『二十四節気(にじゅうしせっき)』という考えがあります。
それは1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、
さらに春夏秋冬それぞれを6つに分け、全部で24の『節』にするものです。

左の円をちょっとご覧になっていただけますか?
1番昼間の時間が長い夏至や、1番昼間の時間が短い冬至、現在祭日になっている春分の日や秋分の日なども二十四節気の1つです。
旧暦を使わなくなってから150年ほどの時間が経ちますが、二十四節気は今でも私達の生活に受け継がれているのです。

古くからの風習を大事にする雛祭りは、二十四節気の初めの節である『2月初めの立春の頃』から『雨水の頃』に飾るのが良いと言われています。これは今のカレンダーだと2月4日から2月19日頃にあたります。その頃に飾り始め、3月3日ちょっと過ぎくらいまでの間お飾りするのが
だいたいの目安とされています。

雛人形を飾り始める日

立春の前日が節分。 豆撒きの日です。
『節を分ける』という文字通り、旧暦上で節分は大晦日のような日にあたり、過ごしてきた1年間の厄を落とし、そして新しい年に福を呼び込むため豆を撒きました。
そして迎える次の日が立春。新しい年の始まりです。

この風習が今も残っているので…
『お雛様はいつ頃飾ったら良いですか?』と雛人形屋さんに質問すると、
『立春頃の良い日がいいので2月4日過ぎの良い日がいいですよ。』
という答えが返ってきます。

良い日には、大安や友引といった縁起の良い日はもちろん入りますが、それ以外にも
太陽の出たお天気の良い日や、お飾りしていただく方のご都合や体調も含まれます。
( 飾ろうと決めた日が縁起の良い大安でも、雪が降ってて、その上風邪気味だったら、お飾りいただく方もお雛様もとても辛いので…。)


大安と友引ならば、
来年2025年2月4〜28日の間には、大安は4日間、友引は5日間あります。
この中で、第1候補日、第2候補日、第3候補日…を決めておいて、実際の日のお天気やご家族のご都合、体調に合わせてフレキシブルに対応するのがベストだと思います。

2月4日から2月19日頃に飾り始め… と書きましたが、これはあくまでも目安で、とらわれる必要は全くありません。また、
大安や友引といった縁起も守らなければならないものではないので、大安や友引に飾らなければならないという事も全くありません。
お雛様は新しい家族の大切なお祝いですから、ご家族のライフスタイルに合った良い日にお飾りしましょう!

雛人形を片付けるタイミング

『 お雛様を早く片付けないと結婚が遅くなる 』とよく言われますが…
大丈夫、安心してください。これは迷信です! 
こう言われた理由は、お雛様はお飾りよりもお片付けの方がとても時間がかかるため、
お片付けモードにならないと、ついつい延ばしがちになってしまうためです。
それを戒める言葉として『 お雛様を早く片付けないと結婚が遅くなる 』が生まれたようです。


でも、やっぱりお片付けは遅くなってしまいがちです。
そこで一応の一区切りは、『3月中旬までにお片付け』です。
またまた二十四節気の登場ですが、
3月後半に訪れる『春分』までにお片付けが終了しているといいですね!

地域や家庭による飾り期間の違い

「雛祭りはいつ?」 という質問にはほとんどの場合「3月3日」という
答えが返ってくると思います。
でも、地域によっては1ヶ月遅い4月3日にお祝いをする所もあります。
これは、かつて日本が旧暦で生活していたことの証で、
今もその風習が継承されているのです。
月遅れの雛祭りで代表的な地域は長野、埼玉、山梨、岡山があります。

雛祭りは『桃の節句』とも呼ばれます。
桃の開花は3月下旬から4月上旬なので、月遅れの雛祭りでは昔の人々が
見たであろう景色を体験しながら雛祭りをお祝いできるところがいいですね。

月遅れの雛祭りをお祝いする場合は、4月の上旬までお飾りします。

この月遅れの雛祭りを実際に経験されている方で、3月3日に雛祭りのお祝いをする所に引越しても今までのように
4月3日にお祝いをするご家庭もありますし、引越し先の風習に合わせて3月3日にお祝いをするご家庭もあります。このように、
ご両親とともに生活なさっていた時の風習を受け継ぐ事も素敵だし、ご夫婦の新しい家庭で新しい形を作って行く事も素敵だと思います。

雛人形を飾る際のポイントと注意点

お雛様の飾り方は、関東と関西では男雛と女雛の位置が違います。
関東の場合は、向かって左側に男雛を、向かって右側に女雛をお飾りします。
関西の場合は、向かって左側に女雛を、向かって右側に男雛をお飾りします。 
…と全く反対ですね。
この理由は、江戸時代までは、向かって右側が地位の上の人が座る場所とされていたためで、それが明治になり
欧米の文化が日本に入ってくると、向かって左側が地位の上の人の場所と変化して定着したためです。

この2つの飾り方のどちらが良く、どちらではだめ という事は全くありません。
関東にお住まいなら関東式、関西にお住まいなら関西式でお飾りいただいても良いし、
「京都に憧れてるから関西式でお飾りする!」というのも良いですね。

自由な気持ちで、楽しく飾っていただき、笑顔で過ごしていただくのが1番大事な事です!

