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雛人形は誰が買う? 購入のルールと家族間の役割分担


『 雛人形は誰が買うのですか?』という質問を大変多くいただきます。

私はこの言葉を耳にすると、昔の風習がだいぶ薄れてきているのだなぁ と感じます。

雛祭りは女の子の誕生と健やかな成長を祈り、お雛様を飾ってお祝いする大事な日です。

その大事な日を皆様がつつがなく迎えられるよう、この質問についてご説明いたします!

雛人形は誰が買う?伝統的な考え方と現代の傾向

お雛様には1000年以上の歴史があり、お子様の健やかな成長を祈る “お守り的な意味” が込められています。
また、お雛様は世界にも類を見ない日本独自の伝統文化です。
そのため、購入に関しても脈々と受け継がれてきた伝統的な考え方が存在します。

その伝統的な考え方とは 『嫁いだ女性の実家が購入する』 というものです。
この点はちょっと深掘りしてご説明しますね。

これは 『結婚相手の男性の実家で、男性の両親と一緒に暮らす』 という昔の生活スタイルが前提になっています。

もともと雛人形などの節句人形は嫁入り道具の1つとされていたため、女性の実家は娘が嫁ぎ先で苦労しないよう雛飾りを用意したと言われています。

また、嫁がせてしまうと頻繁には会うことができないので、娘や孫に会いに行くためにお雛様を贈ったとも言われています。

スマートフォンの画面越しではあるけれど、いつでも会える現代からみると、ちょっと考え難い点もありますね。

現代では、夫婦双方の実家で費用を分担したり、夫婦だけで購入するという傾向が見られます。

“新しい家族の誕生をお祝いしたい” という気持ちは皆同じと思いますが、なにぶんお金のかかることなので、また、“お雛様に対する考え方” には地域による差もあるので、なかなか簡単には決められないものです。
まずママとパパで相談し、それから(ちょっと話し難いかもしれませんが)双方のご両親に2人の気持ちをお話しして、意見を伺うことをお薦めします。

地域ごとの雛人形の購入ルール

雛人形の購入ルールは愛知や岐阜を境に、若干ではありますが地域による差があります。

北海道・東北・関東・中部では、
お子さんが女の子の場合はママの実家、お子さんが男の子の場合はパパの実家で購入するというのが一般的です。
これらの地域には、男の子が家を継ぐ武家文化が根強く残っているからだと言われています。

関西・中国・四国・九州では、昔の風習通りにママの実家で購入するというのが一般的です。

雛人形は親と祖父母のどちらが購入する?

今までは殆どの場合、ママの実家が購入してプレゼントしていたお雛様ですが、現代ではその風習も徐々に薄れてきて、新しい購入スタイルに変化してきています。
どんなふうに変化したか、ちょっとみてゆきましょう!

おじいちゃん・おばあちゃんが購入して孫にプレゼントするスタイルが大半なのですが、今までは購入者が “ママのご両親” だったところが、最近では“パパのご両親” がお買い求めになるケースがとても多くなってきています。

これは、『女性の実家はお金がかかる』と言われた時代が大きく変わり、双方のご両親が助け合い、新しい家族を見守っているのだな…と実感する出来事です。

また、ご両親には頼らず、ママとパパのお金で購入するケースも増えてきています。

このように、“◯◯が購入しなければならない” というルールはありません。

※ おじいちゃん・おばあちゃんのご好意にママとパパが全面的に甘えるのも良し。
※ おじいちゃん・おばあちゃんのご予算にママとパパの予算を足すのも良し。
※ ママとパパ両家のおじいちゃん・おばあちゃんで半分半分出し合うのも良し。
※ ママとパパで新しく築いた家庭のお祝い事として実家に頼らず購入するのも良し。  

など、いろいろな購入スタイルが考えられます。
お雛様は買い換えることのない、一生に一度のお買い物です。
じっくり考えて、お気に入りのお雛様に出会って、素敵な思い出を作ってください!

雛人形を贈るタイミングと選び方のポイント

“誰が購入するか” を決める際に、一緒に考えた方が良い事があります。
それは『雛人形を贈るタイミングと選び方』です。

時間があるように感じますが、決める事がたくさんあって予想外に時間がかかってしまうものです。

また、普段見慣れないものを見続けると頭がゴチャゴチャになってしまい、『 娘のためにお雛様を飾りたい!』という意欲が下がり気味になってしまいます。

そうならないために、10月頃からゆっくり、楽しみながら、時間をかけて、
カタログやウェブサイトなどを検索してお気に入りのお雛様を探してください。
次に、実際に見られるならば年内に下見をして、お気に入りポイントを確認しましょう。
そして、『このお雛様が好き!』と感じたら、品切れになる前にご購入するのをお薦めします。

お雛様のお届けは一般的に、“ 節分過ぎの大安や友引など” とされていますが、絶対事項ではありません。 
お正月にご家族が皆集まるご家庭であれば、お正月から飾っても、年末から飾っても、全く問題はありません。

どんなタイミングでお届けするか自由なので、ご夫婦・ご家族で相談してベストなタイミングをお選びください!

雛人形の購入にかかる費用と準備

雛人形の購入費用も気になりますね。
購入費用をとても大きなくくりで言ってしまうと… 5,6万円から30万円 となっています。
『えっ?』と思うような値段差がありますね。
この値段差は、雛人形やお道具類の大きさや素材、飾り方などの違いによるものです。

例えば…
男雛と女雛2体の親王飾りの場合、手のひらサイズの小さなお雛様セットだと5、6万円なのですが、
帯から作ったお雛様で、お道具類にもこだわったセットだと30万円くらいになってしまいます。

お雛様とお道具類の素材や制作工程の違いは、カタログの写真やサイトの画像を見てもなかなか実感できないかもしれません。
その場合には、お店に行って実物を見ながら違いを説明してもらったり、電話やメールで質問してみてください。

雛人形の購入で家族で話し合うべきこと

『 雛人形を購入しよう!』と話が進んだら、

※ 雛人形の大きさはどれくらいが良いか
※ 飾り方はどんなスタイルが良いか
※ 飾る場所はどこが良いか
※ 予算はどれくらいにするか

を、ぜひご家族で相談してください。

お雛様は普段見慣れないものなので、大きさの感覚が掴み難いです。
お店に出かけ店内で見た時は小さく感じたのに、家に届いたら想像以上に大きかったという事も多々あります。

また、たくさん見過ぎて自分の希望が置いてけぼりになってしまい、その結果、あまり好みでない雛人形を選んでしまうと言う事もあります。

できれば、第一候補、第二候補、第三候補 を決めておくと心にゆとりが生まれ、落ち着いてお雛様選びを進められるのでお薦めです。

まとめ

ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
昔々は女性の両親が購入して贈るのが一般的だった風習も、だんだんと遠いものになってきました。
古い風習にとらわれ過ぎず、気持ち良くお雛様選びをしていただけると嬉しく思います。

思いもしなかった病気や天災が起こる現代。
そのなかで生まれてくれた新しい命がお雛様に守っていただけます事を、
ご家族皆さんで素敵な雛祭りをお迎えいただけます事を、心よりお祈りいたします!