お雛様をお飾りするときに気を付けていただきたい事があります。 それは、
① 湿気と乾燥  ② 直射日光  ③ シミ です。


① 湿気と乾燥
お雛様をお飾りする季節は冬。
空気が乾燥しているので加湿器で湿度を上げますが、お雛様とお道具類は湿気が1番苦手です。
湿気はシミやカビの原因となるので、加湿器から出る蒸気が直接お雛様やお道具類にかからない
ように気をつけましょう。結露している窓の近くにお飾りするのも避けた方が良いと思います。

また、
エアコンやヒーターなどでお部屋を暖めますが、その風を直接浴び続けると乾燥しすぎてしまいます。
乾燥はお顔やお道具類のひび割れや反りの原因となるので、直接風があたらない所を選んでお飾りください。



② 直射日光
直射日光は、お雛様のお着物やお道具類の色褪せや材質の劣化の原因となります。
日がさんさんと降り注ぐようなお部屋にお飾りになる場合は、窓から離れた所にお飾りください。
昼間は遮光カーテンを利用して日差しを遮るのも良いですね。

③ シミ
お雛様に触れる前は手を洗って、指の汚れや脂を落としてください。汚れや脂がお顔につくとシミの原因になります。
お雛様を箱から出したらお顔が少し横を向いていた時や、男雛に烏帽子を被せる時など、お雛様のお顔に触れる時は白手袋を使用してください。


たくさんあって申し訳ありませんが、綺麗な状態で末永くお飾りいただくためにどうぞよろしくお願いたします。

雛人形の保管方法と片付け方

お雛様をお飾りして、楽くお祝いして、素敵な時間を過ごした後は… お片付けです!
初めは時間がかかるかも知れませんが、大丈夫、できます! 頑張りましょう!


お飾りをする時ですが、お雛様やお道具類を箱から出す前に、何がどこに入っていたか が分かる写真を撮っておくと
お片付けの時に確認できるので、悩まずしまえて便利です。

お雛様は湿気が1番苦手なので、お片付けは雨や雪の降っていない晴れた日にお願いいたします。

箱にしまう前に、飾っているうちについた埃を毛ばたきなどで払ってあげてください。
この時、うっかり素手でお雛様のお顔に触れてしまわないよう、白手袋をはめておくことをお勧めします。
 
お雛様を箱にしまう時に人形用の防虫剤を入れましょう。
入れた方が良いか、入れなくても良いか、の2択だったらば、安心のために入れてください。
防虫剤の入れ方は、お雛様を箱にしまって蓋をする前、防虫剤が直接お雛様にあたらないようティッシュなどで包んで、上に入れてください。

お雛様の保管場所は、押入れの上段やクローゼットの上などの高い所に保管してください。
これは、湿気は家の中でも高い所ほど湿気が少ない と言われているためです。
湿気防止には空気の通り道がある方が良いので、できればちょっと隙間を空けて置くとベストです。

まとめ

いろいろ書いてきましたが、これは今までの通例です。
絶対にこうしなければならないということはありません。
「赤ちゃんが産まれて、嬉しくて、早くお雛様を購入したのに、2月まで待たなければならないの?」
という事もあると思います。そんな時は通例に縛られずに飾ってください!
年始年末でご家族が集まったり、遠方からお客様がいらっしゃる機会がある時にお披露目するのは、きっと素敵な思い出になると思います。

皆様がお雛様と一緒に素敵な思い出がたくさんできますよう、心からお祈りいたします!

に投稿

雛人形の値段相場と購入時のポイント徹底解説!

㊗️お雛祭り! ㊗️女の子!
生まれたばかりの赤ちゃんも、ちょっと大きくなったお嬢さんも、
みんなみんな おめでとうございます!

素敵なお雛様に出会えて、楽しいお雛祭りを迎えられますよう
雛人形のお値段を徹底解説いたしますね。


雛人形は相場はいくらぐらい?

雛人形と言っても最近では、陶器のお雛様やぬいぐるみのお雛様 といった雛人形もあります。
これらのお雛様のお値段は数千円からあります。

ここでは伝統工芸品と呼ばれる、お着物を着て、頭師(かしらし)の作ったお顔の<衣裳着雛人形>の相場を詳しくご説明します。

衣裳着雛人形の相場を一言でとてもざっくりと言うならば、セット価格で税込み価格5、6万円から30万円台。
すごく幅があって 『これで相場というのかな? 』 という感じがしてしまいます。
なので…
① セット価格 税込み価格 5〜8万円台
② セット価格 税込み価格 9〜15万円台 
③ セット価格 税込み価格 20〜30万円台  の3つに分けてみました。

① セット価格 税込み価格5〜8万円台は、
お雛様も飾り台も小さなサイズのセットや、カラーやデザインなどの可愛さを重視したセット、また 飾り物の部品数を少し減らして全体をシンプルにまとめたセットが多いです。

② セット価格 税込み価格9〜15万円台は、
飾りやすさと片付けやすさを兼ね備えた優れ物のコンパクトサイズで、伝統の技を取り入れた見栄え・飾り映えのするセットが多く、今の主流になっている傾向があります。

③ セット価格 税込み価格20〜30万円台は、
お雛様のお着物の素材や仕立て方、屏風・お道具などの製造方法やデザインに製作者のこだわりと職人の技をふんだんに取り入れた、豪華なセットが多いです。



上にしるした相場を参考にしつつ予算を考えてみてください

予算は、
①双方のご両親ともがご協力してくださる雰囲気か
②どちらかのご両親がご協力してくださる雰囲気か
③新しい家族のお祝いだからママとパパだけで購入しようと考えているか  
の3つによっても変わってきます。

昔は、家と家のつながりを重視し、親の意見はとても重要でした。
特にお節句品の雛人形は、ママのご両親が購入してプレゼントしてく
ださるものでしたが、現在では
両家で半分半分出し合うスタイルや、
パパのご両親が購入してくださるスタイル、
ママとパパだけで決めて購入するスタイルも増えてきています。

と言っても、古くから伝わる雛祭りですからどうしても地域差があります。
今でも雛祭りがお祝い事として重要視されている地域もあるので、ご両親の意見は最重要では無いけれど、参考程度にちょっと伺っておくのも良いと思います。
伺った上で、ママとパパのライフスタイルに合った雛人形をご夫婦で話し合って決めるのが良いと思います。


雛人形はタイプ別に値段が変わる


相場について考えてきました。 では次に、どんな雛人形のタイプがあるかを見ていきましょう。

① 男雛と女雛の2人をお飾りする 親王飾りタイプ


今はこちらの親王飾りタイプが主流となってきています。
その中でも、Aのような可愛らしい飾り幅35cmの小さなサイズから、Bのような見栄えの良い飾り幅48cmのコンパクトサイズ、
Cのような存在感ある飾り幅80cmの大きなサイズまで色々あります。
小さなサイズの雛人形も大きなサイズの雛人形も基本的な製作方法は変わりませんが、使用している生地のランクや、裾の短いタイプ、
長いタイプ、実際の着物と同様のタイプなど、仕立て方による違いがあります。
お片付けの際は各々の箱に入れて、クローゼットの上や押入れの空きスペースに分散してしまえますので、
「片付ける時にまとまった場所がないなぁ。」という方にピッタリだと思います。

お値段は
A / 柳親王飾りは税込み価格 87,670円  B / 芥子親王飾りは税込み価格 98,560円  C / 上三五親王飾りは税込み価格 308,000円 です。

② 片付ける時に1つにまとめられる 収納箱タイプ


こちらの収納箱タイプも人気があって、親王飾りタイプと1、2を争う主流となっています。
飾り台になっている木製の箱にお雛様もお道具も入ってしまうからお片付けが楽で、1つにまとまってしまうところがポイント。
来年になって「あれ? 雪洞が見当たらない…」という心配がありません。
こちらも親王飾りと同様に、雛人形は使用している生地や仕立て方など、ランクによる違いがあります。
人気のサイズは飾り幅55cmの収納箱。床に布を敷いてその上に飾ると豪華に飾れます。
女性でも持ち上がる重さなので、ローボードの上にお飾りすることもできます。


お値段は、
A / 収納箱柳親王飾りは税込み価格 88,880円 B / 収納箱上芥子親王飾りは税込み価格 120,560円 C / 収納箱上小三五親王飾りは税込み価格 148,400円 です。

③ 猫ちゃんがいる方も安心 アクリルケース入りタイプ



昔は写真の透明な部分がガラスで出来ていたために破損しやすく、配送はとても心配でした。
今はしっかりとしたアクリルを使用しているので遠方へのお届けもできるようになっています。
猫ちゃんがいるご家庭はお雛様が傷つく心配がないので安心してお飾りいただけます。
かつては安いというイメージがあったケース入りお雛様ですが、現在はそんなことはありません。
お雛様の仕立ては格段に良くなっていますし、ケース本体のデザイン性がとてもアップしました。

お値段は、
A / アクリルケース入り小芥子親王飾りは税込み価格 93,830円 B / アクリルケース入り芥子親王飾りは税込み価格 95,700円 

④ 美しいスタイルで人気急上昇 立雛タイプ


上記の3つとは全く違うスタイルの、立ち姿のお雛様です。
初めて目にした方もいらっしゃるかもしれませんが、関西方面では古くから親しまれているお雛様で、雛人形の1番初めの形と言われています。
お雛様のお着物の仕立てや織り込まれた模様、女雛を彩る重ね色目の美しさを良く見る事ができるので注目を集めています。
また、シンプルなスタイルのセットが多く、雰囲気が大人っぽいので、大きくなってからも十分楽しむ事ができる優れたセットでもあります。


お値段は、
A / 立雛芥子親王飾りは税込み価格 120,780円 B / 立雛三五親王飾りは税込み価格 179,960円 



雛人形の値段が決まる要因とは?


雛人形の値段は色々な要因が積み重なって決まります。

まず①は、人数と大きさ。

芥子と呼ばれる大きさのお雛様で、飾り幅48cmの親王飾りがあったと仮定しますね。
そのセットの値段は12万円。 
でも、『もうちょっと人数が多い方がいいなぁ。』 と思って、全く同じお雛様に三人官女をプラスした場合…
飾り台も三人官女が飾れる段に変更する事になり、値段は16〜18万円位になります。
また、
親王飾りのまま『芥子よりもう少し大きなお雛様がいいなぁ。』と思って、芥子よりも1サイズ大きな小三五親王にした場合…
飾り台や雪洞、お道具のサイズもちょっと大きくなって値段は13〜15万円くらいになります。

このように基本的には、大きさが小さなものより大きなもの、数が少ないより多いもの の方が値段は高くなります。

②は、雛人形の着物の素材と作家による仕立て方の違い。

お雛様がお召しになるお着物は、金糸と色糸で模様を織り出した<金襴>という
豪華な織物生地を使用します。
その色糸の素材には絹やポリエステルのような化学繊維があり、
・手触りが良い絹100%で織ったとても高価な金襴
・化学繊維の織物だけど色数が多くて織り込まれた模様がとても複雑な高級金襴
・化学繊維の織物で模様はシンプルだけど色がきれいで上品なお手頃価格な金襴  
のように素材が金襴のランクを決めます。

その素材の中から雛人形作家が1体1体の雛人形に合うように選び出し、縫製や色合わせなど、独自の仕立て方を駆使して作り上げます。
絶対目に触れることの無い部分にも各々の作家によるこだわりがあり、これらの雛人形作家の生み出す雛人形の形の違いが値段の差となります。

雛人形の購入時期と価格の変動について


雛人形の製作は5月後半頃から少しづつ準備を開始し、夏には本格的な生産に入ります。
ほとんどが手作業で、繊細な工程が多く、完成までにとても時間がかかります。
10月を迎える頃には生産も一段落し、雛人形屋さんの店頭に並び始めます。
なので、雛人形の購入時期は新作のお雛様が並んでいて、品揃えが豊富な11〜12月がベストシーズンです。
「ちょっと早くない?」と思われるかもしれませんが、この頃は人が多くなく、ゆっくり見ることができるので、
お気に入りのお雛様に出会えるチャンスが高いところがおすすめのポイントです。

1月はお雛様が1番売れる時期なので徐々に混み始め、第3週あたりがピークとなりとても混雑します。
やはり人気のあるお雛様から減ってゆくので、「欲しかったお雛様がもう無かった…」と言うことも。
お雛様は大変手間と時間がかかるお品物なので、在庫がなくなったので新しいものを急いで生産したいと思っても簡単ではありません。
その場合、長ければ1年後となってしまいます。
そういう点も含めて、購入時期は年内11、12月〜年明けの早いうちが良いと思います。

「遅く買うと 安くなる?」や「3月3日過ぎると安くなる?」という質問をいただくことがありますが、
価格は、早めの11月も遅めの2月も変わらない同一価格の店舗もあれば、1月後半や2月になるとセール販売をする店舗もあります。 
これらはお店の方針次第で、どちらが良くてどちらが悪いということはありません。

セール販売は、どんなセットをセール品としてご提供するかは店舗の方針によりますが、
一例として、在庫が店頭品だけになった場合や、来年は新製品に変更する予定がある場合 などがあります。
なぜお安くなるかお店の方の説明を聞いて、納得されてからご購入されることをお勧めします。

購入前に知っておきたい雛人形の選び方ポイント

「あっ、いいなぁ♡」と一目惚れのような出会いのお雛様が1番良いのですが、それがすごく大きなお雛様だったらどうでしょうか?
私がまだ雛会社に勤めている時ですが、雛人形を選んでいたご夫婦がこの事が元でちょっと険悪な雰囲気になってしまった事がありました。
立派な段飾りが飾りたい旦那様と、飾りやすい大きさでとても気に入った親王飾りを見つけた奥様。
「どの部屋に飾るの?」「どこで寝るの?」「手伝ってくれるの?」というやりとりが続き、最終的に「僕が段飾りの下に寝るから!」で決着
しましたが、私の心には「本当に大丈夫かな?」という心配は残ってしまいました。
旦那様も奥様も、初節句をお祝いをしたい気持ちは同じなのですが、希望が噛み合っていなかったのです。


どこに飾る? どこにしまう?

この2つがとても重要で、飾る事は比較的解決しやすいのですが、問題なのはしまっておく事。
一般的には、立春(2月4日頃) を迎えた頃にお飾りして、3月3日過ぎの天気の良い日を選んでお片付け と言われているので、
飾っておく期間は大体1ヶ月半くらい。残りの10ヶ月半はお家の1番湿気の少ない所を選んでしまっておかなければなりません。
その事を頭の隅にちょっと入れておいてください。


そしてもう1つ。
雛祭りは女の子の誕生のお祝いと、健やかな成長を願ってお雛様をお飾りする女の子の大事なお祭りです。
なので、お嬢さんの代弁者として、まずはママの希望がどんな感じなのかを聞いてください。お願いいたします、パパさん。
そしてパパの希望がちょっと違っていた時は、その事をママに伝えてください。
お雛様は買い換えることの無いお品物です。嫌な事があったから捨てちゃう!なんて事はできません。
すごく良い思い出になるように、ママとパパの心を1つにしてお嬢さんにお雛様を飾ってあげてください。

まとめ

いつも使っている日常品とは全く性質が違う雛人形。
相場と言っても幅が広く、住環境や地域的違いなどにも左右されてしまいます。
でも… 1番大切なのは遠慮しない事だと私はいつも思っています。

誰かに遠慮して自分の意見を押さえてしまうと、楽しい思い出になるはずだった事に影を落としてしまうのをたくさん経験しました。
だからもうそんな事は起こってほしくないと心から思います。

大きいとか小さいとか、高いとか安いとか、そんな事ではなく、『お祝いしよう!』という気持ちを大事にして、
楽しみながらちょっと早い時期からお気に入り探しを始めていただいて、素敵なお雛様に出会って、笑顔で飾っていただいて、素敵な雛祭りを迎えていただきたいと心から願っています!

に投稿

【最新トレンド】おしゃれな雛人形のデザインと選び方のポイント!

< お雛様は昔と今で違いはあるのですか? > と言う質問をよくいただきます。
伝統的なお人形なので流行などとはあまり関係がないように思われるかもしれませんが、昔と今ではびっくりするほど違います。
お雛様のお着物は平安時代の装束なのでそれにふさわしい色彩は踏襲しつつ、時代にあったトレンドカラーもどんどん取り入れられています。

最新トレンドの雛人形のデザイン

昔のお雛様は…
男雛は紺系、女雛は赤系といった濃い色が多く、
飾り台は、赤い毛氈や黒塗りといった重めな感じのカラーでした。
屏風の柄は、無地の金屏風や扇文様、紅白梅文様といった古典的な文様が描かれていました。

今のお雛様は…
お雛様は、男雛も女雛もホワイトやパステルカラーといった柔らかくて優しいカラーが注目されています。
飾り台は、ホワイトやベージュ、スタイリッシュなグレー系、あたたかな木目がトレンドカラーになっていて
屏風の柄は、桜を中心とした春に咲く花々を刺繍や金彩などの技法を用いて自由に表現しています。

おしゃれな雛人形ランキング

① 今どきのお雛様 柳親王飾り・つきか

トレンドカラーのホワイトにピンクの桜の花びらを織り込んだ西陣金襴をお雛様のお着物にしました。
淡いピンクをアクセントにした小さくて清楚なお雛様は桜の妖精のような印象です。うさぎや蝶々、太鼓や鞠などの可愛らしい物を集めて作った吊るし飾りが彩りを添えます。前飾りの行器(ほかい)と桜橘のベースには自然素材を取り入れました。

② 今どきのお雛様 上芥子親王飾り・うらら

お雛様のお着物は細かな桜模様を織り込んだ白い西陣金襴を選び、男雛の袖口には淡いクリーム色を、女雛の重ねにはピンクのグラデーションを取り入れました。越中和紙で作った2曲1双の屏風は淡いピンクの和紙に刷毛で筋を入れていった逸品です。お雛様と調和した白い貝桶には螺鈿(らでん)細工がほどこされています。トレンドカラーのホワイトも屏風やお花、お道具などのテイストを変えると和の雰囲気に変身します。

③ 今どきのお雛様 柳親王飾り・きらら

白糸と銀糸と抑えめなカラーで花輪を刺繍したトレンドカラーのホワイト生地で2曲の包屏風を作りました。
その屏風の前には、満開の桜をイメージした女雛と、桜を見上げた時に目に入った印象的な春の空色の男雛を選びました。可愛いお雛様を照らす雪洞はピンクを選びました。ホワイトの屏風と飾り台がそれぞれの色彩を一層魅力的に見せてくれます。

④ 今どきのお雛様 収納箱柳親王飾り・きらら

コンパクト

以前だったら < お雛様なのにどうしてグレー? > と言われていたかも知れませんね。でもグレーは日本の色彩にちゃんと存在しているし、淡いグレーの着物などはとても上品で美しいです。グレーは何色とも調和する優れた色彩。屏風と収納箱には、ピンク色に染まった山々をイメージした縮緬を張り込みました。そこに、雪が溶けてちょっと顔を覗かせた若草とお花をイメージしたお雛様をセットしました。

⑤ 今どきのお雛様 上芥子親王飾り・きらら

トレンドカラーのベージュで2曲屏風と飾り台を作りました。リビングも和室もOKの、飾る所を選ばない点がお薦めポイントです。お雛様のお着物はトレンドカラーのホワイトベースとピンクベースに金糸と彩糸で桜を織り込んだ白い西陣金襴。背景のベージュが一層美しく引き立ててくれます。手作りのあたたかさが感じられる縮緬で作ったお花を左右に飾りました。

⑥ 今どきのお雛様 収納箱柳親王飾り・ほのか

お雛様の歌に登場する雪洞。今までは無くてはならないマストアイテムだったのですが、最近は雪洞に変わる新しい灯りが登場しています。このセットには扇型をした灯りを組みました。暖かな色光→クールな色光→2つの色光のグラデーションと3つのパターンが選べ、トレンドな白いお着物のお雛様を背後から彩ります。お部屋や時間で色味を選び、雰囲気を楽しむ事ができるお薦めな逸品です。

⑦ 大人っぽいお雛様 こ芥子親王飾り・つむぎ

木目と白・金のコントラストがひときわ目を惹きつけるセットです。自然素材特有のあたたかさは、トレンドカラーのホワイトも包み込んでくれます。白い桜を織り出した西陣織りをお着物にしたお雛様は、淡いクリームとピンクのアクセントカラーで彩りました。前飾りの行器(ほかい)と桜橘のベースには自然素材を取り入れました。自然素材のいろいろな色彩が楽しめる逸品です。

おしゃれな雛人形の選び方のポイント

おしゃれなお雛様を選ぶためにはいろいろなポイントがあります。
1つ1つチェックしてみましょう!

素材

まずは素材です。

お雛様の衣裳の素材は、< 金襴 > と < 重ね > の2つあります。どちらも縦糸と横糸から織り出される生地なのですが、
金襴は色数や織り方によって様々な柄が生まれ、重ねは白い生地を織り上げた後に各々の色に染め上げます。  
金襴を選び、その金襴にあう重ねを組み合わせ、1つのお雛様が出来上がります。


屏風は、木の芯材を刺繍や金彩などをほどこした生地で包む < 包屏風 > 、様々なサイズや形に加工した木材を塗装する< 塗り屏風 >や< 枠屏風 > 、
自然素材の特徴を活かす <木目屏風 > などがあり、製作工程や方法の違いによってぞれぞれ特有の良さがあります。


飾り台は屏風同様、様々なサイズや形に加工した木材を塗装する < 塗りの飾り台 > 、自然素材の特徴を活かす <木目の飾り台 > などがあり、製作工程や方法の違いによってぞれぞれ特有の良さがあります。


前飾りは、加工した木材を赤やホワイトに塗装する物、自然素材を取り入れ木目を活かす物などがあります。
そこに螺鈿や蒔絵などを加えて仕上げます。


桜橘は、それぞれの色に染め上げた紙や布から花や葉になる細かな部品を作り、その部品を組み上げて桜と橘を作ります。
その桜と橘を、井垣と呼ばれる部品と合わせ一対の桜橘が出来上がります。

カラーバリエーション

次はカラーバリエーションです。

トレンドは、ホワイトや淡いベージュ、可愛らしいパステルカラーやスタイリッシュなグレー系。 
ですが…
お雛様セットの場合、1つのセットの中に様々な素材が存在します。


ホワイトの場合、
お雛様の着物だったら… 無地系のホワイトもあるし、柄の入ったホワイトもあります。
無地系のホワイトはスタイリッシュな感じ、柄入りのホワイトからは華やかさや可愛らしさが感じられます。 


また、
飾り台だったら…塗り上げたホワイトもあるし、木目の入ったホワイトもあります。
塗り上げたホワイトは大理石のような硬い感じ、木目の入ったホワイトは柔らかさが感じられます。


のように、< 1つのセットの中で、どの部分をトレンドカラーにするか? > が1番重要なポイント。
お雛様のカラーを重要ポイントにするか、お好みのカラーを重要ポイントにするか、合わせる物はどんなカラーがいいか、などなど
簡単には決められないかもしれませんが、楽しみながら見て、いいなぁ♡と思う色を見つけてください!

サイズ

35cmから60、70、80cm、さらにもっと大きいサイズなど、いろいろなサイズがあります。
その中で、よく選ばれるのはコンパクトサイズと言われる35cmから55cm。
これくらいの大きさであれば、< 飾るところに余裕がないなぁ。> と思ってる方も飾りやすいと思います。

例えば… 35cmのセットだと、玄関のシューズボックスの上や階段下のちょっとした空間にも飾れます。

いつもみんなが集まる場所や、みんなが使う場所にお飾りできたらお雛様はいつでもみんなに会う事ができます。
お雛様にとって1番嬉しい事はみんなに会える事なので、ライフスタイルに合わせて1番ピッタリするサイズを選んでください!

オプション

前飾りや雪洞、桜橘といった小物類は1つのセットの中では大切なアクセントになります。
以前に比べると、色も、サイズも、種類もとても豊富になりました。せっかくなのでこの部分もポイントに
お気に入りのセットを探してください!

まとめ

お雛様にたずさわってもう30年以上が経ちました。その30年間でお雛様はとても変わりました。

パステルカラーのお雛様は少しづつに生まれてきていましたが、模様は古典的なものが多かったです。
それがだんだんと模様も変化し、今のような可愛いパステルカラーが誕生しました。
さらにホワイトやグレーといった彩りが加わり、お雛様の世界はとても明るく、身近な存在になりました。

< こんなに自由に選べて飾れるなんていいなぁ!> これが私の感想です。

私は自分のお雛様があまり可愛くなかったので (お父さん、お母さん、ごめんなさい )、< 可愛いお雛様が欲しい!> という思いから
この仕事を始めたのですが、時の流れと共にお雛様もどんどんとスタイルが変わり、そのお陰で、色々なお雛様を作ることが出来ました。
昔の私が今のようなお雛様に会ったらとてもとっても嬉しいだろうなぁ と思います。

一生に一度のお買い物ですから悩むのは当然の事。たくさん見て、たくさん悩んでください。
素敵なお雛様に出会って、素敵な思い出ができますよう 心から応援いたします!

に投稿

おしゃれでコンパクトサイズの雛人形の人気ランキング11選


3月3日は雛祭り。
桃の節句とも呼ばれ、女の子の誕生と健やかな成長を願ってお雛様をお飾りする特別な日です。
お雛様の歴史はとても古く、起源は平安時代にまで遡ることができます。 
1000年以上もの長い時間、お雛様は途絶える事なく脈々と伝えられてきました。

雛人形の魅力とは?

お雛様の魅力はなんと言っても美しさと可愛らしさ。
お着物の色や、女雛の胸元と袖口を彩る重ねの色のハーモニーの美しさ。
見つめるこちらが自然に笑顔となってしまう優しい微笑みのお顔の可愛らしさ。
平安絵巻でしか見る事ができない束帯十二単姿 (そくたいじゅうにひとえすがた) を再現したその姿の美しさはいつの時代も女の子の憧れの的です。

雛人形を飾る時期

お雛様を扱うお店では <節分が過ぎてから大安や友引などの暦の良い日を選んで飾るといいですよ。> と教えてくれていると思います。
これは旧暦を使っていた昔々からの風習で、節分の日は現在の大晦日のような日にあたり、1年の厄落としと迎える新しい年の福を呼び込むために豆撒きをしました。その風習の名残が <節分が過ぎてから大安や友引などの暦の良い日を選んで飾るといいですよ。> なので、節分過ぎの大安や友引にお飾りするのが良いと思います。
でもでも…… その言葉の後にもう一言 <こだわる必要はないですよ。> と続くのが工房凧スタイル。                       コロナの様な非常事態を経験し会いたい時に会える事がどんなに大切なのかを痛切に感じました。
だからこそ年末やお正月などに離れた家族や親戚、友達と会う機会があるのならそれに合わせてお飾りして、皆さんに見ていただくのはとても素敵だし、本当は桃の節句というのだから旧暦の3月3日( 現在の4月上旬) に桃の花もお飾りして無病息災を祈りつつ雛祭りを楽しむのも素敵だと思います。過去の風習を頭に入れつつ、My Style・Our Style を取り入れてお飾りしてもいいと思います。

雛人形の選び方とポイント

日常品を選ぶのだったらほとんど問題はないけれど、お雛様は普段ほとんど見ないものだから選ぶとなったらハードルが高くなってしまいます。
教えてくれる人によって言う事が違ったり、文章だと長かったり難しかったり、写真だけだと違いが分かりにくかったりとそれはそれは大変。

そんな時は下の4つのポイントを参考にしてください。

雛人形の選び方① 第一印象

1番大切なのは第一印象です。 大切なお嬢さんへの贈り物だからこそ良いお雛様をと思い、SNSやお店でさまざなお雛様を見て、またいろいろな話を聞くとだんだんと何が良かったのか分からなくなってしまいがちです。そこで重要なのが第一印象。
<あ、このお顔可愛い♡> とか <わぁ、このお着物のきれい!>とか、そんなポジティブな印象の心に響くお雛様を探してください。

雛人形の選び方② サイズ

次のポイントはサイズです。 サイズはお雛様の大きさではなくて、お雛様をお飾りする飾り台や収納箱の大きさです。
お迎えしたお雛様をどこにお飾りしますか? どこにお飾りしてあげたいですか?
例えば…
①みんなが集まる部屋の食器棚やサイドボードの上、あるいは敷布を敷いて床に飾る
②寝室や子供部屋などのチェストの上
③音楽をする方だったらピアノの上
④玄関の下駄箱の上
⑤和室があったら床の間
といった場所が候補に上がります。①から⑤それぞれにスペースが異なるので、お飾りする場所がある程度固まると選ぶサイズが決められます。
1番大きなサイズのお雛様をお飾りできるのは①の敷物を敷いて床に飾るスタイル。
1番小さなサイズは④の玄関の下駄箱の上になるかもしれません。
ですが、基本は < みんなが毎日お雛様に会える所 > が最高の場所なので、その点を頭の隅に入れておいてサイズを決めていただけるといいなぁと思います。

雛人形の選び方③ 収納スペース

サイズと同じくらい収納スペースもポイントです。お雛様の飾り方には親王飾り、収納飾り、ケース飾りの 3種類があります。 
収納箱飾りやケース入り飾りの良い点はお雛様やお道具などが全部1つの箱にまとめられるところで、紛失の心配がなく安心です。 
親王飾りの良い点はお雛様はお雛様の箱、お道具はお道具の箱と全部が別々になっているからまとまったスペースではなくてちょっとした空間があれば収納できる事です。 ただ、大体5個ほどの箱に分かれているのでそれぞれの場所を覚えておく事が必要になります。 

雛人形の選び方④ 予算

最後のポイントは予算です。 予算と聞くとイコールお金はいくら? になってしまいがちですが、高い・安い といった金額が重要なのではなく、
気に入ったお雛様を選んでいただきたいと心から思います。日常品と違い、お雛様は人生で1度だけお買い求めいただくお品物。
< あ、可愛い♡ このお雛様を飾りたいなぁ。> と感じたお雛様に巡り会えることが1番の幸せだと思います。

人気のコンパクト雛人形11選! 

工房凧がお薦めする人気のコンパクト雛人形セットをご紹介いたします。 

今どきのお雛様 小芥子親王飾り・はるか

自然素材の持つほっこり感がポイント

春を彩る桜の花を刺繍や蒔絵などのさまざま手法でお雛様のお着物や屏風、雪洞、お道具に描きました。
屏風の左右と飾り台には自然素材を取り入れました。ほっこりとしたあたたかな印象の親王飾りです。
男雛女雛のお着物は淡い紫とピンクの京都西陣金襴を選び、袖口や重ねは春らしい明るい色で彩りました。 
飾り寸法は幅48cmと飾り映えのするセットで、その上 省スペースなサイズです。

今どきのお雛様 収納箱芥子親王飾り・はるか

ピンクぼかしの優しい印象がポイント

ピンクぼかしに桜を刺繍した可愛らしい生地で2曲1双屏風を仕立てました。
収納箱には自然素材を取り入れました。木肌のほっこり感が心地よい飾り映えする収納箱飾りです。
お雛様のお着物は桜柄の京都西陣金襴から、男雛はアイボリー、女雛はローズピンクを選びました。
飾り寸法は幅50cmと省スペースで、棚の上にも、このまま床に飾ることもできる万能セットです。

今どきのお雛様 上芥子親王飾り・うらら

お雛様を包む和紙独特のぬくもり感がポイント

2曲1双屏風というクラッシックスタイルの屏風を淡い桜色の越中和紙で仕立てました。春の柔らかな日差しのような明るい印象です。お雛様のお着物は、段織りという西陣金襴から同じ柄の上品な白とピンクを選びました。柄のある部分では華やかさ、無地の部分では糸の艶やかさが感じられます。お雛様の左右には楚々とした紅白梅を配しました。飾り寸法は幅48cmと飾り映えがするセットで、その上 省スペースなサイズです。

今どきのお雛様 柳親王飾り・つきか

お月様の中心の可愛らしい吊るし飾りと手のひらサイズのお雛様がポイント

飾り寸法・幅35cmの、とってもコンパクトな親王飾りです。
手のひらサイズのお雛様とお月様の中心の可愛い吊るし飾りが一際目を惹きつけます。
男雛のお着物は春の空をイメージした淡い水色、女雛のお着物はピンクのグラデーション。ポイントに若草色を加えました。ちょっとしたスペースでOKなので飾る場所にお悩みの方にぜひ見ていただきたいセットです。

今どきのお雛様 柳親王飾り・きらら

ミルキーホワイトの屏風と手のひらサイズの春色お雛様がポイント

春空を彩る桜の花をイメージした手のひらサイズの春色お雛様をミルク色の屏風にセットしました。
上品で華やか、清楚さも感じる初節句にぴったりな親王飾りです。飾り寸法は幅40cmととってもコンパクト。ちょっとしたスペースでもこんなに素敵に飾れるので、飾る場所にお悩みの方にぜひ見ていただきたいセットです。お雛様の左右にあるピンク色の雪洞に灯りをともすと、また違った雰囲気もお楽しみいただけます。

今どきのお雛様 柳親王飾り・きらら

紫と白のコントラストの美しさがポイント

白い桜と紫の桜を全体に織り込んだ濃い紫色の西陣金襴を男雛に、白地に白い桜をちりばめた清楚な西陣金襴を女雛に選びました。春風に舞う枝垂れ桜を描いたオフホワイトの2曲1双屏風とちょっと大人っぽい雰囲気のお雛様がよくあった、目を惹きつける魅力ある親王飾りです。飾り寸法は幅38cmととってもコンパクト。
ちょっとしたスペースでも自分らしく素敵に飾りたいという方にぜひ見ていただきたいセットです。

大人っぽいお雛様 小芥子親王飾り・かのん

大人になっても飾れるシックさがポイント

今までご紹介してきたセットは可愛い感じ、明るい感じのセットが多かったのですが、がらっと印象の違う
こちらのセットもお薦めです。可愛いセットは赤ちゃんが少し大きくなった時に喜んでもらえる事を1番に考えていますが、こちらのセットでは大きくなっても飾って欲しいという願い込めて考えています。
今はまだ分からないかもしれないけれど、少し大きくなって< 私のお雛様きれい!>と言ってもらえたらどんなに嬉しい事でしょう。素敵な思い出を1年1年積み重ねていっていただきたいと願っています。
飾り寸法は幅45cmと飾り映えのする、その上 省スペースなサイズです。

今どきのお雛様 小芥子親王飾り・うらら

春がお部屋にやってきたようなあたたかさがポイント

ピンクは女の子の大好きな色。一足早くお部屋に春が訪れたような、あたたかさと可愛さの溢れる親王飾りです。春に染まったお着物姿のお雛様。女雛の重ねには春の彩りを添えました。屏風には昔々から日本にある遊具の手毱と桜を刺繍しました。雪洞に灯りをともすと雛祭りの雰囲気が一層高まります。飾り寸法は幅48cmと飾り映えのするサイズで、その上 省スペースな点がお薦めです。

今どきのお雛様 収納箱上小芥子親王飾り・こはる

金屏風の煌めきとぼかし染めのお着物姿のお雛様がポイント

金屏風はお祝い事にはかかせないマストアイテム。昔々から現在まで、さまざまな華やかな舞台を支えてきました。その金屏風に現代感覚をちょっぴり加えてみました。刺繍の入ったお雛様のお着物は、白い生地を男雛は淡い紫、女雛は淡いピンクにぼかし染めをほどこした手の込んだ素材。収納箱には自然素材を取り入れました。飾り寸法は40cmとコンパクトでお片付け楽々。省スペースで飾れるので、飾る場所にお悩みの方にぜひ見ていただきたいセットです。

あたたかさいっぱいのお雛様 収納箱上小三五親王飾り・のどか

木目のほっこり感とお雛様の晴れやかな色彩のハーモニーがポイント

自然素材の持つほっこりとしたあたたかさが魅力の収納箱飾りです。お雛様のスタイルは女雛の単(ひとえ)が少し多めに見えるところが特徴の、現在のお雛様の元と言われる古今雛(こきんびな)を現代風にアレンジしました。男雛には清々しい白を、女雛には晴れやかな赤を選び、金彩と刺繍で雪輪と桜を描きました。
飾り寸法は幅55cmと省スペースで片付けも楽々。棚の上にも、このまま床の上にも飾れる万能セットです。

今どきのお雛様 収納箱小三五親王飾り・うらら

淡いピンクぼかしと伝統の重みある古典美のお雛様がポイント

屏風と収納箱のピンクぼかしが女の子のお祝いにぴったり。自然素材の柔らかさと愛らしさが溢れる収納飾りです。お雛様のお着物には七宝文や唐草、橘といった伝統文様を多色の色糸で美しく織り込んだ京都西陣金襴でお仕立てしました。お雛様もお道具も全部収納箱に入ってしまうので安心、そして片付けは楽々です。飾り寸法は幅55cmと省スペースなのに飾り映えする、棚の上にも、このまま床の上にも飾れる万能セットです。

ひな祭りとは?

ひな祭りは、はるか昔の奈良時代に中国から伝来した考え方と、もともと日本にあった風習が結びつき、
さらに平安時代に女の子のお人形遊びと一緒になり、それが少しづつ変化しながら脈々と伝えられ、現在のようなひな祭りとなりました。
1000年以上の時間の中でただ1つ 全く変わらずに受け継がれたのは、ひな祭りに込められた < 無事に大きくなりますように…。> という
子を思う親・家族の想い。いろいろな事を経験した現代のほうがその想いは強くなっているかもしれません。
世界中を探してもお雛様のように< お > と< 様 > という尊敬語が2つもついたお人形はありません。
ひな祭りは素晴らしい伝統文化、美しい心の結晶のような存在です。

雛人形の購入方法

以前だったらデパートや雛人形の専門店へ直接出かけて、見て、選んで、購入するというスタイルが一般的でした。 でも今はオンラインショップやカタログ請求といったスタイルもあります。
直接お雛様に会って、いろいろな点を見ていただくのが1番納得のいく方法だと思うのですが、寒い時期に小さい赤ちゃんを連れて行くのはちょっと考えてしまうところ…。
専門知識を持ったスタッフのいる専門店では商品説明やいろいろなアドバイスをしてくれたり、
オンラインショップでは気兼ね無く時間をかけて考えることができたりと、それぞれの方法に良い点と悪い点があるので、まずはママとパパや、ご家族で良く相談していただいて、どの方法が1番自分達にあったスタイルかを選んでいただけたらいいなと思います。

お雛様を購入される方は、以前ですとママの実家が買うのが一般的でした。
しかし最近は、孫の誕生という嬉しく記念すべきお祝い事はママ・パパの両方の実家で半分づつ出し合い購入するケースや、ママとパパのお二人で購入されるケースもたくさんあります。
誰が買わなければいけないという決まりは全く無いので、皆さんで和やかに相談していただき、素敵なお雛様をご購入いただけると幸いです。

まとめ

お雛様はお嬢様の誕生をお祝いしてお買い求めいただく大切なお人形です。
まさに一生で一度のお買い物。
そんな品物は他にどんなものがあるだろう… とよく考えることがあります。
ご来店いただいたお客様とお話しすると、とても大切に考えて、深く悩まれ、時間をかけて選ばれている事がよくわかり、私は背筋がぴっ!となります。
その想いをいつも心に置き、1体1体のお雛様を大切にお作りしております。

お雛様のスタイルも、飾る場所も、誰が購入するかも、昔と今では
大きくさまがわりしています。
< 早く片付けなければお嫁さんに行かれない > というのも迷信です。
以前の習慣にとらわれず、無理なく、楽しみながら、笑顔でお雛様を飾っていただき、みんなでお祝いをしていただけるといいな と心から思っています。

皆様が素敵なお雛様にめぐりあえますように!